ストーリーで学ぶ地球環境問題【大好きな地球を大切に】第20日-海面上昇で日本はどうなる・2 | ひとも地球もサステナブル!

ひとも地球もサステナブル!

幸せを実感できる社会=ひとも地球もサステナブルな世界
そんなビジョンをみんなで描き、実現しましょう!

★ストーリーで学ぶ地球環境問題


☆☆大好きな地球を大切に☆☆



【第20日】:

第2章 
地球温暖化はもう始まっている



海面上昇で日本はどうなる?・2


海水面が1メートル上昇すると、
21世紀末には日本国内にある
砂浜のおよそ9割が消滅
すると
いうんだ。

岡山、沖縄、秋田、宮城、東京、
石川、福井、京都、大阪、和歌山、
島根、山口の12都府県で砂浜が
ほぼ100%消えてしまうそうだよ」



 


「海水浴場がなくなってしまうわね。
わたしって、にぎやかなのが好き
なんだけど・・・・

海岸に泳ぎに来る人がいなくなる
なんて、ちっとも楽しくないわね」
 
 
「砂浜が消滅するっていうのは、
海水浴場がなくなるだけでは
ないんだ。

・・・・一郎くん、ほかにどんなことが
考えられるかな?」


「海水浴場のほかにですか? 

・・・・そうだ、景観というのかなあ
・・・・景色が悪くなる」


「そうだね、
では尚子さんはどうかな?」


「ええっと、砂浜には小さな生き物
がいっぱいいるから・・・・それが
いなくなる・・・・
そうするとそれを食べる魚や
水鳥がいなくなって・・・・
命のつながり(食物連鎖)が
切れて生き物(生態系)がダメに
なっちゃう」


「いいところに気がついたね。
食物連鎖で生き物がみんな
つながっているのだったね・・・・。

他にないかな?」


「ウーン・・・・」

「ええっと・・・・」

2人とも考え込んでしまっています。


「じゃあ、いつものようにヒントを出そう。

汚れた水が海岸に打ち上げられたと
すると何が起こるかな?」

大南先生は少し難しすぎるかなと
思いましたが、2人の想像力と理解力
を信じて質問しました。


「・・・・」

「・・・・」


「じゃあ、砂の上に汚れた水をかけた
ときのことを想像してごらん」

「水が砂の中にしみ込んで・・・・
汚れは砂について・・・・あっ、そうか!
砂浜が汚れた水をろ過するんだ!」

一郎くんが謎を解いて喜んでいます。


 


「その通り。では、尚子さん・・・・
砂についた汚れはそのあとどうなる
と思う?

・・・・汚れは汚いものではなくて
有機物だと考えてごらん」


「うん、学校で勉強したことを思い
出したわ。

・・・・有機物は栄養だから微生物が
食べてしまうのね。

そしたら汚れが消えちゃう。

・・・・エヘン、わたしが砂浜の役割を
ご説明しましょう。

・・・・エヘン、砂浜の役割というのは、
汚れた水をきれいにしてくれる、
自然の浄水装置
なのです。

つまり、わたしたちをキレイにして
くれるお風呂場みたいなものです。

えっ・・・・ということは・・・・お風呂場が
なくなるということは・・・・わたしたちは
汚れをどこで落とせばいいの・・・・
そんなのイヤだ、エーン」

尚子さんは、最初は得意になって
砂浜の役割を説明していましたが、
やがて大変なことに気づき、泣き
出してしまいました。


「尚子さんの気持ちはよく分かるよ。
だからこそ、砂浜の役割をできる
だけたくさんの人に知ってもらえる
ように努力しなければならない

だよ」

 



大南先生が尚子さんをなぐさめる
ように言いました。
                  

次回に続きます。