我が家には
定期的にやってくる
親戚のおばさんがいます
以前はわたしと
犬猿の仲で
どうしてもうまく行かんかったんやけど
嫁いできて8年経って
なんとか
やっと
会話ができるようになりました
わたしが変わったのか
おばさんが変わったのか
どちらも変わらんけど
空気の淀みがとれたのか
おばさんの口調の強さは
なにも変わらんのやけど
わたしが傷つかなくなりました
“慣れ”
おばさんに「嫁のくせに」と
言われても
確かに嫁やし。って思うくらいで
「だからどうしたん？」と
開き直っています
以前は怖くて仕方なかったけど
いまはもう
傷つくというより
笑ってしまう
おばさん今日も元気やなーって
微笑ましく思う
ビニールハウスの野菜を
たくさん持ち帰る姿を見て
悲しい気持ちになったことも
たくさんあったけど
いまは
「そんなに持ち帰っても
食べきれんかもしれんから
少な目にしておいて
また来てくれたらいいのに」
と思う
この差
なんなんやろか
ビニールハウスの野菜を
持ち帰る姿をみて
当時のわたしは
「家の財産がとられる」
みたいな感覚でいました
なんというか
搾取のように感じていました
でも、両親は
おばさんが持ち帰ることを前提で
野菜を作っていることに
気づきました
もともと多めに作ってる野菜。
おばさんが持ち帰ったところで
我が家が飢えるわけではないし
仮におばさんが持ち帰り過ぎても
自分たちは他の野菜を食べればいい
そして次のシーズンに
さらに多めに作るとか
対策を練ればいい
ビニールハウスの野菜を
けちけちして
気持ちが貧しくなるよりも
欲しい分は差し上げて
笑って暮らした方がいい
だっておばさんが持ち帰ってしまっても
食べ物に困ったことなんて
なかったのだから
ありがたいことに
我が家はご近所さんに
いろんなお裾分けをいただくし
お返しとして渡すものも
ビニールハウスのもの以外に
畑で採れた野菜や
木になっている果物がある
売り物の野菜を
おばさんが持ち帰っても
生活自体はそんなに変わらん
わたしが悪口を言われて
傷ついていたから
両親がおばさんとの距離を
とろうとしてくれたんやけど
もう大丈夫
昨日、おばさんが
我が家にやってきて
野菜を持って帰りました
わたしと子どもたちが
縁側で遊んでいたところ、
遠くから何かを言いながら
こちらに向かって歩いてくる
おばさんの姿が
見えました
「おばさんこんにちは
明けましておめでとうございます。
お茶いかがですか？」
おばさん「嫁のくせに！
気が利かない嫁！」
「準備してきますね」
おばさん「ほんまに！
△■×〇α」
数分後
両親揃ってお茶を飲んでいると
おばさんは
前掛けのポケットから
チリ紙で包んだものを
子どもたちに投げてきた
おばさん「子どものくせに！
もらっておけばいいやろ！」
お年玉でした
もう。
ごめんなさい
笑いをこらえるので
精いっぱい
思わず台所に走っていき
噴き出しました
え、
ツンデレ？
あかん
ツボに入った
子どもたちの声が聞こえる
「ありがとございまーす」
子どもたちはおばさんが怒鳴っても
微動だにしない
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