収量の概念を考える | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一

収量の概念を考える

 

連日40℃を超える猛烈な酷暑が続く中、いかがお過ごしでしょうか。

コロナも連日患者数が多いとは言え、ピークを迎え越えているようにも見えます。

https://newsdigest.jp/pages/coronavirus/

人と会わない、会食をしない、会議を避けるなど人と接触しない日が半年近く続いています。

人類の歴史上これほどの経済停滞を招いた期間というのはないでしょう。

中国では香港中国化とも言える法案が実施され、言論、行動の自由の阻害が現実化している。

気候の変動といい2020年は歴史の転換点となるのかも知れません。

 

そのおかげでリモート会議、勉強会が増えてきましたがある勉強会で土壌硬度分布(土の硬さ)がどのように収量に影響しているのか、という質問があった。

土壌硬度分布の違いは作物の生長スピードに違いが現れると答えた。以前ブログでも紹介したが(写真で見る成長の違いー土壌硬度の違いによる成長の違い)成長の仕方が変わるというのが明確な答えになる。

なんだそりゃ、と思われるかも知れないが、実際にはその違いが収量の違いにつながるということを答えたのです。

これだけだとなんのことかわからないと思うのですが、それについては別のブログで書くとして今回は収量の概念について考えてみたい。

 

一般的に農家の方は自ら出荷している規格に合わせて栽培を考えているのが当たり前なので、あまり意識をすることはないと思う。

収量といえば出荷規格にあうものがどれだけ多くとれるのかという話である。

しかし、たとえば同じじゃがいも栽培といってもでんぷん原料などやマッシュ用原料、食用、ポテトチップスやフライドポテトの加工用と多岐にわたり規格も同じように多岐にわたる。

収量というと規格収量をあげるということになるから、ただ大きくなればいいということではない。原料系は基本大きくすればいいというということで収量を増やすことが出来るが、その他のものについては規格内の収量をいかに増やすのかということになり、ただ大きくすればいいというわけではない。

葉物も同様で用途によって規格が全く違う。

私のような立場であると、収量を増やすには?という質問に対して、その収量規格を知らなければ答えることが出来ないし、何が問題で収量が増えていないかを確認しないと答えられない。

私が何を言いたいかというと、収量を増やすというのはそんな簡単な方法論では語れないということである。

同じ作物を作っていても、出荷先の規格によってその収量概念というのは変わってしまうからである。

一般的な収量増大ための栽培技術を語る時に簡単に収量が増えるなどと、答えることが出来ないはずなのだ。

つまり、多くの作物を作っている型が参加されている勉強会で収量を増やすという話をするというのは意外と難しい。そんな簡単な話ではないためである。一つの作物たとえば出荷組合も同じというようなかたがたであれば割と細かい話も出来るが、別の作物栽培をしている方が集まっているような場合にはストレートにどうやったら収量が増えるという話は簡単に出来ない。

 

これは栽培技術一般に言えることだが、技術の話では上記の用な理由で一般論しか話すことが出来ない。

一般論でも外れてくる場合があるが、多くの方には園はずれる場合のエクススキューズが大事であるということを念頭に置いておいたほうがいいと思う。

つまり、一般論には無数の例外が存在し、一般論だとしてもここの方のこのほ場には当てはまらないということが多い。

現場に行って農家の方とともに話を聞きながらほ場を見ながらでない限り、具体的な方法を語るのは微妙なのである。

ましてや収量を増やす一般的な方法などなかなかない。

 

土壌硬度と収量の関係を聞かれた時にわかったのは、収量という概念があいまいすぎるということ。

しかし、技術論の多くは収量を増やすにはという点から語られることが多く、あまり役に立たないのではないかと思うのだ。

その時にさまざまな作物が集まるグループでの話というのは、共通の収量を増やすことしか具体的には語れないのではないか、ということである。

それは何かというとほ場ないの作物を均一に育てるということである。

これは以前から書いているが、多くの人は均一に育てるということを意識していない。収量をどうやって増やすかというようなあいまいな技術を聞きたがっている。

多分それはほとんど役に立たない。

しかし、均一に作物を作るというのは規格がそろいやすくなるために、規格内藍収量が増え、捨てるものが減るということからほぼすべての作物においては共通の技術課題となる。

均一に育ているというのは案外というか、相当難しい。

そこに技術の第一点を置くと収量を増やす技術というものも転用できるだろう。

均一につくるという技術においては、ほとんど資材は介在せず、どのように細かく技術の精度を上げてゆくのかという点に絞られる。

多分そういったことに目を向けることで収量の増加、利益の増加につながると思う。

周りを見て欲しい。

優秀な農家のほ場はほぼ例外なく、均一に作物が育っているはずである。

 

まあ、それに関連した「農業を科学する研究会」の勉強会が21日にリモートで開かれるので紹介する。

私の雑誌農業経営者の連載「科学する農業」を深掘りするシリーズの一回目。

下記の2連載を取り上げます。

 ・農業は科学的に行われている?(2011年12月号) 

 ・数字で知る自分の畑(2012年1月号)

内容的にはこれらを読んでいただいてQ&Aを徹底的に行うというものです。

参加希望の方は

 

また、研究会については新しいダイジェスト映像がアップされたので紹介しておきます。

「耕起と土壌硬度の基本」

研究会に入会していただくと、これらのすべての映像が見ることが出来ます。

 


農業を科学する研究会広報チャンネル 「農業を科学する研究会」の過去の映像をダイジェストで公開しています。

 

農業を科学する研究会 土壌硬度の均一性評価(β版)を正会員になると使用できる予定です。

 

Agsoil株式会社 土壌硬度の均一性評価(β版)を提供します。

 

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