科学と非科学の間 | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一









農業技術を追求すると、ありえない現象に遭遇することがある。


また、非常にありえない話に遭遇することもある。


怪しい話も多い。


そのようなとき我々は、どのように対処すべきなのか?ありえないといって、頭から否定するのか、無視するのか、それとも活用すべきなのか?


当然活用すべきですね。私はそう思います。


実は、科学的にある資材が効果があるということを証明するのは非常に面倒である。例えば、微生物資材であるが、効果がある場合もない場合もあるが、効果がない場合をことさら取り上げて、偽資材だなどと決めつける風潮があるが私から見ると単に効果のない条件で使用したのだろうとしか見えない。証明されていないものを否定するというのは、ある意味、非科学的だ。


科学などというのは、ある意味、わからないレベルを掘り下げてゆくだけの話であり、今でも未知の事のほうがはるかに多いのである。


私が子供の頃、世の中の物質の中で一番小さいものは、原子であると言われていたが、今ではまるで忘れ去られている。


恐らく最も解明されているであろう人体についても、未だにわからないことだって多いのである。


科学において重要なことは、再現性なのである。どういうことかというと一度起きたことを追試してみて、同様の現象が起きるのかということを実証できるということだ。


つまり、実験などを行なって再現できなければならないのである。それによって、科学的に実証できたということになる。


さて、農業分野において考えてみると、この実証というのがいかにむずかしいことであるのかよく分かるだろう。実験室レベルの基礎実験であれば、可能であるが、栽培の現場で何らかのことを実証しようというのは、非常に困難であるのはだれでもわかるだろう。


条件がバラバラであるので、再現性を確保するのが非常にむずかしい。つまり、ほんとうの意味で科学的な実証を行うのは極めてむずかしいということになる。


先にあげた微生物資材でも、効果のある条件を特定できて、圃場で再現出来ればかなり実証性は高くなるが、100%という事にはならないだろう。しかし、少なくても確率的な意味での実証はできるだろう。


しかしだ。栽培現場において、そんなことをする意味がどこにあるのかというわけで、農業現場においてはほんとうの意味での科学的な実証を行うということは、あまり行われていない。


故に、栽培の現場においては、現場の経験と勘というものが重要になっているのである。


いわゆるエセ科学やオカルトといわれるものの差は、一体どこにあるのだろうか。私自身信じられない様ないわゆるオカルトと周囲は判断するような現場を数多く見てきたし、今ではそれを実際に活用している場合もある。


いつも紹介している「栄養週期理論」にしても、まるでオカルト扱いされているようだが、私からすればまっとうな理論で、実際に数多くの現場で実行されており、「巨峰」は、栄養週期理論に基づいて栽培されているのである。


その他にも一見怪しいものは数多くあるが、日本の学会にしても、指導者にしても省みることはない。従来からの常識に固執していて、もったいない話だと思う。


私が数値管理技術の話をすると、実は、オカルト呼ばわりされる。しかも、ろくに内容も聞かないうちに、ありえないなどと言われてしまう(と言うよりも無視される)。こういった態度のほうがはるかに非科学的だな~と思うのだ。数値管理など出来ない、という思い込みこそが危険な発想で、ありえないということこそが科学的な態度ではないと思う。ありえない話だろうが、実際に現場では活用できているのであれば、問題ないと思うのだ。


いわゆるオカルトというのは、どのようなものか?


批判を承知で書いてしまえば「有機栽培」信仰のような「無農薬であれば安全」「有機栽培は、栄養価が高い」というような、全く根拠のない主張のほうがオカルトに当たると考えている。少なくても、明確に否定されているのであるから、オカルトといっていい。


科学的というか、本当に正しいのかどうかは、多数決ではきまらない。栽培技術において日本が遅れを取ってしまっているのは、硬直した思考にあると考えているし、日本の停滞にもつながる思考形態だと思っている。




今日のエントリーは、私の専門分野を超えているので間違いがあるかもしれません。その場合は、遠慮なくツッコミを入れてください。

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