失敗をしないために考えるべきこと | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一









経営にしても栽培にしても、失敗をいかに少なくするのかが成功への道である。


どのような小さいことでも常に選択しなければいけない瞬間があり、その選択を間違えると、失敗ということになる。


失敗するには理由があるし、失敗するべくして失敗しているケースのほうがはるかに多い。


こんなことを書くと、偉そうに書いていると思われるかもしれない。




わかりやすく書こう。


小学校1年生の算数であれば、大人であれば誰でも子供に教えることができる。理由は、小学校1年生の算数を基礎としてはるかに高度なことを知っているからだ。


つまり、小学校1年生レベルをはるかに超えていれば、何故、答えが間違っているかを知っているし、その児童のレベルも計ることができるだろう。これは、小学校1年生に対して知識や経験レベルが高いから判断できるわけだ。小学校1年生が間違った知識を持っていれば指摘することもできる。


栽培の問題にしても同じで、天気が悪くチッソ過多になりやすいと知っていれば、天気の悪くチッソ肥料が不必要な時に、チッソ追肥をすれば失敗するということはすぐに分かる。


知識や経験が多ければ、失敗を回避することが可能になるということである。逆に言えば、知識や経験が少なければ失敗する確率が高くなるということになる。


私のような職業が成り立つ理由は、実は農家の方よりもはるかに知識や経験が多いということに由来する。


そんなことはアタリマエだろうと思うだろうが、では、大人の知識や経験というものを知ることができるのは誰だろうか。実は、多くの方は自らの知識や経験というものがどの程度か知ることはむずかしいし、自らの知識が本当に正しいのかを知ることですらむずかしい。多くの失敗を通じてどの知識が正しく、間違っているのかを知ることで、経験を重ね知ることができるようになる。これは自らの反省を込めて書くが、私自身まだまだ知らないことやわからないことは無数にあるし、日々発見の連続だといえます。




こんなことを書くと傲慢と思われるでしょうが、私がこのブログのエントリーで、ダメ出しをしている多くのことは、私にとっては基本的なことでアタリマエに失敗することだから自信を持ってダメ出しをするわけです。


やってみなければわからない、とか、よく言われる反論ですが、似たようなことを複数経験していて同じ失敗をしようとしていればすぐに分かるのはアタリマエだし、何を回避すれば失敗しないかということも知っているわけです。


さらに例を挙げれば、このエントリーでは6次産業化やブランド化の否定を書いたわけではありません。


ブランド・高付加価値戦略は失敗する!!!

http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/entry-11451130181.html


まともに物がとれていない農家が、高付加価値やブランド化を狙ってもうまくゆかないというのは、だれでも理解できるアタリマエのことですが、なんとなく納得出来ないものを感じていた方が明確に失敗する理由を知ることができたと思っています。


私のブログで書いているのは、いわゆる農業界で言われていることの常識がいかに一面的であるのかを書いています。


今回のエントリーは、私の知識や経験があるということを書きたいのではなく、今常識と考えられていることをもう一度見なおすことで失敗を減らすことができるということを書きたいのです。


タイトルである「失敗しないために考えるべきこと」というのは、何も考えずに実行するのではなく、常に自らの行なっていることを疑いつつ、知識を深める必要があるということなのです。


正しい答えというのは、多数決で決まるものではありません。多くの人が正しいと言っているからといって(例えば、6次産業化やブランド化)正しいとは限らないし、間違っているとも言い切れません。


成功事例を知るということは、実際に運営を行うにあたってはほとんど役に立ちません。成功の影にいかに失敗が数多くあるかを知らないからです。多くの場合、失敗した事例にこそヒントと経験が隠されており、失敗を知ることで成功の確率を高めることができるのです。


ある程度歳を重ねると、自らの知識や経験を過信するようになります。歳を重ねれば重ねるほどそうなると言えます。日本では失敗を知るということの意味すらわかっていない人が多いため、失敗の事例を話すだけで否定的な話をするな、ということになります。


しかし、本来農業関連のことだけとっても知らないことだらけという謙虚な姿勢が必要で、そういった姿勢がまさに失敗を減らすということにつながります。失敗は恐るべきです。


農業においては、他の産業とは違い桁違いに経験を重ねることができません。普通の産業であれば、一年あれば様々な試行錯誤ができますが、農業であれば一年位一回しか失敗の機会はないのです。


多くの資材、技術を普及する人は、成功事例を並べ立てますが、ほとんど意味が無いことは多くの人が知っています。むしろ、何故、失敗したのかを知りたいはずで、どうしたら失敗しないかを知りたいはずであるにもかかわらず、失敗事例をひた隠しにしているわけです。


私の場合、多くの現場に顔を出し、しかも技術や資材に縛られていないために失敗の事例に触れることができるという特殊事情があるために、はっきりと理解できるのです。


多くの方が知るべきは、失敗は何故、起こったのかということを知るべきであり、その知識は、単なる知識ではなく自らの経験といえるくらい重要な情報となるでしょう。


否定的な意見にこそ、成功の鍵が隠されているのです。







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