ブランド・高付加価値戦略は失敗する!!! | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一







安易な販売戦略は失敗する!!!




農家や地域のブランド化などの動きが著しい。


特に6次産業化プランナーという名の、行政お墨付きのコンサルタントすらいる。つまり、現在行政も生産者が販売に乗り出すことに対して、前向きであり後押ししている。


また、外部からも販売の手助けをする企業なども現れ、活況を呈している。


かねてから書いているように、安易な個人・グループによる販売には反対である。




第一にさほどのニーズがない。高価格農産物市場が限られている以上、そこを狙うのが大変だ。しかも、農産物価格の下げ圧力は、どんどん強くなるばかりで好転する要素が殆ど無い。




第二に、これはもう決定的に失敗する理由だ。安定供給できなければ失敗する。


また、私の見るところ安定供給が難しく、栽培状況があまり芳しくない方がむしろこういった取り組みに熱心だ。


普通に作ることすらできずに儲かっていない方を、マーケティング・ブランド化などで救えるはずがない。


理由は簡単だ。


周りの工場と比較すると非常に品質が悪く、納品日も守れないネジ工場に、コンサルタントがやってきた。おたくのネジを広告宣伝費をかけて、大々的に売りだしてブランド化しましょう。広告宣伝費を大量にかけ、一時的にはお客さんが増えた。でも納品日は守れないし、品質も悪い、工場での歩留まりも悪い。


皆さん、うまくゆくと思いますか?皆さんだったら、何を提案します?


こんな方法は、いずれ破綻する、なぜなら顧客の満足を得ることは不可能だからだ。




周りの工場と比較すると非常に品質が悪く、納品日も守れないネジ工場に、コンサルタントがやってきた。高付加価値をつけて売りましょう。


ネジにワッシャとナットを付けて売れば、高く売れるし加工分まで儲かりますといわれて、ネジ工場にナット、ワッシャの工場を増設。しかし、納品日にはいつも納品は出来ないし、品質は悪いまま。


どうでしょう。付加価値をつけることで、儲かるようになるでしょうか?




まず、普通に作れるようにならないと話にならない、ということじゃないですか?


どう考えても、周りの工場以上のレベルになってから、ブランド化するとか考えるべきじゃないですか?


成功するは場合、ほぼ間違いなく、非常に優秀で普通以上に作れる農家だった場合だ。




よく例に上げる歩留まりから考えてもわかる。


普通のネジ工場では、歩留まりがよいため99%が製品となり、1%が捨てられているとしよう。歩留まり50%の工場、つまり半分不良のネジ工場にいって、ブランド化の話をしてうまくいくと思いますか?


大変申し訳無いが、私から見るとうまくゆくようには思えないのです。


歩留まり99%の工場がブランド化するのであれば分る。成功の可能性は、もちろんある。それは賛成だ。新しい取り組みとして、やるべきだ。


しかし、歩留まり50%の工場では、不可能だし歩留まりを99%にするほうが確実に儲かるはずだ。余計な金と手間をかけて、高価格で売ったり高付加価値を付ける理由がわからない。


こんな簡単な理屈で、うまくゆかないと書いているのですが、農外からの人は現実をわかっていないために農外の戦略を農業に持ち込めば儲かるはずだという。はっきり言おう。間違っている。騙されています。やるべきことは他にある。




現在の日本において、まともにとれているかそうでないのか、判定すら出来ないのが現状で、わからないのは指導する人の責任ではないかもしれない。


しかし、実際はこのような状態で、何故、こういった戦略がうまくゆかないのか、理由すらわかっていない人が多い。まともにとれないからだ!!!

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