今も昔も野菜の栄養価は変わらない | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一








野菜の栄養価が下がっているという話を皆さん聞いたことがあると思います。


よくあるのが日本食品標準分析表の過去データと、現在の比較をしたデータである。これは、実は勘違いをしやすい。


日本食品標準分析表は、ひとつの食品について、1データしか記載されない。農産物においては、非常に微妙な扱いなのだ。理由は、旬の時期の栄養価は高く、それ以外の時期は、低い。旬の時期は短いために、周年での供給が可能になると、旬以外のデータが多くなり、栄養価が下がっているようにみえる。昔は、旬の時期しか栽培していなかったため栄養価が高く、今は周年で栄養価の低い時期が多いために、栄養価が低くなってしまう。


つまり、日本食品標準分析表の過去データと現在データの比較はしてはならないということだ。


以下、非常に重要な資料。品種の違いによる栄養価の違いも示されていて、興味深い。


野菜の旬と栄養価 ~旬を知り、豊かな食卓を~


女子栄養大学 栄養学部 生物有機化学研究室 辻村 卓教授

http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/0811/joho01.html


また、わかりやすく説明されたサイトもある。


野菜の栄養価は、昔より低下したのか

http://naturefarm.iti5.net/?eid=61


以上のようなことを踏まえると、昔の野菜と現在の野菜はさほどの栄養低下は見られないという結論に行き着く。




日本食品標準分析表の読み違いから、栄養価の低下を化学肥料の使用によるものとしているところもあるが、全く根拠が無い。化学肥料を利用して栽培されたものが大半であるということを考えると、化学肥料による栽培によって、栄養低下しているということも考えにくい。


やはり、旬のものは美味しく、栄養価が高いのだ。


有機栽培などは、旬に栽培しているケースが多く、どうどうと、旬のものは美味しく、栄養価が高いので、旬のものしか販売しませんと宣伝すればいいと思う。化学肥料による栽培は、栄養価が低いなどと宣伝するのは邪道どころか、一種の詐欺になってしまう。




女子栄養大学の先生のリンクの中では、


有機栽培野菜と慣行栽培野菜について、その栄養成分、味覚(官能)試験を実施したところ、ビタミン類などの含有量は、3年ほど実施した研究の結果、ほとんど差はありませんでした。


との文もある。


イギリス、アメリカでの発表の結果と同様だ。日本では、系統立て研究がおこなわれていないが、有機栽培の流通が増えるに従い、系統立てた研究がなされるだろう。その時では遅い、今からお客様にきちんと事実を伝える必要があるのだ。




いずれも私がこれまで書いてきたことを裏付けるものである。

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