夜中にふと、かつて何度も観た『プラダを着た悪魔』を観ました。

前観たときは、華やかなファッションと、ヒロインが泥臭く成功を掴んでいく
ストーリーの痛快さに引き込まれていた。
けれど、人生の酸いも甘いも噛み分けてきた今、

僕の視線は全く違う場所に吸い寄せられました。

完璧なカリスマとして業界に君臨しながら、ホテルの部屋で一人、

涙を流していたミランダ。
そして、誰もが憧れるきらびやかな世界を手にしたはずなのに、

最後にそのすべてを潔く投げ捨て、素朴な夜の街へと歩き出したアンディの背中。

『何かを手に入れるということは、何かを失うということだ。』

それは映画の中だけの話ではない。
 

このブログに辿り着いたあなたが歩んできた人生でも、その選択の累積でもある。
 

社会的な立場、誰もが羨む安定した日常、良き妻や良き母としての役割、、
すべてを守ってきたからこそ、不意に静かに空いた穴がある。
それは欠落ではなく、意識的に、あるいは無意識に何かを選び、

何かを手放してきた痕跡だったりする。

その痕跡こそが、実は、最も深い物語なのだと気づく。

現実の僕たちは、アンディのように日常をすべて投げ捨てることはできない。
 

分別もある。

守るべきものもある。

だからこそ、大人は静かに生きている。
 

完璧な仮面をかぶりながら、本当は何かを失い続けている自分を知っている。

この静かな部屋で、あなたが背負っているその重さを少しだけ下ろしてみませんか。

完璧な日常の裏側にある、本当の言葉を。誰にも言えない、あの沈黙を。