普段、僕たちはあまりにも多くを「正しく」喋りすぎている。

社会の役割のなかで波風を立てないように、
冷え切った記号のような言葉ばかりを口から吐き出す

僕がどうしようもなく惹かれるのは
そうやって完璧にコントロールされているはずの

女性の口元にあるふとした瞬間の緩み。

言葉を発するたびに微かに覗く、粘膜の影
息を吸い込んだとき、唇の重なりが艷やかに揺らぐ

どれだけ理性を保とうとしても、そこには隠しきれない唾液の湿度がある。

顔の造形の美しさなど、本当はどうでもいい
ただ、その奥に潜む生々しい体温に、自分のすべてを沈めてしまいたいだけ…

あなたはその口を、日頃どれだけ硬く閉じているのだろう

本音と秘密を、ずっと噛み殺したまま。

夜の静寂の中で、その閉じられた理性だけは、融かしてほしい
ため息でもいい、吐息でもいい
あなたの口からこぼれる、その直接の湿度を

僕はここで、あなたの本当の声を、待っています。