【サイプロ・小説】CLUB ACTIVE4 | 無題警報

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前回のあらすじ。

東雲新太(しののめあらた)生徒会長率いる特別活動部に入部した僕達「SIREN」+1人は、東雲先輩から「早速だがお仕事の時間だ(ドヤ顔)」と言われて佐倉舞(さくらまい)先輩が先に行っているという体育館にやってきた。

入部して初めての活動という事で少なからず期待を寄せながらやってきたのはいいんだけど・・・、

「・・・これはどういう事なんですか」

僕達は全員もれなく木のぬいぐるみ的なのを着せられて立っていた。

「どういう事って・・・演劇部に役者が足りないから手伝ってくれって頼まれてきてるだけだけど」

とぼけた表情でそう言う東雲先輩。

なんだろう、すごく殴りたい。なんなら殴った後にプロレス技でもかけてやりたい。

でもそういうわけにもいかず、僕は込み上げてくる怒りを抑え込みながら、

「いや、それはわかるんですけど・・・わざわざ木の役まで人間がやる必要はどこにあるんですか」

周りを見ると、玲も僕と同じような表情をしている。

よかった、僕がおかしいんじゃなかった。

そう思うのも、優希と奏さんがどう見てもこの状況を楽しんでいるからだ。

優希に至っては何に目覚めたのか「どういうポーズをとれば本物の木っぽく見えるか」を研究し始めているようだった。

いや順応早すぎでしょ、と脳内で激しくツッコミをしていると、

「おいそこの!!もっと真面目にやれ!!あいつを見習ってもっと木になれ!!!!!!」

演劇部の人に怒られた。

なんで?なんで僕が怒られるの?ていうか木になれってどういう指事なの?指事としての意味を果たしてないよ?意味不明だよ?

とツッコミをいれられるはずもなく、僕はただ「あ、すみません・・・・」とよくわからない指事に従うしかない。

「ぷっ」

隣を見ると東雲先輩がちょっと吹き出していた。

演劇部の人が言っていた「あいつ」とは優希の事で、優希の方を見ると、ドヤ顔で僕を見ていた。

よし、あの2人は後でフルボッコにしよう。

「はあ・・・・・・・」

ちなみに佐倉先輩は演劇部の人に混じって木ではなくちゃんとした役でお芝居をしている。

「僕もそっちが良かったなあ・・・」

ついつい本音を溢してしまうが、もちろんそれが聞き入れられる訳もない。

そんな訳で、僕はこの後もずっと木の役として突っ立っているしかなかった。



その翌日も、そのまた翌日も、活動としては地味な活動ばかりだった。

サッカー部のユニホームを洗ったり、東雲先輩の本職である生徒会の手伝いをしたり・・・これじゃあまるで特別活動部じゃなくてボランティア部みたいな感じだった。

それでも、みんなどこか楽しげにやっているので、僕達も何となくこの部活に居心地の良さを感じ始めていた。

「さて」

ところが今日はそんなボランティア的活動もなく、部室として使っている生徒会室に集まっていた。

その事を少し疑問に感じていた僕達だったけど、その疑問はすぐに解決された。

「今日集まって貰ったのは他でもない。そろそろ文化祭の季節だが・・・今年はどうする?」

何でも、僕達が通う赤葉学園(あかばがくえん)は学校行事に力を入れているらしく、文化祭は中でも一番力を注いでいるそうだ。

文化部はその文化祭に何らかの形で参加する義務があって、特別活動部もその例外ではなく、毎年何かしらを行っている。

今日は、「今年は何をするか」を話し合うために集まったのだ。

「ちなみに去年はマジックショーをやったんですよ。手品部とコラボで」

僕の隣に座っている広瀬奈菜(ひろせなな)先輩がそんな事を言う。

広瀬先輩はとにかく背が低くて、見た目だけなら僕達と同じ高1か、ヘタをすれば中学生に見える。

優希なんかは「ええ!?奈菜ちゃん2年生だったの!?」と驚いていた。

「手品部より上手いって評判になってましたけどね」

ツインテールを揺らしながら苦笑いを浮かべる先輩は何とも愛らしい。

だけどかなりの毒舌で、特に東雲先輩には異常なまでの毒を吐いている。

「そのせいで手品部からクレームがきたんだよ」

広瀬先輩に続いて言ったのは柊秋斗(ひいらぎあきと)先輩。

一言で言うとミステリアスな先輩で、あまり喋っているところを見た事がない。

いつも携帯をいじっているけど、何をしているんだろう?

「俺達特別活動部の発表は毎年好評でな。年々ハードルが高くなってってるわけだ」

東雲先輩の言葉に、他の部員がうんうんと頷く。

「だから毎年発表の内容で困るんだが・・・今年はその心配も無い」

ニヤリ、と東雲先輩が不敵に微笑む。

何か用意してあるのかな?

僕がそう思っていると、不意に東雲先輩が僕の方を見て、

「梨桜、お前らバンドやってるんだろ?」

「へ?」

確かに僕と優希と玲でバンドは組んでるけど、一体どこからそんな情報を仕入れたんだろう?

案の定、2人も驚いているようだった。

「しかも結構有名みたいだな。「SIREN」だっけ?ああ、この事は噂で聞いてな、秋斗に詳しく調べて貰ったんだ」

「へえー、すごいですね!」

奏さんが尊敬の眼差しを柊先輩に向ける。

「秋斗はすごいからもぐもぐ」

向かいの席に座った金髪碧眼の少女、篠原ニーナ(しのはらにーな)先輩が好物らしいチョコバーをもぐもぐ食べながらそう言う。

この先輩も少しミステリアスな人で、何を考えているのか全くわからない。

ひょっとしたら何も考えていないかも知れない。

「とにかく!梨桜、お前達のライブを文化祭でやろうと思うんだが・・・どうだ?」

東雲先輩に聞かれ、僕は優希と玲の方に視線をやる。

2人とも異論はないようで、僕は頷いた。

「・・・わかりました」

「よし!!じゃあ今年の発表は梨桜達のライブで決まりだな!!」

東雲先輩がそうまとめ、その日はそれで解散になった。

その帰り道。

「どうする?ライブやる事になったけど、曲とかは」

「そうですね・・・僕達ってまだ1曲しか持ち曲ないですし・・・・」

「文化祭まではあと3週間か。それまでに何曲か作らないとだな」

「3週間で、か・・・・難しいな」

僕達がライブで演奏する曲について悩んでいると、奏さんがこんな事を言い出した。

「私が作ったのでよかったら、曲、あげるよ?」

「「「・・・・・へ?」」」


────続く────
こんばんは。
久しぶりにサイプロです。
というわけで次回からタイトル変わります!
新章スタートという事でね!
では、次回お楽しみに!