般若心経の音楽的な部分は後半にもあります。


「是大神咒(ぜだいじんしゅ)

(これは大いなる神の力の呪)


「是大明咒(ぜだいみょうしゅ)

(これは大いなる悟りの呪)

 

「是無上咒(ぜむじょうしゅ)

(これはこの上ない最高の呪)

 

「是無等等咒(ぜむとうどうしゅ)

(これは比べるものもないすばらしい呪)

 

 

「呪(咒)」とはマントラ真言とも言い、

この後に出て来るこの般若心経後半の中核にあたる般若波羅蜜多咒

 

すなわち、

 

「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」

(ぎゃーてい ぎゃーてい はーらーぎゃーてい はらそーぎゃーてい ぼーだいそわか)

 

のことになります。

 


ここにも私の疑問があります。


このしつこいまでの


「この咒(じゅ)は素晴らしいんですよ!」


という言葉を変えての繰り返しです。

 

確かに素晴らしいものなんでしょうが、

この短いお経の中で4回もくり返す意味があるのでしょうか?

 

けれど、般若心経を音楽的にとらえれば、納得できます。

 

ここは、意味よりもリズムが大事なのではないでしょうか?

 

実際に声に出して詠んでみれば、この「リズム」ということが体感できると思います。

 

 是大神咒(ぜーだいじんしゅ)

 是大明咒(ぜーだいみょうしゅ)

 是無上咒(ぜーむじょうしゅ)

 是無等等咒(ぜーむとうどうしゅ)

 

この韻の感じは、そう、


まさにラップ的な感覚です!!

 

この後につづく


「能除一切苦(のうじょういっさいく)


もまた、「う(U)」の母音で、このラップ的なリズム感に一役買っています。

 

このエリアは意味よりもリズムや音の響きを楽しむところだと思います

 

韻をふんで盛り上げて、この般若心経の「咒」という、般若心経の後半の最も大事な部分に向っていくのです。

 

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(声に出して詠んでみましょう 般若心経咒)

ぎゃーてい ぎゃーてい はーらーぎゃーてい はらそーぎゃーてい ぼーだいそわか