貘いないかな
大抵椅子を並べた上でも机でも床でも寝れる人間だし、周りが喧しくてもさして問題なく寝れる人間だから、寝るのに苦労することはあまりない。寝ると憂鬱な明日がやってくるとか、寝てる時間が勿体無いから寝たくないとかはあるけど、夢を見るのが怖いから寝たくない、ってのは初めてかもしれないな。悪夢を見るんですよ。この所、連続して。自分はこれまでも夢の中で殺したり殺されたり勝手に死んだりしてますが、悪い夢の中にも嫌なものと嫌ではないものがある。そりゃもちろん良い気はしないですが、そこまで憂鬱な気分にもならんものです。自分にとっての悪夢は、起きてもまだ夢の中で感じた嫌な感覚が残っていて、「ああ、嫌な夢だった」と陰鬱な気分になるような夢なのです。夢の話自体が嫌なストーリーの時もあるし、夢に出てくるものが嫌な時もある。なぜにそれが嫌なのかもよく解らないけれど、本能的?な嫌悪感なり、恐怖なりを感じるんです。そうだな、怖さか。嫌なのではなくて、怯えてるのか。怖いんだ。身が竦むほど、怖い。怖くて仕方ない。ある夢では、自分は木枠に向かって怒鳴っていた。ただの木枠に。でも、その木枠は勝手にガタガタと動くんだ。明らかに、こちらに敵意を向けている。それが気に食わなかった。なんでお前なんかに文句を言われなきゃいけない。元いた場所は優しかった。温かかった。お前もそうあるべきだ。動くな。大人しくしてろ。言うことを聞け。お前みたいな分際のやつに拒絶される筋合いはないんだ。動こうとする木枠を力一杯押さえつけて、そう繰り返してた。ただの木枠に。本当に、装飾の欠片も何もない、4枚の板を組み合わせただけの四角い枠。端から見たら、狂気の沙汰だ。別の夢では、ゲームの世界にいるらしかった。山中にある二階建ての家の二階にいる。他に仲間が数人と、室内に鶏が数匹、それから梟が一匹いた。他の数人が山奥へ行ったと聞いて、自分は彼らがもう仲間ではなくなってしまったことを悟る。そしてゲームが開始されたことも。知っていたから。彼らは夜に戻ってくる。自分達を襲う化け物になって。前にも同じ経験をした。夜、帰ってきたと思って玄関を開けたら殺された。ならばと外で待ち伏せしたが、太刀打ちできずに殺された。家の中に立て籠もったが、彼らもずっと外で待っていた。いずれ食料が尽きて死ぬまで。この話では、最後に状況を打開するヒントを手に入れる。彼らを殺すためのヒントを。こんな夢ばっかりだな、自分。また別の夢は本当に恐ろしかった。母さんが9月に亡くなった祖母の遺体を掘り出して、ひっくり返してまた埋めるんだ。たぶん、49日まで一週間に一度、墓の位牌をひっくり返すっていう作業をしてるから、それが夢に出てきたんだろうな。でも位牌じゃなく、仏様のように座った姿勢の人をひっくり返すんだ。遺体は真っ黒かった。母さんも一緒にいた親戚の誰かも、それをさも当然のようにしている。脇で傍観している自分だけが、違和感を感じている。一週間も地中に埋めたら、腐っちゃうんじゃないかって。これを49日まで繰り返してたら、最後の方は婆ちゃんの遺体は原形留めてないんじゃないかな。それを心配している。夢を見てる時は、そこまで嫌な感じはしなかったと思う。でも目が覚めてから、猛烈に嫌な感じがした。何だ今の夢何だ今の夢何だ今の夢、ってなった。身近なことだからこそ、尚更に怖くなる。幸いして昨夜は悪夢を見なかったので、もうターンは終わったんだろうか。偶に見るならいい。でも、連続だと少々こたえる。いい精神状態に向かっているとよいのですが。