言葉では表現できない「久遠実成」 | ノートさんのブログ

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鎌田茂雄(1984)『天台思想入門』(講談社学術文庫)

 「『法華経』の根本思想を『法華経の行者』というみずからの実践を通して把握したのは、鎌倉時代の日蓮上人である。日蓮上人は『法華経』の根本思想について、まず迹門は『二乗作仏』を説いたもの、本門は『久遠実成』を説いたものという。(中略)日蓮は二乗でも成仏できる、つまり『二乗作仏』が『法華経』の根本思想だと説いたのである。(中略)悪人でも成仏できるのだ、女の人でも成仏できるのだと主張したことは、まさしく革命的な思想にほかならない。次に日蓮は、本門は『久遠実成』を説くという。久遠実成とは釈迦仏は現世にあらわれた仮の姿であって、本当の仏は、永遠の過去にすでに悟りを開き、永劫に不滅であるというのである」(p4849


 二乗作仏、女人成仏、悪人成仏…これを言葉で表現することは大変難しい。そもそも永遠の生命をどう感じるか、これは感得の問題で説明不可能かもしれない。日蓮は「草木成仏口決」(御書 P1339)で「一念三千の法門をふりすすぎたてたるは大曼荼羅なり、当世の習いそこないの学者ゆめにもしらざる法門なり」と「一念三千法門」の難信難解なことを指摘している。