その134 予断を許さぬウイルスの変異(追記あり) | ココハドコ? アタシハダレ?

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世界を席巻しているパンデミック。コロンビア由来のミュー株とかペルー由来のラムダ株も気にはなるが、今やデルタ株が世界の主流となっており、世界の新規感染者の88%がデルタ株なのだそうだ。一度収まりつつあったアメリカでもワクチン未接種者を中心にデルタ株が猛威をふるい始めている。日本もデルタ株の猛威はピークを過ぎたように見えるが、アメリカ同様ワクチン未接種者を中心に再燃することもありうる。アメリカではミュー株も発見はされたが感染の拡大はほとんど見られていないという。ラムダ株もニュースなどであまり目にしないところを見ると似たような状況なのだろう。それだけデルタ株の勢いが凄いという事らしい。


デルタ株については6月16日付で日本医療研究開発機構(AMED)からプレスリリースとして発表された 「ウイルスの感染力を高め、日本人に高頻度な細胞性免疫応答から免れるSARS-CoV-2変異の発見」 という記事を前に紹介した。これによるとデルタ型ウイルスの特徴であるL452R変異が、日本人の6割が持つ細胞性免疫「HLA―A24」から逃れる、つまり免疫機能が働かない株であり、しかも感染力も増強しうるというのである。

 

ところがWall Street Journalの最近の記事によると、感染者の体内におけるウイルスの進化を再現する実験を行った結果、ウイルスが変異する主因は免疫逃避と呼ばれるもので、感染力を最大化するのではなく、免疫の保護を回避しようとする進化上の傾向にあることが分かったという。『細胞性免疫「HLA―A24」から逃れる』というのもウイルスの進化の結果だったのかもしれない。イギリスでも免疫を回避する変異が確認されている。免疫の獲得と免疫の回避という人の体とウイルスのいたちごっこのような戦いが始まっている、そういう事らしい。

 

実験を行ったロックフェラー大学のセオドラ・ハツィオナノウ氏によると「ウイルスがあらゆるものに耐性を持つように突然変異を重ねると、複製能力にも影響が出てくる」と。デルタ株の感染力はすでに最大化していると見られており、複製能力が衰えてくれば自然と感染力もやがて限界が来るだろうといわれる。デルタ株が感染のピークを越えたように見える今、第6波、第7波があるかどうか、そんな可能性を持った勢いを感じさせる変異株は見つかってないようだ。

 

では、これで終わりかと言うと必ずしもそうは言えないらしい。これからウイルスの変異がどうなっていくかは全く見通せない、というのが大方の専門家の考えで、新しい変異が起きてからでないと、その対策も立てられないというのが実際のところらしい。With CORONAなどと気楽に言ってるが、その「With」になり共存が健康のうちに実現するのにも5年10年かかるケースもある。まだまだ楽観的にはなれないと現状を認識しておくほうが懸命のようである。

 

 

(以下、追記)上の記事を書き終えた後で見つけた気になる記事を3本。全部 NEWSWEEK JAPANから。

 

3回接種が進んだイスラエルで感染爆発、4回目を準備

  ブースター接種を進めるイスラエルで、それでも感染者が増え続けているという記事。

コロナワクチン、1回目接種から4カ月以内に抗体量大幅減=インド研究

  新型コロナウイルスワクチン、1回目の接種から4カ月以内に抗体量が「大幅に」減少する結果が

  示されたという記事。ただし、抗体が弱まっても、記憶細胞が防御機能を働かせる可能性がある

  ため、コロナ感染症への抵抗力を失うことを必ずしも意味しないと。

ワクチン耐性を持つかもしれないミュー株、全米49州で確認

  まだ99%がデルタ株のアメリカで、わずかではあるがミュー株が見つかっている。デルタ株が沈静化

  した後に徐々に広がる可能性も。

 

 

 

 

 

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