大空港とエアポート75 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

1970年代は、パニック映画の大作がブームとなったのですが、その先駆けとなったのが『大空港』(1970年/監督:ジョージ・シートン)です。

猛吹雪のリンカーン国際空港、着陸した大型機がスリップして滑走路で横たわります。空港は機能が麻痺し、空港総支配人(バート・ランカスター)と航空会社事務所長(ジーン・セバーグ)が対応。事故機を移動さすために、ベテラン整備士(ジョージ・ケネディ)が支配人に呼び出されますが、車輪が滑走路をはずれて雪に埋もれており作業は困難。そんな中、第2滑走路からローマ便が飛び立ちます。機内には保険金目的に自殺しようとする男(ヴァン・ヘフリン)が乗っており、男の妻からの連絡で機長(ディーン・マーティン)と客室乗務員(ジャクリーン・ビセット)が男を説得。しかし、男はパニックってトイレ内でダイナマイトを爆発させます。損傷した飛行機は空港へ引き返しますが、第2滑走路は短すぎて事故機の着陸には危険。滑走路に横たわっている事故機の移動に全てがかかり……

「滑走路が雪で使用不能だ。すぐ来てくれ!」とランカスターからの電話を受け、嫁さんに「ハニー、また天才の出番だ」とキメて、空港に向かうケネディが存在感あって実にカッコいいんですな。ジョージ・ケネディは“エアポート”シリーズの顔としてその後毎回登場。

映画の方は、仕事人間のランカスターは妻とは不仲で、自分の仕事を理解してくれるセバーグと愛しあっており、浮気男のマーティンはビセットから妊娠していることを告げられるという恋模様が並行して描かれます。だけど、人間ドラマより爆弾サスペンスが見どころで~す。

 

『エアポート‘75』(1974年/監督:ジャック・スマイト)

ワシントンからロサンゼルスに向けて飛び立ったジャンボ旅客機が、操縦者(ダナ・アンドリュース)が発作で操縦不能となった小型機と衝突。旅客機の操縦席に穴があき、副機長(ロイ・シネス)は死亡し、機長(エフレム・ジンバリスト・Jr)は両目を失明する重傷。主任客室乗務員のナンシー(カレン・ブラック)から連絡を受けた航空会社の副社長(ジョージ・ケネディ)は、ナンシーの恋人である操縦教官のアラン(チャールトン・ヘストン)を至急呼び寄せ、操縦席にいるナンシーを指導。そして、アランはヘリコプターから穴のあいた操縦席に乗り移り……

乗客はハリウッドの大女優グロリア・スワンソン(本人)、副社長夫人(スーザン・クラーク)、腎臓移植手術を受ける少女(リンダ・ブレア)、少女の母(ナンシー・オルソン)、歌うシスター(ヘレン・レディ)、喜劇役者(シド・シーザー)、飲んだくれ女性(マーナ・ロイ)など賑やかな顔ぶれ。大きな穴があいても平気で飛んでいられるというジャンボ機の性能PRみたいな作品。『大空港』から始まる“エアポート”シリーズ第2弾で、操縦サスペンス中心となっており人間ドラマは希薄。カレン・ブラックは『大空港』のジャクリーン・ビセットと違って、顔からして逞しき(目が寄り気味で、良きにつけ悪しきにつけ強烈なインパクトを与える)客室乗務員。ジョージ・ケネディが副社長に出世していたのが御愛嬌で~す。

ちなみに、この後、『エアポート77/バミューダからの脱出』『エアポート80』と作られます。