オードリーの麗しのサブリナ他2本 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

ヘップバーンといえばアメリカではキャサリン・ヘップバーンの方が有名ですが、日本では断然オードリー・ヘップバーン。オードリーの妖精的魅力が発揮されるのがラブロマンスですね。メロドラマというよりファンタジーといっていいかもしれません。

『麗しのサブリナ』(1954年/監督:ビリー・ワイルダー)は、『ローマの休日』に続くオードリーの主演2作目。

サブリナ(オードリー・ヘップバーン)はニューヨークの大富豪ララビー家のお抱え運転手(ジョン・ウィリアムス)の娘。ララビー家の次男デイビッド(ウィリアム・ホールデン)を密かに恋い慕っていますが、デイビッドはプレイボーイでサブリナのことなど眼中になし。サブリナは料理を習いに2年間パリにいっている間に、ファッションブックから抜け出してきたパリモード満点の美人に変貌。帰ってきたサブリナを見て、デイビッドは夢中になります。しかし、デイビッドには結婚間近の婚約者がいて、破談になると事業に差しさわりが出るため、堅物の長男ライナス(ハンフリー・ボガート)が二人をひき離そうと画策。デイビッドはライナスの罠にはまって、シャンペングラスの上に座ってお尻に大ケガ。ライナスはデイビッドの代わりにサブリナの相手をして、パリに送りかえそうとしますが、サブリナの魅力にひかれ、サブリナもライナスに惹かれ始めます。デイビッドは、ライナスとサブリナが愛しあっていることに気づき……

ホールデンとボガートを両手に花にしたオードリーのファンタジックなシンデレラ物語。ホールデンもボガートも軽々と演じており、気分もノンビリ、オードリー相手に楽しんでいる感じです。ワイルダーがユーモアたっぷりにそつなくまとめたロマンティック・メロドラマで~す。

 

『昼下りの情事』(1957年/監督:ビリー・ワイルダー)は、たわむれの恋が真実の恋となるロマンティック・メロドラマ。

パリは恋の都。私立探偵のシャヴァス(モーリス・シュヴァリエ)はX夫人の浮気調査。夫人の相手は富豪のプレイボーイ・フラナガン(ゲーリー・クーパー)で、シャヴァスの娘アリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)はフラナガンに興味を持ちます。X氏(ジョン・マッギヴァ)がフラナガンを殺そうとしているのを知ったアリアーヌは、ホテルの部屋に窓から入りこみ、X夫人に代わってピストルを持ってとびこんできたX氏の前でフラナガンと接吻。フラナガンはアリアーヌに惹かれますが、アリアーヌは名前もつげずにアメリカへ帰るフラナガンを見送ります。それから1年、ふたたびパリを訪れたフラナガンはオペラ座でアリアーヌと再会。ずっと想いこがれていたアリアーヌに対して、フラナガンはすっかり彼女のことを忘れています。1年前の出来事をやっと思い出すや、お雇い楽団による得意のムード作りで彼女をモノにしようとしますが、アリアーヌは父の調査書をネタに架空の過去の恋を語ってフラナガンを翻弄。フラナガンはアリアーヌに本気で恋をしてしまい、焦燥のあまり彼女の父とは知らずシャヴァスに彼女の素行調査を依頼し……

粋な会話、張りめぐらされた伏線、小道具の妙で洒落た楽しい映画になっています。ラストシーンでの駅で、オードリーがかぶっていたスカーフのかぶりかたが当時流行したとのこと。エレガントなオードリーの魅力でクーパーも本気で恋をするというラブ・コメディ。お雇い弦楽四重奏団が奏でる主題曲「魅惑のワルツ(ファシネーション)」は、映画のためのオリジナルでなく、1904年にカフェのオーケストラのために作られた「ヴァルス・チガーヌ」という曲。この作品で効果的に使用され、リバイバル・ヒットになりました。

 

『ティファニーで朝食を』(1961年/監督:ブレイク・エドワーズ)は、トルーマン・カポーティ原作のラブロマンス。

作家のポール(ジョージ・ペパード)は、パトロンの女性が用意してくれたアパートでホリー(オードリー・ヘプバーン)という女性と知りあいます。ホリーはいつも豪華なものに憧れ、超一流の宝石店ティファニーのショーウィンドーをのぞきながらパンをかじって朝食。ポールは次第にホリーに恋心を募らせ、パトロンの女性と手を切り、小説を書き始めます。その小説は売れますが、ティファニーでポールが買えるようなホリーへのプレゼントはなく、ポールはお菓子のおまけの指輪にイニシャルを彫ってもらうんです。ポールは自分の気持ちをホリーに伝えますが、彼女は金持ちとしか結婚するつもりはないと言いはり……

ヘンリー・マンシーニの名曲「ムーン・リバー」のやさしく甘美なメロディが流れ、美男と美女が結ばれるという、オードリーにふさわしいロマンチックなおとぎ話のようなハッピーエンド。原作では二人は結ばれないとのこと。オードリーの衣装の着こなしと優雅な動きは、まさに大都会の妖精。

私は大学時代にリバイバル上映された時、知りあったばかりの彼女と観たのですが、映画の後のビールと餃子の食事でフラレました。“珉珉で夕食を”じゃ、ムードありませんわな。

画像は、『オードリー・ヘプバーン・スクリーン・テーマ・ベスト』のCDジャケットね。ヘップバーンが主演した10作品(『ティファニーで朝食を』『シャレード』『マイ・フェア・レディ』『パリの恋人』『尼僧物語』『暗くなるまで待って』『おしゃれ泥棒』『ロビンとマリアン』『いつも2人で』『パリで一緒に』)から11曲が収録されています。『ティファニーで朝食を』からメイン・テーマ以外に、ヘプバーンが劇中でギターを爪弾きながら自ら歌った「ムーン・リバー」が収録されていま~す。