電撃フリント | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

1960年代後半、ジェームズ・ボンドやナポレオン・ソロといったスパイ・ヒーローが人気をはくし、雨後のタケノコのように次々とスパイ・ヒーローが登場します。ジェームズ・コバーンが主演した電撃フリントもそのひとりで、GoGo作戦とアタック作戦の2本が作られました。

『電撃フリント/GoGo作戦』(1966年/監督:ダニエル・マン)は、気候変動により世界を恐怖におとしめる組織と戦う電撃フリント(ジェームズ・コバーン)の物語。

休火山を爆発させたり、北極の氷を溶かして世界に脅威を与えている謎の組織“ギャラクシー”の捜査に、秘密諜報機関の責任者クラムデン(リー・J・コッブ)は大統領命令でかつては自分の部下だったデリク・フリントに依頼。フリントは空手・柔道・フェンシングと、何でもござれの万能エージェントで、4人の美女を従えて優雅に暮らしています。4人の美女たちとダンスを楽しんでいる時、ギャラクシー一味のギラ(ギラ・ゴラン)に狙われ、ギャラクシーと戦うことを決意。ギラが放った毒矢の成分から敵はマルセイユにいるとわかります。マルセイユでも襲われ、爆弾がコールドクリームの入れ物に仕掛けられていたことからクリームの成分を調べてローマへ。ギラの化粧品店で罠にかかり金庫の中に閉じ込められますが……

最初からマンガ的展開で大いに笑えます。クラムデンが、ボンドが使用しているような秘密兵器の入ったアッタシュケースをさし出すと、そんなのは古いと言ってフリントが取り出したのが自家製万能ライター。クラムデンとの暗号通信(女性のバスト・ウエスト・ヒップのサイズあわせた数字暗号)に使ったり、顕微鏡になったり、火炎放射させたりと大活躍。

フリントには心臓を止めるという特技があって、死んだと思わせて本拠地の島に乗り込みます。世界中から核兵器を捨てさせ、快楽の世界を作るのがギャラクシーの目的。ツッコミどころ満載で、笑って楽しむ作品です。ジェリー・ゴールドスミスの音楽もグッド。

 

『電撃フリント/アタック作戦』(1966年/監督:ゴードン・ダグラス)は、女性が支配する世界を作ろうとしている組織と戦う電撃フリントの物語。

宇宙プラットホームの打ちあげに成功し、大統領(アンドリュー・ダガン)とクラムデン(リー・J・コッブ)がゴルフを楽しみますが、ボールをすりかえられ、大統領がボールを打つと破裂。その場にいた全員が凍結状態になり、その間に大統領がニセ者にすりかえられます。犯人はニセの大統領を使って核兵器で世界を征服し、男性を支配しようと企む女性ばかりのアマゾン団。3分間の無意識状態に不審を持ったクラムデンはフリントに調査を依頼。クラムデンはアマゾン団のリサ(ジーン・ヘイル)の罠にかかって秘密諜報機関長官の職をとかれます。ソ連の女性宇宙飛行士が国を裏切ってアマゾン団に加入したこと、ニセの大統領が宇宙プラットホームを核武装しようとしていることを知ったフリントは、ロケット基地の隣の島にある女性の美容と健康を守る保養地こそアマゾン団の本拠地と考え……

女性ばかりのアマゾン団なので水着ガールや下着ガールがやたらと登場しますが、ズバ抜けた魅力はありません。質より量ね。ゴードン・ダグラスの演出はアクションはともかくとして、洒落気がないので前作と比べて愉快さが不足。今回は新手としてフリントはイルカの言葉をマスターしており、それが有効に活用されないのが残念。異色の面白さのあった“電撃フリント”でしたが、2作で打切りで~す。

 

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