キイハンター | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

『キイハンター(KEY HUNTER)』は、TBS系列で1968年4月6日~73年4月7日に放送(全262話)された人気アクションドラマ。

キイハンターとは国際警察特別室に所属する特殊なスタッフで、組織を嫌い、自由と正義をこよなく愛するフリーの人間で構成。国際的事件、解決困難な事件を特に担当。キイとは鍵、事件解決の手がかり。ハンターとは、それに躍りかかる狩人。ささいな手がかりでも決して見逃さず、大事件を解決へと導くプロ集団です。戦う相手は国際的犯罪組織やテロリスト集団、正体不明の殺し屋や東側スパイなど。事件解決のためには、恋人や家族も捨てなくてはならない非情の任務を負っていますが、メンバーは極めてウエット。

リーダーの黒木鉄也(丹波哲郎)は、元外事局の諜報員。自由を愛するが、立場上メンバーをとりまとめ、国際警察特別室長の指令をメンバーに伝えます。政府の要人も一般市民も区別せず、平和を守るため信念を貫く男。射撃の名人で、空手の達人。

風間洋介(千葉真一)は、元新聞記者。鋭い推理とズバ抜けた運動神経で、事件を解決していくメンバーの中心的人物。

津川啓子(野際陽子)は元フリーの諜報員。英・仏・独・中近東の言葉を操る才媛。天才的奇術師で、どんな金庫も開けてしまいます。女性として、その美貌を活かしながらも、知性と運動神経で男性と同等の実力を発揮。第1話で黒木の考えに共鳴し、キイハンターのメンバーとなり姐御的存在。

島竜彦(谷隼人)の愛称は坊や。諜報員だった父を事件で亡くし、黒木の世話になっています。無類のカーマニアで、そのドライブテクニックはキイハンターの重要な原動力。第196話「1972紅の翼 大空を行く」では飛行機の操縦をマスター。

谷口ユミ(大川栄子)は黒木の秘書。マスコット的存在ですが、なみはずれた記憶力で事件解決の糸口を見つけます。

吹雪一郎(川口浩)は、リトバニアから派遣された裏切者専門の殺し屋として潜入捜査していたFBI捜査官。第60話「パラシュート殺人部隊」でキイハンターのメンバーになります。乗馬・射撃・スキー・ヨット・飛行機操縦などライセンス保有は数知れず。

キイハンターを支援したり、支援されたりする国際警察特別室のメンバーは、村岡室長(仲谷昇)、壇俊介(宮内洋)、小田切慎二(中丸忠雄)の3人。村岡室長は第1話から登場し、黒木のかつての同僚。表立って捜査できない事件の、キイハンターへの全ての指令は彼から隠密裏に出されています。壇俊介は村岡の部下で、第92話「今年もよろしく世界殺人協会」から登場。若手捜査官で、風間とのコンビが多く、キイハンターに救われることが多々あります。小田切慎二も村岡の部下で、第102話「女の死刑実験室」から登場。中年の渋さが魅力で、キイハンター支援には欠かせない存在。

物語は、「この部屋のグループは5人。彼らの愛するものは自由。求めるものは平和。彼らの活躍はここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字はなく、彼らを遮る国境もない。彼らはこうよばれる-」という芥川隆行のオープニングナレーションで始まります。吹雪がメンバーになる60話から「今日もまた、地球のあらゆるところで陰謀・裏切り・暴動が渦巻く。その渦中の飛びこむ彼ら。恋も、夢も、望みも捨てて、非情の掟に命を賭ける。彼らの求めるものは自由、願うものは平和。彼らはこう呼ばれた-」のナレーションに変更。“東映チャンネル”で全話再放送されたのですが、私は5枚組DVDボックスで20エピソードを再見。

第1話「裏切りのブルース」は、コインに隠された秘密預金者リストをめぐる犯罪組織との対決。スイスの銀行から持ち出された預金者リストを捜索していた黒木の元同僚(南原宏治)が事故死を装って殺されたことを村岡室長から知らされ、黒木が真相解明に乗り出します。裏金を預けている政府高官の名前が預金者リストに載っており、それをネタに彼らから金を脅し取ろうとする組織があるんですな。組織の黒幕を暴いて事件解決。黒幕はもちろん死んだと思われていたあの人ね。

「殺しの招待旅行」「太陽に帰った殺し屋」は、顔を整形してテロ組織を抜け出そうとしている殺し屋の捜査と組織の殺し屋との対決。誰が逃亡殺し屋なのか、誰が組織の殺し屋なのか、ミステリータッチのエピソードでした。

「俺は西部の殺し屋キッド」は、風間がカウボーイ姿で登場する西部劇タッチのエピソード。子役時代の真田広之(下沢宏之)が出演しています。

「日本アルプス大追跡作戦」は、新穂高ロープウェイ上での格闘シーンが見せ場。スタントマンといえども命がけのアクションだったと思います。「荒野の列車大襲撃作戦」「蒸気機関車 大渓谷の決戦」では、風間役の千葉真一がスタントなしで尾小屋鉄道の走る列車の上で大格闘。

「人殺しあの手この手」や「サギ師の皆さま ふところにご用心!」は、コメディタッチのエピソードだし、「サイコロGメン 死んで貰います」は、風間が任侠ヤクザ姿で登場する東映ヤクザ映画のパロディ。谷口ユミの夢の中で進行する「お化け怪獣大戦争」など、バラエティあふれる内容でマンネリを防いでいましたな。

最終回の「また逢う日までキイハンター」は、過去をフラッシュバックして、さまざまの内容を裁判する趣向。被告席に立たされたのはキイハンターの6人。国際警察の名のもとにギャングたちを弾圧したとして、検事(南原宏治)が死刑を求告。キイハンターの面々は、自分たちの行動は正義に基づいたものであると無罪を主張。最終回にふさわしく、過去の名シーンが次々と出てきます。国際警察の組織替えに伴い、任務を終えたキイハンターたちは、再会の約束をして昼下がりの雑踏へと消えていきま~す。

画像は、エンドクレジットで流れる野際陽子が歌う『キイハンター』の主題歌「非情のライセンス」のCDジャケット。千葉真一が歌っているレコードも発売されていま~す。