以前の『オーストラリアの自殺率』記事で、
オーストラリアでは年間3000人が
自殺死と報告されているとお伝えしました。
また予想ではコロナの影響で今後5年間は
25%〜50%は増える見込みだということ。
前の記事の補足的な投稿ですが、
数字を見て意識することは他にもあると感じたのでシェアします。
25%といえば、
年間750人はコロナが原因で自殺するという予想。
しかも20代〜50代の働き盛りの男性が、です。
大きな会社に就職して今までずっと働いてきたのに
いきなり職を失い、ビジネスが破綻し、
それを輪にかけてビクトリアでは厳しいロックダウン。
私もロックダウンを経験してわかりますが
あれはかなりメンタルきます。
現在のメルボルンよりもずっと軽いロックダウンでしたが、
結構みんなピリピリしてました。
アパートなどの一人暮らしとかだと特にやばい。
DV、ドメスティックバイオレンスなども被害も増えるでしょう。
また都会でなく、田舎に住んでいる男性はより多くの確率でメンタルヘルスを患うようです。
一度つまづいたらなかなか立ち直れないのでしょう。
特に農業従事者は誰かに相談しようとも思えないようです。
実際、田舎の自殺率は都会より50%多いということ。
(参考リンク→Lifesavers without water)
とにかく数だけ見ても750人。
専門家によってはさらにその倍の50%ということなので
1500人は増えるということです。
確実な数値はわかりませんが、
その約20倍の人間は鬱症状に陥り、
真剣に自殺を考えるということ。
これもホットラインなど、助けを求めて来てくれる数なので
正確な数字はもっと多いのでないでしょうか。
精神科医のPatrick McGorry教授によると、
すでにビクトリアではロックダウンの影響で400人は自殺者がいるそう。
COVID-19 lockdown fuels mental health crisis
これってすでにコロナでの死者数を超えているんですよね。
またメンタルヘルスのWebサイトのアクセスは
3人に2人はビクトリア州からということです。
オーストラリアのコロナでの死者数
"Australia covid death toll"と検索するとすぐにグラフが出てきます。
今年今日現在(8月7日)までコロナでお亡くなりになった方は255人。
そして年齢で見るとほとんどがお年寄り。
介護施設などでのクラスターが原因だったりもしますよね。
詳細はこちらから。
Coronavirus (COVID-19) current situation and case numbers
これを見て政府や国民はどう考えるか。
このままロックダウンを続けるとビジネスや経済が破綻し
専門家の言う通りさらに解雇される人数も増えるでしょう。
経済より命を大切にしているからここまで厳しいロックダウンをする、
といっても
それが原因でメンタルヘルスを煩い、また貧困に陥り多くの若い人たちが精神的に病む、
自殺してしまうというのはまたより多くの家族のトラウマや悲劇を生んでいることになります。
”ほしがりません、勝つまでは”的ななかなかの戦時中マインドで
『頑張ってコロナに勝とう!』と一致団結をしているのですが
政府が助成金をカットしたりするとかなりやばい事になりますね。。
日本や世界の自殺者とコロナ死者数
ちなみに日本でも1日に50人以上が自殺していることは
メディアで取り上げられているのでしょうか?
新型コロナの感染者がまた増えたという
不安をあおるような報道ばかりだと聞きます。
・2019年自殺者…19959人(参照)
・今日現在8月7日新型コロナウイルス感染症死者数…1028人
世界を見渡してもそうです。
感染者の少ないタイでも
観光業の崩壊→失業→貧困に起因する自殺者が急増しているそう。
タイは特に観光業で賄っていますからね。
メルボルンを見ていても、コロナよりも自粛不況の方が怖くなってきます。
自粛の行き過ぎが不況を招き
自殺者を増やしてしまうリスクは意識されるべき。
ICUのベッドは確保するよう騒いでいるのに、日々の感染者数は朝一番で更新されるのに、
自殺を計る人たち、貧困層へのサポートなどは
それらと同じほどメディアに取り上げられない。
今政府が辛いのは、自粛をやめれば新型コロナによる死者が増え、それを批判される
という事だとはわかりますが
何ともマスメディアって本当に怖いなと感じる今日この頃です。