この結婚はどうせ
うまくいかない
【41話】
レビュー考察
人魚と兵士


※このブログはネタバレありなので、閲覧ご注意ください。


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この作品の中で、イネスとカッセルの関係性を表すように、今後も何度も象徴的イメージが描かれる『人魚と兵士』のお話。

 


【41話】

イネスが、カルステラの任地に今後もいられるのかカッセルにたずねると、場合によっては『皇室の外戚』という立場を使って、皇帝に頼んででも、イネスの思い通りにできると言うカッセル。



本来、カッセルは、あんまり任地とかに執着なさそうだから、自分のためには、そう言う権力の使い方をするタイプではない気がするけど、イネスのためなら…と、すでに溺愛モードが出て来ています。



けれどイネスの想いは別のところにあって、いくつかの未来の記憶、前世での人々の『死』のこと。



祖母の死は予定通り訪れ、そして、エスカランテ家でも…と、家族の誰かの死を暗示していますが、今のカッセルの前で考えることではないと、追い払います。



漫画では、不吉な十字架の影が描かれていて、この漫画家さん、そもそも絵が上手いけど、影の使い方まで、表現が上手いな〜と思います。



回帰、やり直し系の話だと、誰かの死を回避するようなお話も多いですが、この話は、イネスは今のところ、積極的に運命を変えようとはしていなくて、なるべく最低限の変化に留めて、カッセルに本来の人生を返そうとしています。



しかしカッセル本来の人生というのも、あまり、明るい未来では無さそうな…。


そもそも、皇太子のいとこですから、やがては、あの皇太子の側近になることは免れず。


イネスは、その未来はわかっていても、それまでには離婚して、カッセルからも皇太子からも離れている前提で結婚しています。


けれど、それが早まるようなことは、回避しなければなりません。



何より、カッセルという人を人間としてどんどん知っていくにつれ、イネスが想像していたような、自分を美しく見せるために制服を着ているような、軽薄な遊び人などではなく、心から海軍や海を愛していることがわかって来ます。



カッセルという人は、全てを持っていて、全てに恵まれているように見えても、本当にほしい『自由』が無い人です。



イネスは、自分と結婚することで、少なくとも、前世では得られなかった『公爵位』の継承者にはなれるはずだし、したくないはずの結婚も、どうせ数年で離婚すれば元通りに戻るし、前世よりはマシだろうと、今は彼の人生を変えることに対しての罪悪感は抱いていません。



けれど、望まない皇太子の側近になることではなく、海軍での生活を続けさせてあげたいような、情が湧いて来ています。



美しい噴水の人魚像を見ながら、カッセルはカルステラに伝わる『人魚と兵士』というお伽話のことを話します。



心臓の無い、心も愛も無い人魚たちは、彼女達に恋した兵士達の愛を試そうと、一緒に海の中で暮らそうと誘います。



兵士は人魚の美しさに虜になり、一緒に海中に引き込まれてていき、命を落としてしまいます。


人魚は、岸に戻すと生き返るかと思うが、結局、兵士の死体は暗い海へと沈んで行ってしまいます。


原作では、イネスは『不思議な女に目を留めなければ、振り回されたり、追いかけて命を失うこともないのに』と。


そして『半分は人間で、半分は魚である女性の魅力は何ですか?』と尋ねます。


『顔?』と、カッセル。


イネスは冷笑しながら『男は愚かだ…』とつぶやきます。



ここを、少し深読みしてみますね。



まず、『不思議な女』であるイネスに近づいてしまったことで、イネスに振り回されているカッセルを重ねているのでしょう。



一方、イネスは、よく知らない女の『顔』に惚れて、命まで落とす男を『愚かだ』と冷笑しますが、ここだけ見ると、イネスはそんな幼稚な恋愛ストーリーとは無縁の分別ある賢い女に見えます。



けれど、イネスにもそんな甘い時代があり、かつて一目惚れで愛し、愛され、自分の人生に男を引き込み、自分への愛ゆえに命を落とさせてしまったエミリアーノという男がいました。



今のイネスは、そんな、過去の自分の後悔の痛みから学んだ冷静さや賢さであり、愛になど流されない、心など無いかのように、愛なんて最初から知らないように見えるほど、心を閉じてしまっているんですよね。



そんな今のイネスを見ているカッセルは、イネスが人魚と重なって見えます。



カッセルはイネスの前世のことは知らないけど、前世も含めての『今』のイネスを感じているのでしょう。



イネスの心は自分に向けられていないけれど、けれど、カッセルにとって、そのイネスの姿は、奇妙なほど愛らしく映ります。



軽く笑ったその姿を、絵にして残したいと思うほど。



カッセルは、彼女が最後まで彼のことを愛していない未来を想像し、苦しくなったけれど、その美しい姿に感激します。


『この姿は、いつまでも私のものだ』と。


たとえ、溺れ死んでも、満足だと思えるほど。



カッセルの愛は謙虚ですね。


そして、彼をそれほど謙虚にさせ、幸せに満たしているのは、イネスの存在そのものです。


イネスはまだ、自分の存在の力に気づいていないけれど。




        *



アルフォンソが、ペレスに人をやって調べさせていたイネスの病歴が報告されます。


最後に『精神疾患』ではないかという噂話も出て来て、アルフォンソは真っ青になります。


さて、この流れは、今後どうなっていくのでしょうか…




…そんなところで、今日は、ここまで。


では、次回またお会いしましょう。



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なんと声優さんが声を当てて漫画を読んでくれます。カッセルの声がイメージどおり✨初期の復習にもいいかも。