うまくいかない
夢から覚めた朝
※このブログはネタバレありなので、閲覧ご注意ください。
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息を止めて倒れたイネスを一晩中見守るカッセル。
いよいよ、イネスが目覚めます。
【37話】
ルカを抱いたエミリアーノの夢。
なぜかルカは歩けるほど大きくなっていて、どこかに消えてしまって、エミリアーノがそれを連れ戻し、抱き上げている。
しあわせな夢。
原作によると、エミリアーノもルカも誰も失わない夢を見たのは、初めてだったそうです。
けれど、それは、全てを失うよりも悪い夢だったそう。
結局、現実には、生まれてもいない成長したこともない子供を創り出し、探して、見つけて喜び、今世会ったこともない男を捕まえて幸せそうにしている、全て自分の妄想だと悟るだけだから…と。
全てを失う夢こそがつらいと思いますが、イネスは、初めて、失わない夢を見て、さらに最悪に感じるなんて、救いがない話ですよね。
でも、エミリアーノの悪夢がこれで完全に終わったと言う意味なのかな、と思います。
少なくとも、前世の夢の中の住人イネスではなく、夢の外側からそれを見ている今世のイネスなわけですから、前世からだいぶ抜けてきたということですよね。
イネスがゆっくり目を覚ますと、もう朝でした。
『アセベド夫人にお詫びをしなくては…』
椅子に座ったカッセルを見ると、服を着替えた様子もなく、疲れた顔。
『まさか一晩中、起きてたの?』と問いかにカッセルは答えずに、
『あんな騒ぎを起こしておいて、初めていう言葉がアセベド夫人か…』と、呆れるような声。
『何が起こったんだ?』とベットに腰掛けるカッセル。
カッセルがゆっくりと、イネスの顔に手をやると、幼い頃のルシアーノを思い出し、イネスは子供のようにその手に頬を傾けます。
カッセルと、その頃のルシアーノは全く似ていないけれど、共通する優しさがあったのでしょう。
無意識のうちに、イネスは、カッセルのことを、もう『身内』として受け入れてしまっているのかもしれません。
このまま3年前のように悪夢に閉じ込められることを恐れた夜が過ぎ去り、彼女は生き残ったことを実感します。
『宝石に見惚れてしまって…』とカッセルに説明しながら、オリーブ色のネックレスを思い出したが、宝石商には全て忘れるように言おうと決めます。
宝石商から連絡が来て、エミリアーノと再会しても、それは、さっきの夢のように、あり得ない妄想のような、今のイネスを幸せにするものではないことがわかったのでしょう。
無事に生き残った今は、今世の計画どおり、エミリアーノと会わずに、静かな人生を過ごそうと。
カッセルが、珍しく貴族のように使用人に命令して、りんごジュースを持って来させると、イネスはカッセルを気遣い、もう準備して出勤するように促します。
カッセルを安心させるために、いかにも大したことじゃないんだと、軽い説明をして。
『大したことじゃないだと?君は息をしていなかった』と、深刻なカッセル。
カッセルの深刻さに当惑しつつ、それを紛らわすように、
『欠陥があることを事前に伝えていなくてごめんなさい』と。
『欠陥』という言葉に激怒するカッセル。
なんとか、なだめるように、言葉を重ねても、逆効果なことに戸惑うイネス。
イネスは根本的に自己肯定感が低いから、自分のことを悪く言うことに抵抗が無いし、
当時の社会的に見ても、結婚相手として病気の女性は好まれないことは事実であり、イネスのような原因不明なものなら、なおさら、そして実は心の病だなんてわかったら、『欠陥品』として排除される事実を、イネスは嫌というほど冷静に知っているのでしょう。
基本的に、イネスの考え方は、ものすごく貴族社会の価値観に基づいています。
そうやって毒母から育てられてきたからでしょう。
社会の価値観の基準・枠が強いが故に、それに当てはまらない自分はダメなんだと否定し、卑下することは当然だと思っています。
もちろんそれは、頭の理論であり、心では、誰よりも、そういう貴族社会の価値観が嫌いだし、それに合わないことで苦しむようなことは終わりにしたいと思っています。
だからこそ、離婚して、貴族社会から引退して、人の目を気にせず自由に生きたいと思うのでしょう。
イネスの価値観の中では、こんな罪深い、狂った女を受け入れるような男がいるとは思っていないので。
けれど、カッセルは、イネスのような貴族的な価値観の薄い人です。
社会に合わせることよりも、自分に正直な、自分軸のある、人間らしい心を持った人です。
前世でも、跡取りなのに結婚しなかったりとか、軍人になったりとか、貴族社会からはみ出るような生き方をしていて、そうすることで、自分の心を社会に明け渡さずに守ってきているのでしょう。
そういう意味では、カッセルの方が、本来のイネスの望む生き方に近いとも言えるでしょう。
イネスを1人の人間として大切に思っているので、そんな、くだらない貴族社会に惑わされて、イネスが自分を『欠陥品』扱いすることがゆるせません。
イネスが自分を卑下することは、イネスを大切に思っている、カッセル自身を貶めることであり、それは彼の心を何より傷つけることになるのでしょう。
カッセルがイネスの上に覆い被さり、
『私は、君が死ぬと思ったんだぞ、イネス…』
と涙をこぼします。
涙が彼女の額の上に落ちます。
心を閉ざして、頭だけ使って生きている、自分の命なんてたいしたものじゃないと思って生きている、イネスの凍った心に、カッセルの涙は、どんな影響を及ぼすのでしょうか…?
…そんなところで、今日は、ここまで。
では、次回またお会いしましょう。
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