7月に入ったというのに、梅雨の影響でなかなか夏らしい晴天に恵まれませんね
。こんな時は太陽が恋しくなりますが、太陽サンサンのイメージがある国と言えばイタリア![]()
という訳で、イタリアを感じる小説の一つであるイタリア系アメリカ人の作家、マリオ・プーゾの代表作『The Godfather (邦題:ゴッドファーザー)』を取り上げてみます。
Penguin Readers: Level 4 THE GODFATHER (Penguin Readers (リトールド版)
ストーリーは、第二次世界大戦が終わったばかりの1945年アメリカ・NY郊外のロング・アイランド。その地に暮らす貧しいイタリアのシチリア移民のヴィトー・コルレオーネは、一代でマフィアのボス(ドン)にまで上り詰め、彼の組織(ファミリー)は東海岸を飛び越えて全米に影響力を及ぼすまでになっていた。そんなドンと慕われるヴィトーの元には、彼が面倒を見た人間が常に訪ねて来る。人気歌手・俳優のジョニー・フォンテインもそんな一人だった。ジョニーは、まだ駆け出しの頃にバンドリーダーに結ばされた自分に不利な契約をヴィトーの部下に破棄にしてもらっており、今回も、どうしても演じたい役があるのだが、映画のプロデューサーが彼の女性スキャンダルを理由に断っているので、何とかして欲しいという依頼だった。早速部下を派遣してプロデューサーと交渉し、それが上手く行かないと知るや相手を脅してジョニーに役をあげる事に成功するヴィトー。ヴィトーには3人の息子と一人娘がいるのだが、三男のマイケルだけは、家族の反対を押し切り大学に入学、大戦中はアメリカ海兵隊に入隊し、除隊後は大学在学中に知り合い婚約したケイという女性と結婚し、家族とは違う一般の生活を送る事を固く決心していた。ところが、ヴィトーの組織を敵対する組織により父・ヴィトーが殺されそうになった事や、長兄のソニーが暗殺されると、しだいにマイケルの心に迷いが生じるようになり・・・。
とりあえずこんな感じです。(注)ここから先はネタバレを含みますのでご注意下さい![]()
とにかく超が付くほど有名な作品なので、興味本位で読んでみましたが、アメリカのイタリア系移民や全米を牛耳っていたマフィアの歴史、19世紀末から20世紀初頭のシチリア島の情勢、20世紀半ばのショー・ビジネスと反社会勢力との裏の繋がり(ジョニー・フォンテインのモデルはフランク・シナトラ説が有力視されていますし、ラス・ヴェガスの事も出てきます)を扱ったドキュメンタリー的な本で、その辺りは非常に良く描かれていると感じます。500ページ近くある骨太な作品ですが、娯楽小説のタッチで描かれているので、この様なジャンルの本を今まで読んだ事がなくても、意外とスラスラ読めます。テーマがテーマなので色々と汚い言葉が沢山出て来る(その事はまた後で触れます)点が難でしょうか。肝心のストーリー展開の方は、いくら貧しい移民だからと言って、短期間しかまともに働かず、その後は生涯犯罪しかしていないヴィトーがイタリア移民のコミュニティーで尊敬されるのは倫理的に許されるのかの是非や、自分の出自をあんなに嫌っていたマイケルなのに結局父の跡を継ぎ、組織を裏切った自分の兄弟を殺害させたりと父以上に残酷な事をするので、何でそうなるの~~
、あのまま普通の道を選んでいれば幸せに暮らせたかもしれないのに、わざわざ自分で自分を壊す様な道を選ぶなんて
とツッコミ所満載、かつ残酷で理解不能なのですが、作者のプーゾは、ドストエフスキーの代表作で、10年ほど前に日本でも翻訳本がかなり売れて話題になった「カラマーゾフの兄弟」を下敷きにこの本を書いたそうなので、この様になったのでしょうか。余裕があったら「カラマーゾフ~」の方も読んで比べてみたい所です。
フランシス・フォード・コッポラ監督、マーロン・ブランドとアル・パチーノが主演の映画もむしろ原作以上に有名ですよね。プーゾが共同で脚本執筆を務めています。何しろ原作が長いため一作では収まりきれなかった様で、 PART I とPART II
に分けて映画化してあります。公開されると世界中で大ヒットし、アカデミー賞も受賞する等映画史上に燦然と輝く名作ですが、この残酷な話を映像で見る勇気は私にはありません(汗)
。ニーノ・ロータの音楽は良いので、哀愁漂うサントラは非常にお薦めです
。
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英語は、文法は特に難しい訳ではなく、普通のペーパーバックと同じ程度ですが、マフィアの世界や芸能界の暗部の話なのでそれに関連した単語があったり、前述した様にかなり汚い言葉や性的にドギツイ単語も出てきます。その様な事情から、お子さんは勿論の事、中・高生でも辛く、大学生以上の大人にしかお薦め出来ない、映画で言えばR指定の本です。
邦訳も出ています。