全国各地で梅雨に入っていますが、如何お過ごしでしょうか。雨と曇りが続くこの時期は何かと気持ちが滅入りがちですが、そんな憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれるようなオーストラリアの女流作家パメラ(P.L.表記もあり)・トラヴァースの代表作『メアリー・ポピンズ』を紹介します。
ストーリーは、20世紀初頭のイギリス・ロンドン。チェリー・ストリート17番地に住むバンクス夫妻はジェーン、マイケル、ジョン、バーバラというやんちゃ盛りの4人の子供達に頭を悩ませていた。そこで夫妻は子供達の教育係りとしてナニー(プロの子守)を雇う事にするが、募集広告を見てやって来たメアリー・ポピンズは、空を飛べたり動物達と話が出来るちょっと不思議で魅力的な女性だった。バンクス家の子供達も次第に彼女の言う事を良く聞き、懐くようになり、楽しい時間を過ごすが、別れの時は近づいて来ていて・・・。
という感じです。子供の数等細かい違いはあるものの、基本的にはジュリー・アンドリュース主演で大ヒットを記録したミュージカル映画(「サウンド・オブ・ミュージック」のマリア役といい彼女は家庭教師役が良く似合います)と変わりないので、映画版が好きな方は原作の方も楽しめると思います。ただ、原作ではメアリーが映画と比べて随分素っ気なくて躾に厳しいのには少々驚きましたが、メアリーは作者であるトラヴァースの叔母か大叔母(どちらだったかは忘れてしまいました)がモデルらしいので、こうなったのでしょう。それにしても色々なペーパーバックを読んで感じるのは、イギリスの作品、特に児童書には魔法や動物、自然が頻繁に登場するなぁ~という事です。そしてそれらの作品が人気を博してこうやって今の時代に残っているのは、それだけ彼らがその様な物に親しみを感じているからなのかもしれません。イギリス人の魔法、動物、自然愛をダイレクトに感じられる一冊でもあります(笑)。子供から元子供だった(笑)大人まで、世代を問わず幅広い年齢層に受け入れられる名作だと思います。
前述した様にミュージカル映画化もされていて(というよりもむしろ原作よりも映画の方が有名ですね)、劇中で歌われる音楽も誰もが一度は耳にした事のあるスタンダードになっていますね。楽しくてちょっと摩訶不思議な曲達はどれも良い曲ばかりで、サントラも非常にお薦めです。原作者のトラヴァースはこの作品に強い思い入れがあり、娘が原作の大ファンだったウォルト・ディズニーが自社で映画化したいと何度も申し出た時、ディズニー社で映画化される事に当初大反対だった様で、その辺りの経緯はトム・ハンクス主演の映画「ウォルト・ディズニーの約束 」で詳しく描いてあるので、「メリー~」と同じくこちらも必見です「ウォルト~」のサントラも粒ぞろいの楽曲が収録されているばかりでなく、二枚組を買うと「メリー~」の曲もついているので、両方の映画の曲が楽しめちゃいます。今年、エミリー・ブラント主演で続編の「メリー・ポピンズ リターンズ 」も公開されましたね。
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英語は、20世紀前半のものなので、現代のペーバーバックよりは少し古く感じますが、それ程読みずらい訳ではないので、気になった方は躊躇せずにどんどんトライしてみて下さい
邦訳も出ています。
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