『のろぺこだんなブログ/猫の歯の吸収病巣』 | のろぺこ嫁の雑談アレコレブログ

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ネコと暮らしていく上でいろいろな役立ちそうな情報もみなさんとシェアしたいのろぺこです。

 

 

 

 

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ミンネも更新しました。

 

 

 

====ページリンクしましたが、飛べない人がいると読めないので、だんなが書いた内容をコピペすることにしました。

 

のろぺこだんなです。

前回のお話しで登場した吸収病巣ですが、もう少し触れておこうかなと思います。

猫と暮らすうえで大切なことはいろいろありますが、猫にとって必要な栄養や病気といったことは特にヒトのそれとはだいぶ事情が異なってくるため、やはりなにをおいても知っておく必要があります。

どういう病気があるのか、その原因やなってしまったときどうすればいいのかといったことは、家族がわかっていなければ同じ家族を守ったりその力になっていくことはおぼつかなくなってしまいます。病気になってしまった場合は信頼できる先生に診ていただくのがいちばん、ただ、診ていただいた際に家族に知識がなければ先生から状況を説明されても理解できないし、判断が必要な場面でも責任をもって対処することはできません。

おにぎりと暮らす中で特にそういう思いが強くなっていったので、病気に関しては特に意識してアンテナを張って学ぶように心がけていました。

ただ、残念なことに、この吸収病巣というものはそのアンテナにまったくかかることがありませんでした。

調べてみるとこの吸収病巣、実に成猫の半数以上が罹患しているといわれているんだそうです。

じわじわ歯に進行していくので家族は気がつきにくく、でも、進行してしまうとやがて深刻な状態に陥ります。そしてなによりこわいのは、吸収病巣はなぜなるのか原因が分かっておらず、そして現時点では治療法も見つかっていない「治せない病気」だということです。

ヒトも同じですが、骨とか歯は一見ずっと同じにも見えますけど、実は日々吸収と形成を繰り返しながら常に新しい組織と置き換えられているんだとか。骨を溶かして吸収する細胞を破骨細胞、そして歯を溶かして吸収する細胞を破歯細胞というんだそうです。で、歯の場合、通常は「壊して吸収する」はたらきと「新しく形成する」はたらきのバランスがとれているので順調に歯を維持させることができているわけですが、何らかの原因でこの破歯細胞が活性化し暴走してしまうことでバランスが崩れ、歯がどんどん壊されていってしまう病気、それが吸収病巣です。

破歯細胞は、歯の健康な細胞を溶かして骨に吸収させるはたらきをするものなので、これが活性化すると歯がどんどん壊され骨に吸収され、あごの骨と一体化していってしまいます。それから、歯の表面も欠けたり折れたりしてしまいます。

歯が骨と一体化すると、本にゃんには強い痛みが生じます。

もともと食事の際や食いしばった際など歯には大きな負荷がかかります。なので、歯にかかる負荷が直接骨に響かないように歯と骨のあいだにはクッションになるような構造があります。それがなくなるわけですから、痛みがでることは想像にも難くありません。ちなみに、ヒトが噛む力は体重程度、約60kgほどといわれていますが、猫の場合はそれよりも大きな約100kgなんだそうです。

吸収病巣になると、歯にかかるその大きな負荷が直接骨に響くことになります。

あとから思い返してみると、おにぎり、ときどき食後におかしなしぐさをすることがありました。まるで口に毛か何かが引っかかって、それをとろうとしているような感じでぷるぷるっと顔を振るんです。なんだろうと不思議には思っていたんですが、それが歯の痛みのせいだとは、愚かな僕は全く考えが及びませんでした。

吸収病巣になると、歯茎のふちに歯周病のような赤みや腫れがみられるようになります。

それから、歯の表面が欠けたり折れたりし始めるので、健康な歯と比べると隙間が見られたりカタチが違ったりといった所見も出てきます。ただ、経験からいうと、時間をかけて少しずつ変化していく感じなので、アハ体験と同じくこの歯の変化は気づきにくいのではないかと思います。

その後、ある日突然歯がなくなったりします。

おにぎりの場合は、前日まであった犬歯と奥歯のあいだの歯が突然行方不明になりました。さすがにこれにはすぐ気がついて、すぐ病院に連れて行きました。でも、歯に詳しいといっていた先生の診断は「うーん、歯、どこいったんでしょうねー?」・・よくわからないまま、でも歯茎の炎症は全然ひどくないからそのままで・・となってしまいました。

でも、吸収病巣に罹患していた場合、この現象はよく見られるものなんだそうです。歯が欠ける病気なので、ある日まるごとなくなったりしても当たり前ですよね。そう、この時僕が吸収病巣のことを知っていたら、「吸収病巣ではないですか?」といえたはずなんです。

吸収病巣がさらに進行すると、歯根部分や歯髄までおかされてしまい、歯があごの骨の一部になっていきます。

この病気は自分の細胞の暴走が原因で、ウイルスなど外的な要因によるものではないので、薬は効きません。治療法は抜歯のみです。全体的に進行すれば、すべての歯を抜歯することになります。

吸収病巣かどうかの診断をしてもらうには、通常のレントゲンではなく歯の部分にフォーカスした「歯のレントゲン」が必要になります。顎と歯の部分を詳しく撮影するため、全身麻酔が必要になります。

おにぎりの歯と歯茎についておかしな診察をした先述の先生に関しては、ほかの点でもちょっと自分とは合わないと思ったのでその後ほかの先生に診ていただくようにしたのですが、とても信頼できる素晴らしい先生に出会うことができたので、以降はずっと、最後までその先生に主治医になっていただいていました。

2023年9月、おにぎりの奥歯の歯茎が腫れて出血し始めたので主治医の先生に診ていただいたとき、「吸収病巣ではないか」とはじめてその病名を聞きました。

歯のレントゲンを撮っていただいて、吸収病巣の診断が確定。いろいろ話し合った末、全抜歯をお願いすることにしました。

歯をすべて抜歯する場合、心配なのは食事のことだと思います。

やはり抜歯してすぐは口の中に違和感があるため食欲が落ちるコが大半なんだそうですが、でも慣れると、カリカリでもぜんぜんふつうに食べることができるんだそうです。実際、そのまま飲み込むことも多いですしね。

おにぎりの場合はその後口腔内扁平上皮癌がみつかったため手術はできなくなってしまいましたが、歯や歯茎に異常が見られた場合、そして、吸収病巣を思わせる所見が見られた場合は、どうかきちんと診察を受け、適切に対処していただけたら・・と願ってやみません。

歯の痛みだけでもかわいそうですが、この病気は長期にわたって少しずつ進行していきますので、それはつまり、口腔内に長期間にわたって炎症が起き続けるということでもあります。

ここからは個人的な考察ですが、ヒトのからだでも、長期間同じ部位に炎症などの負荷がかかり続けると、そこから癌を発症するリスクが高いということはよく知られていることと思います。病院でそういうお話をさせていただいた際は、因果関係は何ともいえないとはいわれましたが、ただ、因果関係を否定することもできない話だと思います。

知識があれば回避できるリスクもある。

おにぎりは実際、長く炎症を抱えていた口腔内に癌を発症しました。用心に越したことはないと思います。

おにぎりは、1歳になる前から最後までずっと歯磨きをしていました。歯の外側だけでなく、内側も、歯の隙間もきちんと磨いていました。おかげで歯の状態はきれいだとほめてもいただいていました。それでも、歯茎の状態は良くなりませんでした。

少しでも歯茎がよくなるように、毎日祈るような気持で磨いていました。

いつかおにぎりを見送る日が来たら、その時は、毎日守り続けたこの歯を遺骨として持ち帰ろう・・そんなことも思っていました。でも、骨になったおにぎりの歯は、吸収病巣のせいであごの骨と一体化したり、癌の影響でぼろぼろになってしまっていて。。それが、なによりもつらかったです。

ケアしているのに歯茎が腫れる、歯のカタチがなんかほかのコと違う・・なんてときは注意が必要だと思います。

食後に顔を急にプルプル振ったり、いつもと違う仕草をするときは痛いのかもしれません。

もしこの病気をご存じない方がいらっしゃいましたら、怖い病気だと心に留めていただければ幸いです。みんなが穏やかに幸せに過ごせますように。。