敷地内3m以上の高低差道路天空率2 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

3月18日土曜日

今週3月14日、比嘉専用桜開花標本木も4輪以上開花で開花宣言!・奇しくも気象庁発表と一致した。

以来、この暖かさでどんどん開花している。

さくらだけでは無い・・・コブシも満開。

先週末から今週にかけてはなんといってもWBC。

誰それの名前をあげるまでも無い全員野球!。

と・・言いつつやはり大谷・・ダルビッシュ・・吉田がイイネ・ヌートバーに山本・・佐々木・・身びいきで宮城、イタリア戦の伊藤・・やっぱ全員だ。アメリカで大リーガー主力のチームにも勝ち抜いていただきたい。

・・でもなによりいいのは侍ジャパンの相手チームをリスペクトしたフェアプレイ。・・・清々しい。

 

沈丁花も甘い香りで春をアピール。

 今週の講座から始めたい。

今週はデべさんに新加入の設計者が来社講習。

3回講習の1回目は、日影規制徹底学習。進みが早いので用地情報の入力から逆日影、日影・・予定を超えてプランまで一気に進めた。次回は天空率だ頑張ろう!

ユキヤナギもこの季節桜開花に先駆けて楽しませてくれる。

 

天空率講座を開始したい。

前回は3m以上の高低差がある場合の事例1

の解説を行った今回は、建物背面のみが地面に接する

事例2の解説

加えて最後に事例1,2の日影平均地盤面算出まで行いたい。

 

事例2

1)法文の確認から

 

第2条 面積、高さ等の算定方法
2 前項第二号、第六号又は第七号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の
高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。

 

2)斜線断面による地面高低差の確認

*今回の事例は敷地形状、用途地域(第一種住居地域)

適用距離を長くとり高低差をまたぐ目的で容積率500%

⇒適用距離30m(道路幅員8mで容積率320%に低減の為)

 建物(設計GL+21m)は入力済みとする。

地面を含む断面の確認から

 

設計GL面は、道路境界線から3mの位置でBM+0.75mの位置。背面部の建築物が5.25mの高さで地面に接している事がわかる。

 

3)「地盤:設計GL」の項で3m以内ごとに地盤面を区分する

この事例の場合背面のみ3mを超える為、地盤面の区分は

建物背面の位置

①「地盤:設計GL」に移動すると敷地形状が地盤として取り込まれる。

②右ボタンメニューから「切断」「単線切断」で地面と接する建物東端の位置をクリックし3m以下と3m以上の地盤を区分する。

③3m以内のエリアをクリックし選択しダイアログ内を設定する。

 

*地盤面が2存在する為、高さの基準となるエリアを

「設計GL(基準地盤)」の項をチェクする。

*地盤番号は自動割付で2が表示されている。

 

*ベンチマークから設計GLの高さ0.75mを入力し「現在の値を適用」で地盤番号2を確定する。

 

⑥3mを超えるエリアを選択し地盤番号1ダイアログ内を設定する。

この場合、右の凡例では、傾斜した表示になっているが事例2においては建物東端部の赤枠の線分の位置で3mで区分される事になる。

 設計GL面から地盤番号1までの高さ3mを入力し

「現在の値を適用」で確定。

*この時点では、地盤1,2ともに平均GLは入力されていません。直接入力するか斜線平均地盤高計算で建物外周高を入力し自動参入する方法があります。

前回同様、以下の解説で平均地盤の解析から始めたい。

 

この際のポイントは3mを超える部分の地面が建物東端の同一線上で3mと5.25mが上下する事。

 

4)「斜線平均地盤高入力」

建物外周の地面高を入力する。「地盤:設計GL」で入力区分された3m以内と3m以上の判断は面する位置の重なり部分で自動判断される。

 

①「入力」「天空率データ」「斜線平均地盤高領域」に移動する。

②地盤2(3m以内領域)の接する「斜線地盤平均高入力

*建物外周の地面高をBMからの高さで入力する。

地盤面

 

この場合東側端が3mで独立、他は0.75m

入力しながら平均高が算出表示される。

 

③地盤1(3mを超える領域)の斜線平均地盤高入力

*地盤1の建物は垂直方向に地面と接する事より3m部と3mを超える部分が同一線分状に存在する。

 *この場合、接する高さは、3mと5.25mの2種で4角形ゆえ単に(3+5.25)÷2=4.125m(BMからの高さ)が算出されが

天空率計算までの手順として解説する。

 

「斜線地盤平均高入力」は面状に入力する事が条件となり線分での入力はできない。その為下記の手順でAのダミー幅で面設定する事から始める。

 

-1)面状に3m以上の地面に接するエリアを入力する。

*1から4の面状の平均地盤高入力を任意の幅Aで4角形入力等で作図する。

*A幅は2-3.1-4間の辺をクリック選択できる程度。

(本例では3mとした)

*1,2の頂点を確実に地盤面1(3m超)の辺長部と一致した入力を行う事が重要。

 

-2)ダミー辺長の距離を最小値1mmで直接入力する。

「辺長」の項は、平均地盤計算を行う際の辺長の数値を直接入力する際に利用します。

 この入力を行わない場合、形状入力時に自動算出される「実辺長」が採用されます。(本例では3m)

*CAD読み込みした場合等、精度誤差により小数点以下の数値が測量値と微小に異なる場合などでも有効です。

 

5)平均地盤面計算を行う

6)結果の確認

①地盤:設計GLで確認

⇒3m以内(地盤2)

*3m以内の地盤面高は設計GL+0.562m

 

⇒地盤1(3mを超える領域)

3mの地盤面から0.375m⇒BMから0.75+3+0.375=4.125m

 

いずれもBMから3mと5.25mの2の高さの平均ゆえ

(3+5.25)÷2=4.125m問題無し。

 

 

②3m以内の展開図

 

②3m超の展開図

2-2、2-4部はがダミー部。

(3+5.25)÷2=4.125m。

 

7)「入力」「新天空率算定領域」で

道路高さ制限適合建築物および算定線を自動発生


 

8)「天空率計算」

算定位置が2重になるのは地盤面の高低差が3m超で2有り

(h-1)/2のが適用される為同じ算定位置で重なる。

「表示」「表示プロパティー」で「文字列オフセット」をチェクする事で重ならない表示で確認が可能です。

 

9)「図法」「天空率算定チャート図」「アイソメ図」で確認。

道路天空率には隣地のように高低差区分を行わないので地盤で区域を区分しない。

一方道路高さ制限の起点は地盤面が3m以内事に2存在するため同じ算定位置でも2存在する。(道路面がプラス方向に傾斜する場合は部分的に1の場合有)

P4とP11の同一座標位置で始点高が異なる断面を確認すると

P4

 

 3m以内の地盤面 設計GL⁺0.562mからの高低差で

(h-1)/2の緩和が適用されている高さ制限に適用している事が確認できる。

P11

 

3m以上の地盤面 設計GL+3.375に適合している事がわかる。

道路天空率の令第135条の6には「高低差区分区域ごとの部分」は無い。その為高低差区分しない。

 

10)日影規制における平均地盤面

日影規制の受影面の基準高さは、別表4では「平均地盤面」と記述され「平均地盤面」とは当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さをいうものとする。

日影規制の高さ基準平均地盤面は3m以内で区分しない。

TP-PLANNERにおける「平均地盤面」はTP-LANDの

入力「日影平均地盤高計算領域」の項で設定解析する。

①事例1の場合

4境界線(西側)

東側2の境界線

平均高は3m(BM基準)が表示される。

平均GLの解析

TP-LANDでの解析は計算対象が「日影平均地盤面」「斜線地盤面」に分かれるのは本例のように3mを超える事案ではそれぞれ値が異なる為。

*斜線地盤面は解説済みゆえ以下日影平均地盤の結果の確認

設計GLから2.25m(BMから設計GLまで0.75m)

時刻日影図作成時の確認

時刻日影図を作成後、任意の位置でドラッグし青枠作成後倍率表アイコンをクリックすると倍率表が表示される。

受影面4m、日影平均地盤2.25mゆえ

建物高さ21mから6.25mを引いた14.75mに各倍率を乗じて影長さが算出される。

事例2

日影平均地盤高計算領域で高低差を入力

境界線に接する地面高を入力。2-3のみ5.25mで独立モードで入力する。

BMからの平均高は1.875m

事例1同様平均GLの解析を行う。

結果を展開図で確認すると

図法:日影平均地盤面展開図

日影図倍率表では

設計GL基準の平均地盤面高は1.125m、事例1では2.25m

その分計算高が事例14.75mが15.875mになり各時刻日影が長く作図される事になる。

 

 さて本日も長くなったここまで休日をお楽しみください。

侍JAPAN頑張れ!

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