敷地内3m以上の高低差道路天空率1 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

3月11日土曜日、東日本大震災から12年。

陸前高田で9歳で被災された佐々木朗希投手がWBCチェコ戦で

先発登板予定だ。剛速球に期待したい。

 週空け13日からマスクフリーになる。真っ先にマスク外し宣言をしたいところだが今週からスギ花粉が大量に舞い始めた。

外出時のマスク利用は花粉除け目的で桜の頃まで続くかな。

 

 今週の講座からから始めたい。

今週はデベ企画設計者の導入時解説が最終回。

傾斜地の算定法をじっくり解説。

すでに利用もすすみプラン時におけるスパン割りの変更方法など質問も具体的だ。

全階を「串刺し編集」機能でスパン割り変更する機能の解説がヒット。容積調整等で必須機能だ。ご活用してください。

無事卒業です。またお会いしましょう。

 

  天空率講座を開始したい。

今週の天空率講座はこのところ質問の多い敷地内高低差に関する質問。3m以上の高低差がある場合の事例から

設計GL面がBM+0.75m、その位置からBM+5.25mの高さまで傾斜した地面と接する事例

今回はこの事例で敷地内高低差がある場合の天空率解析の流れを確認していただきたい。

 

事例1

1)法文の確認から

 

第2条 面積、高さ等の算定方法
2 前項第二号、第六号又は第七号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の
高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。

 

2)斜線断面による高低差の確認

*今回の事例は敷地形状、用途地域(第一種住居地域)

適用距離を長くとり高低差をまたぐ目的で基準容積率

 基準容積率500%⇒8m道路ゆえ320%

(*道路幅員8mによる容積率を追加しました。

用途地域の項では低減を自動処理し適用距離が算出されており変更ありません。3月16日)

⇒適用距離30m

 建物(設計GL+21m)は入力済みとする。

設計GL面は、道路境界線から3mの位置でBM+0.75mの位置。背面部が5.25mの高さで建物に接している事がわかる。

 3mの位置が建物形状道路側から12mの位置で区分される。

 

3)3mの位置で地盤面を区分する

①高低差3mの境界線を建物左側から12mの位置に作図する

②「入力」「地盤:設計GL」に移動する。

③敷地形状が地盤として取り込まれる。

④右ボタンメニューから「切断」「単線切断」で作図された3m高低差境界線をクリックし3m以下と3m以上の地盤を区分する。

⑤3m以内のエリアをクリックし選択しダイアログ内を設定する。

*地盤面が2存在する為、高さの基準となるエリアを

「設計GL(基準地盤)」の項をチェクする。

*地盤番号は自動割付で2が表示されている。

 

*ベンチマークから設計GLの高さ0.75mを入力し「現在の値を適用」で地盤番号2を確定する。

 

⑥3mを超えるエリアを選択し地盤番号1ダイアログ内を設定する。

設計GL面から地盤番号1までの高さ3mを入力し

「現在の値を適用」で確定。

*この時点では、地盤1,2ともに平均GLは入力されていません。直接入力するか斜線平均地盤高計算で建物外周高を入力し自動参入する方法があります。

今回は、以下の解説で平均地盤の解析から始めたい。

 

4)建物外周が地面と接する高さを入力する「斜線平均地盤高入力」の項に移動する。

①「入力」「天空率データ」「斜線平均地盤高領域」に移動し建物と同形状の建物外周を作図するか

左上赤枠で示した「他の入力データを変換」ボタンをクリックし建物外形状を地面と接する形状として自動作成されます。

今回は自動作成。

 

*3m以内ごとに区分する線分を「切断」「単線切断」で区分し

領域を2に区分する。

 

②地盤2(3m以内領域)の接する地面高をBMからの高さで入力する。

 

この場合は左端地面高0.75、境界側3m地面高を入力するとその間は自動設定される。(連動の場合)

 

③地盤1(3mを超える領域)

5)平均地盤面計算を行う

6)結果の確認

①地盤:設計GLで確認

⇒3m以内(地盤2)

 

*地盤2(3m以内)の平均GLの項に1.125mが結果表示される。

⇒地盤1(3mを超える領域)

0.375mを確認

 

②「図法」「平均地盤面展開図」を指定すると

展開図で地面の高低差等解析根拠が確認可能です。

 

7)「入力」「新天空率算定領域」で

道路高さ制限適合建築物および算定線を自動発生


 

8)「天空率計算」

算定位置が2重になるのは地盤面の高低差が3m超で2有り

(h-1)/2のが適用される為同じ算定位置で重なる。

「表示」「表示プロパティー」で「文字列オフセット」をチェクする事で重ならない表示で確認が可能です。

9)「図法」「天空率算定チャート図」「アイソメ図」で確認。

道路天空率には隣地のように高低差区分を行わないので地盤で区域を区分しない。

一方道路高さ制限の起点は地盤面が3m以内事に2存在するため同じ算定位置でも2存在する。(道路面がプラス方向に傾斜する場合は部分的に1の場合有)

P4とP11の同一座標位置で始点高が異なる断面を確認すると

P4

手前の3m以内の地盤面 設計GL⁺1.125mからの高低差で

(h-1)/2の緩和が適用されている高さ制限に適用している事が確認できる。

P11

 

3m以上の地盤面 設計GL+3.375に適合している事がわかる。

隣地天空率の場合は

第135条の7 隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等

3 当該建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合における第1項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の周囲の地面と接する位置の高低差が3m以内となるようにその敷地を区分した区域(以下この章において「高低差区分区域」という。)ごとの部分」と、「地盤面」とあるのは「高低差区分区域ごとの地盤面」と、「という。)の」とあるのは「という。)の高低差区分区域ごとの部分の」とする。

と記述されるが

道路天空率の令第135条の6には「高低差区分区域ごとの部分」は無い。その為高低差区分しない。

・・・・20年前の施行直後は道路天空率も高低差区分すると勘違いする事が多かった。

 さて本日も長くなった。傾斜地の基本をマスターしていただいたところで次回は背面に6m段差状の地面の事例。

 この事例を解説したい。

次回までお元気で!

 

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