本日土曜日も先ほどまで講座を行い朝から語り続けて先ほど6時前に終了し、ぐったり状態。
今週の講座の報告から早速始めたい。
火曜日は天空率基礎講座
今回は、9人の参加。個人住宅からマンション、様々な用途を得意とする皆さんに参加していただき天空率を楽しく実践学習した。戸建て専用ソフトからの効率的にTP-PLANNERにデータリンクするレポートも作成した。機会をうかがい比嘉ブログでも発表したい。
水曜日は、独立した不動産鑑定士さんがひょっこり来社された。ちょいと居酒屋で勉強会。
講座終了後、早速実物件処理の質問あり。早くも実践利用開始の様だ。頑張れ!
昨日は、個人住宅が専門の皆さんの天空率講座
比嘉と同世代も若干名交じった楽しい会となった。同世代には遠慮なし。お互いまだ頑張らなきゃ。いずれもかなりのハイレベルの皆さんだ。いっきに天空率申請図作成法まで講座は効率的に進行した。
そして先ほどまでが日大不動産鑑定士の為の建物想定実務修習講座。
朝10時からの講座は、先ほど6時前まで、走りまわり、語り続け、励まし合いながら無事終了。終了予定を1時間半以上オーバーしてしまったが以外と皆元気。さすがに比嘉はぐったり。日影規制の基礎から手動による逆日影そしてTP-PLANNERによる逆日影と順調に予定をこなし最後には6階建てのファミリーマンション完成。お疲れ様でした・・・watasi
そんな事で、今回は四方山話無し!。アギーレの退任など語りたいテーマがないわけでもないが本日も時間がない早速、比嘉ブログ講座を開始したい。
今年の比嘉ブログの講座は日影規制の基礎から始めた。斜線規制が天空率でクリアーされる様になり、日影規制の限界まで建物規模を想定するケースが増加してきた。
その為だろうか、TP-PLANNERの逆日影の利用頻度が高くなり、サポートセンターには、日影規制に関する質問も多く寄せられ、特に発散規制ラインを利用する際の質問が多い。発散規制に関しては昨年4月に掲載した回が繰り返し検索されている様だ。
土地の有効活用の為に正しい日影規制の知識が必要な事はいうまでもない。今週も日影規制を検証してみたい。
今週は、先週に続き、「3時間日影になるとは?」を解説したい。前回は、本題に入る前に時刻日影の話、真太陽時の事を解説し時間となった。
今回は、時刻日影図から影の時間をカウントする基本的な考え方を解説したい。
前回解説した様に時刻日影図の影の長さを比較すると、8時16時に対して9時、15時の影の長さは半分ほどになり12時で最短となる。
その為、日影規制がNGか否かは、影が長くなる時間帯つまり8時と16時側、もしくはその近傍から確認するのが基本となる。
今回は、8時枠で3時間、日影5時間の日影時間を確認する事から始めたい。
日影時間をカウントする方法として下図A,B、Cの各位置にストップウォッチを持ち、日影になった瞬間にストップウォッチを押し太陽が行き過ぎた瞬間にストップウォッチ押す。その様に計測した時間が影の時間となる。計測する高さは地べたでは無く平均GLから4mの位置での測定とする。(なぜ4mかは?後日解説)
簡単な話だがお付き合い頂きたい。
①8時の瞬間、影になるA,Bの測定者はストップウォッチを押す。影の時間は押した瞬間8時では0時間。
②Cの測定者は、8時の際には日向ゆえストップウォッチを押せない。Cの側から建物方向に太陽を眺めると
建物の東側から太陽が見えている状態(日向)である事がわかる。一方Aの位置から眺めると
③9時になった時は
A,B地点では9時の瞬間も影ゆえ1時間が経過した為、ストップウォッチも1時間を表示する。C地点では8時の瞬間ストップウォッチを押せなかったゆえA,Bとは異なる。
ではC地点の時間は?と考えてみると9時の時点で影内にある事は分かるが、この時刻日影図では1時間毎の作図の為、影になった瞬間を特定する事はできない。
天空図で再度確認すると
どうやら8時09分から影の様だが1時間毎の時刻日影図ではわからない。
その為、確実に計測が可能な8時の時点で影になったA,Bの地点の計測のみを行う事とする。
④同様に10時になると
それぞれ0時間、1時間、2時間を意味する。すると11時は3時間を意味する事になり
上図でA地点は、3時間を示す。Aの幅を11時の線分幅と同一幅と考えると、11時を越えた瞬間に日向になるゆえ影の時間が終了する。その瞬間ストップウォッチを眺めると3時間を示す。
8時の時刻日影図内にある11時の線が3時間日影の線となる。同様に考えると9時枠にある12時の線も3時間を意味する。今回は8時枠の影の時間の検証をさらにすすめると8時枠にある12時は4時間を意味し、13時は5時間を意味する。
今回の日影規制時間は5/3時間ゆえ8時枠の3時間の影の線、5時間の影の線が確定した。一気に16時枠も同様に検証してみると
D地点が5時間を示しているが11時の瞬間に影になる為、ストップウォッチを押し日影規制時間16時まで影ゆえ16-11=5時間の影、同様にE地点は13時で16時まで影ゆえ3時間の影を意味し、同様に16時の枠で15,14,13,12,11時の5本の時刻線が重なる為5時間となる。
結論としてある敷地に人工物である建築物が太陽の日射しを遮る時間は8時枠と16時枠にある影の重なる時間をカウントする事でその時間がわかる。
この要領で読み切った3時間と5時間の影の線(等時間日影線の一部)のみを作図すると
これが建築物(人工物)が太陽を遮った際におこる影の時間となる。
規準法第56条の2(日影による中高層の建築物の高さの制限)
・・敷地境界線からの水平距離が5メートルを超える範囲において、同表(に)欄の(1)、(2)又は(3)の号(同表の3の項にあつては、(1)又は(2)の号)のうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して条例で指定する号に掲げる時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。・・・
これが第1項に記載された規制ラインの基本的な考え方。さらに1回目に例示した別表4ではさらに明確に規定される。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150111/11/normanhiga/49/2c/j/o0800074613186102792.jpg?caw=800)
規制ラインと等時間日影を重ねるとその可否が明確になる。
「・・敷地境界線からの水平距離が5メートルを超える範囲において・・」とある為、日影規制は敷地境界線から5mを越える範囲で、さらに8時から16時の間で影になる時間が対象になる事がわかる。
今回は5mラインを越え10ラインまでが5時間、10mラインを越える範囲で3時間を超えられない為、規制ラインと上図3時間と5時間の時間線を重ねると
8時側では
黄色の部分がそれぞれ10mを越えた3時間の部分、5時間を超えた部分となる。いずれもNGだが10mラインを越えた3時間線の幅が5mラインから10mラインまでの部分こえたそれよりもはるかに大きい。その為、8時側は10mラインを越えた部分を規制ライン内に入る様建物をカットすると5mラインを越えた5時間もおさまる事がわかる。
次に16時側を確認してみると
16時側は3時間の時間線が10mラインを越えている為、この部分のみがNGとなる。
日影規制に対する可否の判断はこの様に行う。
さて、ではそのNGを解消する方法は?となるが・・・・今回は長くなった。次回にしよう。