本日晴天冬晴れの東京。いつもの朝練会場からの定点観測。
東京の空も澄み渡り美しい。
今週は、前回予告通り大阪、日積サーベイさんのヘリオスフェスタに参加の為、大阪に2日。
フェスタは100名近くの参加で大盛況。BIMではコストがキーになる事をあらためて確認。
ところで比嘉はそこで何をしていたかだが・・・併設されているベンダーの展示コーナーで、情報交換をしたり企画BIMコーナーでは、TP-PLANNERの解説。セミナー修了後に展示ブースで待ち受けていなければならないが殆どセミナーの聴衆と化した。
参加者の殆どがコスト関連の方との事で、その後の反省会等も気になり早めの店じまいをしていたところ・・・CADの達人ハンガリー会のyumiさんがブースにこられた。yumiさんの質問は
適用距離がバルコニーの中途にある場合の天空率の対処法。
質問の意図はこの様な事だと思ったが、お互い反省会(飲み会の事だが)が気になり落ちつかない。・・口頭での解説になった。・・・ところが今だその質問の事が気になるので比嘉ブログで詳細解説したい。・・本日の予定でいたがネタの仕込み中になにゆえかPCがダウンしてしまった為、次回解説。(書きかけのブログを再度書き直さなければならないのはダメージ大きい・・。)
大阪では、お世話になった方との感動の再会あり・・等々で充実した2日間。2日目は、あべのハルカスも視察。
ながめの良い事。雨男だが晴天。前日の飲み会終了後はみごとに雨。雨男健在。遠くに淡路島が見えるがいつかチャリで一週する予定だ。
帰りの新幹線からの富士山も見事!
へリオスフェスタは、来週は東京だ。企画BIMのコーナーにおります。お声がけ頂ければ真面目に解説します。
さて、昨晩のサッカーは、大量得点の勝利。今晩は錦織見逃せない。
天空率講座を始めるとしよう。
事例は前面道路が8m、7mの2方向道路で東側7m道路の後退距離が広く、道路中心10mの区域を超える為に、道路中心10m内に適合建築物が想定されて ない。その為適合建築物の天空率は最大の100%。一方、計画建築物は隣地境界線沿いに設定された塀が存在しその分天空率が低下する。この事を解決する為 には、後退距離の設定変更が必要となる。
天空率計算を行う際の高さ制限適合建築物の想定想定法は
(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第135条の6 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第1号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物(法第56条第7項・・・・・・・
二 当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(法第56条第2項に規定する後退距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。
この様に記述され計画建築物の後退距離の範囲であれば高さ制限適合建築物の後退距離は自由に設定する事が可能とされる。
設計者は、計画建築物をカットしない為に適合建築物の天空率が最小になり設計有利になる後退距離を設定する事が肝要となる。
その設定法としてこれまで
①後退距離を0mと設定する方法。
後退距離を0mとした為に、道路中心10mの区域にも適合建築物が存在する事となりその分、天空率が低下する為クリアーする事ができた。
検証は建物規模を南北に延長しさらに階高を10m以上高く設定し確認してみた。
すると後退距離が0mでは適合建築物が低く、2Aで回り込んだ8m道路側がNGとなる。
その際
②最適後退距離を算出しクリアーする
つまり適合建築物の天空率がもっとも低くなる後退距離を算出し設定する方法だ。前回はTP-PLANNERで自動算出した
手 動で行う場合には、後退距離を半分の位置から適合建築物天空率が低下する方向(狭くあるいは広げて)に探り計算を行う。多少時間がかかるかもしれないが建 築物をカットしたくない場合には有効だ。・・・・・しつこい様だがTP-PLANNERでは自動算出される。cm time
ここまでが前回の復習。
今回は前回、21mから35mに高く設定した計画建築物をさらに40mまで高く設定してた場合のお話。・・・どのまで可能か検証しているわけだが・・・
前回の最適後退距離の結果で天空率計算を行うと
最大の差分が-0.7%以上となり厳しい。
天空図同時表示で確認すると
斜線規制を超えた位置の計画建築物が左右の空地より大きい。つまり計画建築物を高く設定しすぎた。・・・・・のかナ
ちょと待った。基本に戻り道路斜線の断面図を再度確認してみよう
なんの事はない、そもそも後退距離が充分広く、7m道路側は適用距離外で道路斜線規制では問題ない。ただし南側8m道路側が
NGゆえ天空率で解決したいわけだ。天空率比較を行う場合、同種の境界、つまり今回は道路境界すべてを天空率比較でクリアーする必要がある。その為、道路斜線適用外の7m道路側も天空率解析の対象となる。
当然、外壁後退を最大に設定すると
道路中心10mがNGになる。対策としてシリーズ初回で解説したが後退距離を0mでどうだ!
道路中心10mはOKだが2Aで回りこんだ区域がNGとなる。その区域の計画建築物の高さは初回の21mから40mに変更している為。・・・無理。
では前回の技「最適後退距離」でどうだ?
後退距離は、現状の6.5mを変更しても天空率差分は解決しない事がわかった。
するといよいよ建物カットか? 否
最後の手段。
後退距離を最大に設定すると道路中心10mの区域がNGになった。
この場合、7m道路中心10mの区域の適合建築物の設定に工夫がいる事がわかる。
先々週の解説では、この区域がNGなのは、道路中心10mには、隣地境界線際の計画建築物の塀が後退距離には参入されないが天空率計算に参入される事が原因であった。
後退距離の条文を再度確認すると
(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限に係る建築物の後退距離の算定の特例)
第130条の12 法第56条第2項及び第4項の政令で定める建築物の部分は、次に掲げるものとする。
一 物置その他これに類する用途に供する建築物の部分で次に掲げる要件に該当するもの
イ 軒の高さが2.3メートル以下で、かつ、床面積の合計が5平方メートル以内であること。
ロ 当該部分の水平投影の前面道路に面する長さを敷地の前面道路に接する部分の水平投影の長さで除した数値が5分の1以下であること。
ハ 当該部分から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものが1メートル以上であること。
二 ポーチその他これに類する建築物の部分で、前号ロ及びハに掲げる要件に該当し、かつ、高さが5メートル以下であるもの
三 道路に沿つて設けられる高さが2メートル以下の門又は塀(高さが1.2メートルを超えるものにあつては、当該1.2メートルを超える部分が網状その他これに類する形状であるものに限る。)
四 隣地境界線に沿つて設けられる門又は塀
五 歩廊、渡り廊下その他これらに類する建築物の部分で、特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況を考慮して規則で定めたもの
六 前各号に掲げるもののほか、建築物の部分で高さが1.2メートル以下のもの
この中の四 隣地境界線に沿つて設けられる門又は塀
で後退距離が参入されない。なら高さ制限適合建築物にも第130条の12の項に該当する建築物を配置すれば良い事になる。もちろん高さ制限に適合しなければならない。
この事の可否は、国交省住宅局市街地建築家編集の「平成14年建築基準法改正の解説」P14を参考に作成する。
図1-1の左側の適合建築物を確認して頂きたい。これが高さ制限の適用例とあり、下段の文章部のー「上図においては・・・(図2-1)の建築物が(図1-1)の建築物の天空率以上であるため・・・・・・建築が可能になる。
これは、高さ制限に適合していれば、窓など無用な形状を配置しても、問題無いということを表現している。
一般的には適合建築物の天空率の低下の為、高さ制限ぎりぎりで
この様に屋根面は道路斜線なりに傾斜し設定する事が一般的となる。
がその中に第130条の12の記述される後退距離の適用外で高さ制限に適合する建築物を高さ制限適合建築物に想定しても問題ない事になる。
TP-PLANNERではこの様な場合に適合建築物を直接入力する事で解決する。
「入力」「斜線適合建築物」の項目で任意入力を行う。
今回追加の適合建築物は条文にある
(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限に係る建築物の後退距離の算定の特例)
第130条の12 法第56条第2項及び第4項の政令で定める建築物の部分は、次に掲げるものとする。
一 物置その他これに類する用途に供する建築物の部分で次に掲げる要件に該当するもの
イ 軒の高さが2.3メートル以下で、かつ、床面積の合計が5平方メートル以内であること。
高さ2.3m、面積5㎡の物置相当の建物を高さ制限適合建築物として配置する。
通常通り「天空率算定領域」で高さ制限適合建築物と算定基準線を自動発生し天空率計算を行うがその前に
「天空率計算設定」ダイアログ内の「計算対象建物」「斜線適合建築物」も追加チェックし(その他は初期設定でチェック済み)「計算開始」で「均等発生」後「天空率計算」を行う。
結果は問題なくクリアー。南側8m側もそろそろ限界である事が差分グラフからわかる。
さて道路中心10mを確認しよう。
天空図を動じ表示確認すると
緑の高さ制限適合建築物の影が大きい、その為クリアーとなる。塀と物置の天空率を比較した事になる。
以上が3番目の手法。この手法を利用する場合、事前に審査側に確認し了解を得ておく事が肝要。
本日も長くなった。また来週まで休憩!