後退距離で大きく変わる天空率の可否 2 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

 本日は、忘れない様にTP-PLANNERユーザーの皆様に、ユーザー会のご案内から

下記サイトから申し込みが可能です。
http://www.com-sys.co.jp/modules/userconf/
大阪11月27日東京12月5日
です。

 比嘉は来年早々にリリース予定の「新天空率エンジンリリース案内」と「企画BIMの取り組みと可能性」を語ります。企画BIMTP-PLANNERと各社BIMソフトとの連携構想リリースロードマップを語ります。
サポートセンターのスタッフは日頃の実践例の解説。さながら比嘉ブログの実演編です。

またIAIでIFCと建築確認の仕様に取り組む鈴木からは1)IAI日本のIFC検定について    2)建築確認のためのIFCとは
の発表が有り。興味深い内容が盛り沢山です。無料です。
 会場では貴重な情報満載の小冊子を配布しますので是非ご参加下さい。

開催日がせまってきた大阪会場から埋まってきましたのでお早めのお申し込みお願いします。

 以上業務連絡でした。


本日は雨の東京。出かける時間が迫ってきた。まずは今週の活動報告から

今週は、審査する立場の方2名との天空率講座からはじまった。毎年この頃行う。

 以前より天空率においては、申請図をいかにチェックするかが課題であった。現在では、CADの屋根伏せ図を頂きCADデータをTP-PLANNERに読み込みチェックする方針に変わったとの事でした。
申請の仕様上、CAD要求は、はばかれた様で以前は、申請図をスキャニングした画像データでチェックをしていたが画像の場合精度が悪い為、CADデータを提出してもらっているとの事でした。

 天空率の場合、わずかな誤差で結果が大きく異なる事と、申請者でCADを利用しない事はあり得ないのでその様に提示してもらっているとの事でした。講座は多少時間オーバーしたが熱心に聞いて頂いた。

 木曜日は、久々の名古屋地区の不動産鑑定士の皆さんに講習。以前、比嘉の講習を聴いていただいた事があり、その事による社内導入で久々懐かしの再会となった。

 講座は1時から6時までの長時間となったが、皆さん熱心にきいて頂いた。次回の講座を楽しみにしております。名古屋では新幹線ホームの「きしめん」の立ち食いが毎回の楽しみ。早めに次回の予定をたててチョー。

 比嘉は、出張講習も行ってます。ぜひお申し込みください。



 天空率講座を開始したい。本日も長くなりそうだ。

今週も先週に引き続き、「後退距離で大きく変わる天空率の可否」のテーマで天空率検証をすすめたい。
まず前回のおさらいから,




2方向道路で狭い側、東側7mの道路斜線は後退距離が充分で




クリアーしているのだが、最大幅員8m側の道路天空率が


NGとなる為、天空率計算を行うと。



東側7m道路側がNGとなる。
原因は、東側7m道路の後退距離が広く、道路中心10mを越える。後退距離6.5m幅で設定した為に道路中心10m区域に適合建築物が存在しない状態となる。



その為、道路中心10m内の適合建築物は無しゆえ天空率が100%となる。一方計画建築物は、隣地境界側に設置された塀がありその分で若干だが空が遮蔽され99.XX%となり100%以下ゆえNGとなる事がわかる。

 この様な不合理な結果になる事例の対処法を解説している。解決は大きく分けて2通りある。

前回は、東側7m道路の適合建築物の後退距離を0mに設定する事で、道路中心10m内にも適合建築物を想定すると



道路中心10m内には塀より充分大きな適合建築物が想定された。それにより差分が8%以上の余裕の差分でOKとなった。適合建築物の後退距離を計画建築物の後退距離内で調節する事によりクリアーする方法を前回は解説した。

 ところが計画建築物の規模および配置によっては後退距離を0にするだけではクリアーしない場合がある。
 例えば

前回の手法で天空率クリアーできたので7m道路の前面に赤く表示した建築物の部分を21mから35mに高く設定し、さらに北側の隣地境界線の近くまで間口を広げた場合で検証をすすめたい。

斜線断面図は

計画建築物の7m道路側からの後退距離は同じ位置に設定した為に、道路斜線断面では適用距離外でクリアーしている。当然南側

  後退距離を最大に設定した場合は前回同様

道路中心10mの区域に適合建築物が存在しない為、NG。前回同様の対策で後退距離を0mに設定するとどうだろう。

前回同様に道路中心10mの区域はクリアーしたが最大幅員8m道路が7m道路側に回りこんだ最大幅員8m道路の区域でNGとなっている。前回より計画建築物が14m高くなり間口も広くなった為、当然の結果。

 

後退距離0mでは、高さ制限適合建築物の規模が計画建築物に比較し小さい為、天空率が増大しNGである事がわかる。さらに天空図の重ね表示で比較すると



左右の空地に対して、道路斜線を越えた計画建築物の面積が大きい事より結果には納得。

さてこの場合の対策法だ。

TP-PLANNERユーザーなら現状の後退距離0mが最適後退距離であるか否かの確認をする。つまり後退距離を調整する事により適合建築物の天空率を低く設定する事ができないかを検討してみる。

 「図法」「天空率算定チャート図」に移動し、NG幅が最大となる算定位置(この場合P19)を指定後、

赤枠で示した外壁後退距離計算の覧から「斜線適合最適値」をクリックする。この覧では、適合建築物の天空率が最もも低くなる後退距離を逆算するが、2種あり他の区域(本例では道路中心10m)を越える場合は、「斜線適合最適値」を設定する。(この手法を行う際には後退距離0mでNGを確認後、利用する事で後退距離0mからのトライアンドエラーで後退距離を算出する手法)計画建築物の規模によってはクリアーするとは限らないが、適合建築物の天空率が最も低くなる後退距離を逆算出する。

 結果は


4.985mが算出された「はい」ボタンをクリックし逆算された後退距離で適合建築物を際発生する。
「天空率算定領域」で行う。

ダイアログ内では「全境界」ボタンをクリックし発生させると、逆算された後退距離による適合建築物および算定基準線が自動発生する。(右端の表示コントローラーの指示により2Aの範囲のみの表示)。

 解析してみよう。


みごと、というか運良くクリアーした様だ。適合建築物の天空率低下で計画建築物の天空率が上回る事ができた。天空図重ね表示で確認すると


左右の適合建築物(緑部)の高さが高くなり道路斜線規制を越えた計画建築物の面積を上回る。その為、天空率クリアーした。

 いよいよおもしろくなってきた。さらに計画建築物の規模を大きくしてその可能性を検証してみよう。・・・・・・と思ったが出かける時間だ。次回にしよう。

 業務連絡をもう一つ・・・来週12日は日積サーベイさんのヘリオスフェスタ大阪会に参加しますお声がけ下さい。東京は11月19日で参加します。

 寒くなってきました。風邪などひきませぬ様。正月まで頑張りましょう。・・・hi 




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