発散規制検証2 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

4月26日土曜日
 本日からゴールウィーク突入という優雅な方は比嘉のまわりにはいないが皆さんはいかがおすごしでしょうか。比嘉はまったくカレンダー通り。ただし飛び石でも休みがあるのは嬉しい。杉花粉も終了した5月にならんとするこのさわやかな季節は気持ちが解放される。

 このところ帰宅の道々、ラジコでラジオ日経を聞くことが多い。いや経済情報を入手しているわけではない。月曜日から金曜日までの夜7時から1時間「民謡で今日拝がなびら」「みんようでちゅううがなびら」を聞いている。RBC琉球放送で50年以上続く長寿番組で沖縄方言で語りながら(ゆんたくしながら)沖縄民謡のリクエストにこたえる番組で沖縄放送界の重鎮上原直彦氏の軽妙な語りとうんちく話が楽しい。

 子供の頃その時間になるとオバーにラジオをセッティングしたお礼に黒砂糖をもらった事などを思いだす。すでにいないが明治生まれのオジー、オバーとの会話に必須の沖縄方言は子供の頃から使い慣れいまだ忘れない。帰省の際仲間との会話には勤めて方言を使う事にしている。その効果か?聞くこと語り共に不自由しない。ただし仲間は最初はなまりきった共通語で返してくる・・・がしつこく方言で語ると昔に戻り沖縄口と変わる。

  その事はさておき、なにより嬉しいのが大好きな沖縄民謡が聞ける事だ。その事だけでも価値ある番組なのでお勧めしたい。沖縄民謡はラップ、レゲーの要素ありで新しい、そして進化している。

 さてその沖縄でのユニオンシステムさん主宰のセミナーの案内と募集が掲示されているので沖縄の設計の皆さんにはぜひごお申し込みご参加頂きたい。

会場が50人弱と小規模ですのでお早めのお申し込みをお願いします。


 さて連休前の今週と来週は新人研修、企業単位の講習が多い。

午後2日間でタイトではあったが日影規制の基本からパースBIMに至るまで即戦力となるべく研修。D氏の大学の研究室は他社も含めて5年程続いている。皆さん優秀だ・!

 火曜日はプランニング研修で今週は3人の参加。写真撮影を忘れてしまった。

木金は先週から始まったU社の新人を含むTP-PLANNERマスターの為の研修。最終日と勘違いして写真撮影を行ったが来週もあるぞ!

同じ会社の別グループが金曜日


新人のEがくっつきすぎだ。来週も頑張れ!。1時から6時までで疲れたのは比嘉だけか?


 さて講座を始めたい。今週も先週に引き続き発散規制ラインと閉鎖型の規制ラインの比較をしてみたい。前回6m道路が接道する際は

逆日影チャートを設定してみても閉鎖型でも道路上のA,Bのエリアには影響はないが30m程度の道路が接道すると

閉鎖方式では道路上の規制ラインの影響を受ける事がわかる。

本日は6m、30mの接道条件下発散、閉鎖両方式で日影規制可能空間がどの様に設定されるのか比較検証してみる。

 まず6m道路の事例から逆日影計算結果を建物に変換して精度チェックをした図で検証する。TP-PLANNERでは逆日影計算結果で下図の様に日影チェックを行い精度チェックを行える。日影逆日影講座ではおなじみのカリキュラム。

閉鎖方式では

発散方式では

どうやらほとんど同じ結果だ。発散規制ラインを設定した場合でも道路巾が狭く北側の規制ラインで建物規模が確定する為、閉鎖型、発散規制いずれも同じ規制ラインの位置で確定している。逆日影ブロックの面積で比較してみると

 まず閉鎖方式が

各階床面積の総計が3103.448㎡、発散規制ラインからの逆日影結果は

3089.96㎡。ほぼ同じだが若干だがむしろ減少した。がブロック化の誤差程度と思われる事より狭い道路の場合には発散規制ラインで作図するメリットはなかった。

この日影規制の確保を指定点日影さらに半天空図で確認すると

規制時間いっぱいの2時間29分13の指定点からの半天空図で確認すると

高層幅が8:03分から10:32分までの時間幅でおさまり高層巾を超えた建物の部分は太陽高度以下の高さに設定されている事がわかる。


 次に30m道路が接道する事例で同様に検証すると

まず閉鎖方式では

あきらかに道路上を横断した縦方向の規制ライン上に2時間半の等時間線が作図されてい事から道路上の規制ラインの影響を受けている事がわかる。そしてその事により建物規模は制限され北側の道路を越えた10mラインには届かない余裕の状況となる。

 この事は閉鎖方式では道路上に規制ラインが作図される為、その道路を横切る規制ラインで建物規模が確定するという政令第135条の12

(日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和)
第135条の12 法第56条の2第3項の規定による同条第1項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、次の各号に定めるところによる。
一 建築物の敷地が道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合においては、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する敷地境界線は、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの幅の2分の1だけ外側にあるものとみなす。ただし、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの幅が10メートルを超えるときは、当該道路、水面、線路敦その他これらに類するものの反対側の境界線から当該敷地の側に水平距離5メートルの線を敷地境界線とみなす。

つまりこのタイトルにある建築物の高さ制限の緩和になってない事がわかる。

発散規制ラインによる結果は

道路上の規制ラインが無い為この事例では2時間半の時間幅で北側の規制ライン上ギリギリの位置まで有効に延長されている。この場合(日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和)

が充分機能した結果である事がいえる。結果を上下で並べて比較してみると

下段の発散規制ラインが規制ライン限界までのびている事がわかる。規制ラインの位置をこえるか否かで日影規制の可否は判断されるが、その規制を有効に利用する場合、下段の様に設計する事が設計者の努めではないか。6m道路閉鎖方式の結果を再度表示すると

この様に規制ラインを越えない程度に建物規模を制限する事が日影規制の考え方だ。

可能空間をブロック図の床面積で比較してみると

閉鎖方式の場合、

総床面積4779.509㎡となった。これに対して発散方式による逆日影計算結果のブロック図では


5432.969㎡と10階に限定した結果だが653㎡増加する。階数が増すに毎にその差は広がる。

等時間日影を1時間と2時間をさらに付加した比較では

道路から北側をの影の部分、時刻日影の外周の面積を比較してみると

閉鎖方式の場合9480.269㎡、発散方式では10582.515。この差を大と考えるのか(日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和)第135条の12 により当然とするか135条の12そのものを再考察する必要がありそうだ。

長くなった本日はここまでとしょう。次回も検証を続けます。飛び石連休をお楽しみ下さい。Hi





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