12m以上の道路天空率は要注意56条3,4項 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

10月27日土曜日朝 おはようございます。
 東京はすっかり秋。明日は全国的に雨模様との予報。本日は早めにブログを書き込み都内の秋模様をチャリで散策する予定だ。

 今週ビックリしたのが石原都知事の突然の辞任発表というか、国政復帰発言。御年80才。記者に年齢の事を聞かれ「何でオレがこんな事をやらなけゃいけないんだ!、若い者しっかりしろ!」と一括。この場合の若い者というと50代以上の政治家をさすと思われるが確かにぴりっとしない。

 歯に衣着せぬ発言、仮想敵を想定した語りは明快で橋本氏同様分かりやすい。最近はやりのプロレスのマイクアピールの様に観客を興奮させてもくれる。それだけに一方の方向に加速される恐れを感じる。冷静に発言の真意を確認し判断したい。

 日本の政治家がなさけない状態になって久しい。ただどうやら、日本だけでも無い。中国、韓国はもとよりアメリカの大統領選挙の公開討論をみていても相手の揚げ足とりで日本の政治家とさほど程度の差は無い。単に日本人らしいという国民性の違いだけと思えてきたのが今日この頃。

 これも情報化社会で地球の裏の社会のさらに裏の情報までインターネットで気軽に知る事ができる事からだろうか?。いい加減な気持ちで政治家やってもらうと大臣になってもすぐにやめる事になりかねない。さりとて一部の隙もなくスーパースターでいられるのは不可能。・・と妥協してはいけない。若手政治家の奮起に期待する。なにも悪くない国民に困難な現実がある。

 今朝NHKで放送された「終戦、なぜ早く決められなかった!」をビデオでみた。

 英国の国立公文書館の公開資料により日本はソ連の参戦を終戦前の早い時期に知っていた事がわかった。
 事実を海外武官の情報によりいち早く知りながらメンツ優先で敗戦を決断できない軍部、軍部の情報を馬鹿にし信用しないまま後手にまわる外務省。

 組織、省益を優先し国民の事をまるで考えていなかった事がわかった。縦割り行政による判断の遅れが終戦間直の広島、長崎、ソ連参戦などで60万人の人命が奪われたという。この数にはすでに占領された沖縄を除く。なにも悪くない国民が犠牲になった。

ぜひNHKアーカイブスで確認して頂きたい。リーダー不在から陥る極端な国の形が確認できる。

 さて今週は、日影逆日影の勉強会で2名の女史の設計の皆さんに参加して頂いた。
終了後のホット一息のパチリ。

左から、ムラオ、フッケの各氏。今回は2名の参加でじっくり解説させて頂いた。ムラオさんは、実施設計から企画への移動でTP-PLANNERのリハビリ。フッケ女史は天空率講座に引き続きの参加。これからの活躍を期待しております。

 来週からセミナー三昧になる。その様子は多少派手にお伝えしたい。

さて天空率講座だ。その前に前回の復習から行う。

 前回は日影規制NGの事案を規制ライン発散に変更した逆日影を行いクリアーしその結果の検証までを行った。今回は逆日影の結果により天空率を解決する。まず逆日影の等高線から建物をカットする。

これが逆日影の結果だ。この等高線をガイドに建物をカットする。

建物北側を日影時間幅でカットする。この結果で日影を確認すると

日影規制による最大のボリュームが算出される。

 今回北側の建物幅がカットされたわけだが結果的に北側の道路の前面に空地が確保された事になる。・・・・・そうだ。この空地は天空率にも当然有効に機能する。

 道路斜線の断面は前回提示したように

大きくNGだ。日影規制による幅カットが効く事は間違いない。

 その前に水路に面した隣地の天空率を確認する。

 このところサポートセンターには隣地に面する水路の設定法の質問が数件寄せられた。不思議なもので同じ傾向の質問というのはよく続く。

 算定位置は、本来の隣地境界線からこの場合住居系ゆえ16mの位置に基準線を設定し8m以下の均等間隔で配置する。算定位置に関しては水路の有無を考慮しない。

 水路の有無は適合建築物の想定に考慮される。

 水路中心を隣地境界線として後退距離を想定する。これはかなりの緩和だ。隣地斜線でもわずかにNGゆえ天空率でも問題ない。


 さて話を戻して道路天空率だ。結果を確認すると

南側の区域が3区分されている。」これは何?なにしろTP-PLANNERでは自動で法解釈して区分してくれる。その区域を検証しよう。


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外出する時間だ。この検証は明日朝にしよう。ではそれまで休憩!

10月28日 日曜日早朝。
 昨日は、午後4時頃よりかねてより気になっていた環状6号線、通称山手どおりのチャリ散策に出かけた。というのは道路拡張で自転車道ができたらしいのだが池袋からどこまで自転車道が続くのか気になる。目白通りあたりを起点に調査を開始した。

 

 これは、中落合のあたりだが、左の歩道に右の自転車道。これが山手通りの左右に拡張された。山手通りと比較しても充分広い事がわかる。この何年か工事中だったがステキな自転車道で快適だ。

 渋谷の神泉あたりで工事中で途切れた。そのまま旧山手通りを直進し代官山に向かった。代官山のあたりでは日が暮れて殆ど夜。おしゃれすぎてめったに来ることはないので記念にパチリ

 これが有名な蔦屋書店。おしゃれな若者で一杯だ。思わず我が身を振り返るとおしゃれとやらに縁遠い事がわかる。

 すっかり自転車に乗ったお上りさん状態できょろきょろしているうちに國學院大學のあたりにでてしまった。寒くなったところで家路を急いだ。久々だったが快適でした。

 次回は新山手どおりを直進しさらに自転車道の調査をしてみたい。
講座を再開するつもりでいたが本日、車でお送りの用事がある。戻りしだい再開しよう。

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さて道路天空率から再開だ。道路天空率の結果で

南側の10m道路に面した敷地の部分が3区域に区分されている。その事を検証しよう。
条件を再度確認すると北側に15m道路、南側に10m道路が面している。

前面道路が2以上ある場合は、
2以上の前面道路がある場合)
第132条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(幅員が4メートル未満の前面道路にあつては、10メートルからその幅員の2分の1を減じた数値)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
3 前2項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。


132条で区域が区分される事。

さらに今回はこの部分がポイントだが
3 第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が12メートル以上である建築物に対する別表第3の規定の適用については、同表(に)欄中「1.25」とあるのは、「1.25(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に1.25を乗じて得たもの以上の区域内においては、1.5)」とする
4 前項に規定する建築物で前面道路の境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは「前面道路の反対側の境界線から当該境界線から当該建築物の後退距離(・・)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。以下この表において同じ。)に相当する距離だけ外側の線」と、「前面道路の幅員に」とあるのは「、前面道路の幅員に、当該建築物の後退距離に2を乗じて得たものを加えたものに」とすることができる。


56条の3項で住居系のそれらの区域において前面道路が12m以上の場合、前面道路の幅員に1.25倍以上の区域においては道路斜線の勾配を1.5とする。4項では後退距離の2倍を前面道路に加算してその区域以上の勾配を1.5とする事ができる。とある。

 南側の道路は政令132条と法56条4項を適用すると3区域になる。この事を検証したい。
まず北側の15m道路の場合は

(後退距離=3.068m)×2+15=21.136 この値の1.25倍は26.42m以上の区域は1勾配が1.5となる。ところがこの場合容積率300%ゆえ適用距離25mで打ち切られる。その為1.5勾配の区域は存在しない。この部分は132条の1項の最大幅員の区域。


 次に狭い道路10m側。まず132条の2項の区域が

狭い道路10mの道路中心10mの区域で区分される。

さらに132条の1項の「前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域」

区分される。そこでは適用距離25mではなく23.375mで区分される。検証しよう。
後退距離が1.85mゆえ (1.85×2+15)×1.25=23.375m<25m適用距離内にある為、この区域までが1.25の勾配で区分される区域。その距離以上適用距離までが


この様にせまい区域で区分されその部分は1.5勾配となり商業系同様の適合建築物となる。


この部分はできる規定となっており1.5勾配の区域を無視する事例がみられる。がTP-PLANNERでは「境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については」とあり後退距離の適用に関してのみ「できる規定」だと判断しこの区域が自動区分される。注意して頂きたい。
自ら区域を想定する場合ほとんどこのこの区域が無視してしまう事が多い様だ。気をつけたい。

 日影規制と天空率が連動する例題を作成していたら思わずこの様56条、3,4項で区分される区域が発生し解説する事とした。

 本日はここまでとしよう。次回はバルコニーの下抜けを考慮する事により天空率が変化する事を三斜求積図の作成法も含めて解説したい。では次回までお元気で!



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