魚眼レンズで天空図を表示する:地盤とは?:沖縄から | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ


8月13日(土)
本日旧盆の中日。現在沖縄におります。夏休みだ。
東京の猛暑をぬけて到着した沖縄は、ことのほか涼しい。
今週は沖縄から発信したい。

 今週は、なんといっても日韓戦の香川だ。
得意の密集から抜けてのさわやかな得点。堪能した。
なにより、ケガがなくてよかった。予選は近い。

 欧米の株安の影響をまともに受けた最近の日本経済。
他人の会社の株を持つ能力などない・・がその浮沈に日本がもまともに反応する。
心配症民族だ。良い塩梅に収まってほしいものだ。

 今回の日本の株価はしっかり9000円前後で踏みとどまっている。
大丈夫だ。日本の底力がワールドクラスで散見される様になった影響か?。
なでしこ、香川、そしてIPS細胞の作生の基本特許がアメリカで成立などなど・・。
感謝したい。東北のみなさんはもとより日本中に元気を与えてくれたのでは・・。

 新総理も近々誕生で仕切りなおしの行程にはいった様だ。・・・が
その世界、政界がなさけない・・・。もっとも欧米も大したことなかった。
オリンピックおたくの比嘉としてはロンドンが気になる。

 グローバルスタンダードなどの欧米追随型ビジネスも色あせてきた。見直す時かもしれない。

政治経済はNHKにおまかせするとして比嘉も得意な分野で皆さんに貢献したい。
*セイジといえば小沢征爾。本格復帰の嬉しい知らせ。TVだが入院前の表情動きが
戻ってきた様だ。元祖ワールドクラス。セイジオザワは世界の宝。


 横道にそれそうになったが天空率講座始めるヨ。
今回はビデオ解説付きだ。
では開始!

 前回は、通風、採光圧迫感等を確保する指標として天空率がある事を解説した。
若干補足すると、天空率をそれらの環境指数として利用する理由に
人間の視野角との親和性がある。圧迫感に着目して考えてみよう。

 通りの反対側を歩く人の視野にはいった建物による環境を考えてみる。

人の視野角は、個人差があるが、左右方向に広く120度程度

仰角が45度程度らしい。

 魚眼レンズに映り込んだ建物の影は、建物幅が天空図の横方向の影面積

建物高は、天空図の中心の天頂方向に影響を与える。

 建物高は、建物が道路を越え、魚眼レンズ上に重ならない限り天頂を越えない。

その為、どんなに高い建物でも天頂を越えない。

敷地内に建った建物の影は限りなく天頂の位置に近づき

長方形の建物は高層になるほどその先端が細く映り込む。

つまり同じ体積の建物では、縦方向に設定した建物の方が天空率が大きくなる。

実験してみよう。まず下記、動画サイトで比嘉の解説をみてほしい。


実験の様子は動画で


さて実験結果をまとめてみよう。


20m×20m×45mの直方体を横、縦に配置し重心位置の延長上で

天空率率を比較してみる。

天空図は

縦長直方体の建物が79.621%で横長建物78.165%を1.456%上回る。


20m高(約7階)の建物で敷地いっぱい(45m)に配置されるより

高層建物(45m約15階)の建物が20m幅で設定した方が同じ敷地なら

通常目線(水平:見上げない)では、圧迫感がなく風通しも良いとなる。

さらにたとえると、同じ敷地幅なら敷地いっぱいの20m塀の前

を横切るより空地を充分とった高層建物の前が風どおしは確かにに良い。

*塀を刑務所の塀とするとリアル感が増すが別の意味の圧迫感となる

ので各人イメージを適度に設定する事。

採光も建物幅が狭ければ良と考えられる。

 天空図を環境指数として採用する理由は、以上の事による。

以上が前回までの補足だ。



今回より、天空率による具体的な比較法が規定された施行令135条の5の

読み解きから解説したい。

(天空率)
第135条の5 この章において「天空率」とは、次の式によつて計算した数値をいう。
Rs=(As-Ab)/(As)
この式において、Rs、As及びAbは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Rs 天空率
As 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球(以下この章において「想定半球」という。)の水平投影面積
Ab 建築物及その敷地の地盤をAsの想定半球と同一の想定半球に投影した投影面の水平投影面積

天空率RSの計算式は前回解説したのでここでは省略する。

今回問題にしたいのが建物の影Abは、建物および建物の敷地の地盤とある。

地盤の定義を基準法で確認すると無い。ただし地盤面はある。

一般的に地盤面以下を地盤と考えるのが通常だと思うが

この解釈を地面そのものとする考えが一部にある様なのでその事の

是非を考えたい。

まず最初に地盤を含めない無い場合天空図がどの様になるかを

検証してみる。

なんの事はない、上図の様に地盤が抜けると建物の下面から空が見える事

になり、現実的でない事がわかる。その為に地盤を設定する。

赤枠の地盤と建物を合わせた影をAbとする。

地盤は、計画建築物、適合建築物ともに同形状を設定する為、天空率の

低減率は同じになる。いわば痛み分けでどちらに有利になる話ではない。

審査法の、三斜求積において内接外接処理から地盤の幅の分計画が不利となるが

これは安全側処理の為やむなしとしよう。

 では、その地盤の定義を基準法に求めると地盤面はあるが「地盤」の

定義は記述がない。(わずかに構造においてその材質を問題にする為に

地盤を用いているだけだ。)

今回はこの地盤をともに検証していきたい。

と、開始直後で申し訳ないが、どうやら本日は兄弟でビーチパーティーらいしい。
出かけなきゃ。

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ビーチパーティーの予定だったがお盆の最中に海に行くと海に引き込まれて

しまうとの事で急遽庭でバーベキュー大会となった。

予定の変更には柔軟に対応できる県民だ。

 家族とのパーティーの後は、小学以来の親友のYI夫婦と遅くまで

泡盛を酌み交わす。沖縄を満喫。


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さて再開しよう。
天空図の影Abは建築部分と地盤を合算し考える。計画建築物
適合建築物それぞれに同形状の地盤が加算される。
その為、そのことによる有利不利はない。
建物の下側から空が見え無い為の配慮にすぎない。

  今回この事をあえて問題とするのは「起伏した地面そのものを
「地盤」として設定するのでは?」との質問がサポートセンターに
寄せられた。その是非を検証したい。

 「東京都安全条例」の中に日影規制の平均地盤面と従来の地盤面との
関連を解説する記述と挿絵があった。
 P304 から
この平均地盤を定義すれば「建築物が周囲の地面接する位置の平均の高さに
おける水平面」となる。従来の地盤面(令2条2項)と比較すると建築物が周囲の
地面と接する位置の高低差が3
以下の場合には、平均地盤と一致するが、
その高低差が3
を越える場合には、地盤面が3以内毎に複数設定されるのに
対して平均地盤面は一になる



 施行令2条2項は

2 前項第2号、第6号又は第7号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3メートルを超える場合においては、その高低差3メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいう。



3m以内の高低差を有する場合
「平均の高さの求め方は、平均地盤も地盤面も同じである。」
とまとめられている。


建物外周部と接する地盤の平均高を求める。その平均の高さの位置を

地盤面とする。さらに

地面地盤面を分けて記述、図示されている事に注目する。
これは、日本建築行政会議編集の「基準総則集団規定の適用事例

でも

地面と地盤を使い分けている事がわかる。

 地盤面は、道路面と敷地の地盤面に高低差がある場合

法56条6項にある「・・・建築物の敷地とこれに接する道路もしくは隣地面と

の高低差が著しい場合・・規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。」


とありその政令が


道路面と敷地の地盤面に高低差がある場合)



第135条の2 建築物の敷地の地盤面が前面道路より1メートル以上高い場合においては、その前面道路は、敷地の地盤面と前面道路との高低差から1メートルを減じたものの2分の1だけ高い位置にあるものとみなす。



つまり、道路面の高低差は、地盤面との高低差により確定する。
例えば

この様に傾斜した地面に接した道路の場合、平均の高さ地盤面を

算出し

道路の面の高低差は地盤面からのHで確定する。

(*上図は1m以上の高低差がある為緩和が適用されている)



条例で地盤面を別に定める場合の基準)


第135条の15 法第52条第5項の政令で定める基準は、次のとおりとする。

1.建築物が周囲の地面と接する位置のうち最も低い位置の高さ以上の高さに定めること。


2.周囲の地面と接する位置の高低差が3メートルを超える建築物については、その接する位置のうち最も低い位置からの高さが3メートルを超えない範囲内で定めること。


3.周囲の地面と接する位置の高低差が3メートル以下の建築物については、その接する位置の平均の高さを超えない範囲内で定めること。


条令で定める場合においても地面そのものではなく

「最も低い位置以上の高さに定める事」

いずれにしても水平面で地盤面は設定される。



さて地盤だがウィキペディア 建築基準法内未定義用語

に下記の記述がある。タイムリーなので参考にしたい。

・敷地の地盤
用例:建築物及びー(令第135条の5)
敷地の形状を上面とした立体のこと。 天板(上面)が地盤面の位置、底面は無限大の位置をもった土台である。 なお、建築物と地面の接する位置の3m以内ごとの高低差の平均が地盤面である。 また、起伏をもった敷地の表面(地表面)のことではない。
引用:令第135条の5など

これを図解すると


起伏地面を有する敷地の地盤は、上図の様にモデル化して考える事が

合理的だ。道路面そのものも傾斜する事が通常だ。

その際に起伏を持った地面では、その値が確定しない。


以上の事で地盤を地盤面以下とする事が文理上、運用上も合理的だと思われる。

最後に地面を地盤に置き換えて天空率解析する際の不合理例を提示し

今回のまとめとしたい。

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と思ったが、

沖縄旧盆は親戚まわりもしなければならずまたまた中断だな。

ネタ画像も仕込まなきゃ

休憩   皆さん夏休みを堪能して下さい。

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8月15日

本日も仲間のおさそいゆえ講座は休講です。17日ころ続きを行います。

・・・と思ったが予定時間が変更になった講座を再開!

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続けよう

日本建築行政会議編集の「基準総則集団規定の適用事例
」に道路面が低い
場合の後退距離の考え方が図示されている。

ここでは地盤面から道路面までの差Hの場合1mを越える場合(H-1)/2で

Aの位置が確定する。Aから塀の頂点Cまでの高さにより後退距離が①②の条件

の際aとなる解説だ。

今回はACが2mを越える事例を考えてみる。後退距離は塀の位置までで0m。


この図でお気づきだろうか?地面を地盤として置き換えて適合建築物を

想定する事がすでに自己矛盾を内包する。

地面の形状が斜線規制をオーバーしている為だ。

そもそも地面は斜線規制の対象ではない。

地盤とは地盤面以下の部分だ。このあたりでよいかナ。


 いわゆる斜線規制においては、斜線以下に建築物を

想定すれば可とされたが、天空率においては地盤が影Abに含まれる為、

その定義を明確にする必要がある。

 さて今回はこれで終了としよう。次回までお元気で!

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