私の見ない夢②/「ブレードランナー2049」(ネタバレ) | ★ワルプルギスの夜★

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つれづれなるままに・・

注)この記事は『her/世界でひとつの彼女』の
ネタバレを含みます


ブレードランナー2049は、実に緻密につくり上げられていて
映像こそ前作を引き継ぎ、更に現代の技術を駆使した
素晴らしいものを見せてくれたし
そこに載せられたハンス・ジマーの曲も実に美しい

けれど、何か大事なものが決定的に違っている
観ている間は、それが何なのか、
どうしても分からなかった

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帰宅して、旧作(ファイナルカット)を観終えて思った
この世界は、私が繰り返し見る夢と繋がっている

行き先も搭乗時刻も分からないまま
待ち続ける夜の空港のロビーや
乗ると目的の階のボタンが無いエレベーターが
存在している迷路のような巨大なビルや
乗りたい列車のホームが決して見つからない駅など

目覚めてホッとする夢は、デッカードがうどんを啜る
あの世界と同じ空気がいつも漂っている

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しかし、2049には全くそれを感じない
私の見る夢とは違う世界なのだ

それでは、前作への思い入れを取り払って
新しい一つの作品として2049を考えてみたらどうだろう

実は、私は『her』と言う映画がどうも苦手なのだ
女性との関係が上手く構築出来ない主人公が
AIの女性と恋に落ちるが、やがて献身的だった彼女も
驚異的な早さで進化して主人公の元を去って行く

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この作品の中で度々出て来くる
AIの彼女と主人公のセクシャルなシーンが
ハッキリ言ってキモかった

2049にも『her』によく似たシーンが出て来たので
「ヤメテ、ヤメテ!!」と心の中で悲鳴を上げてしまった
肉体を持たないAIの彼女が
主人公とリアルにコネクトしたくて
代理の女性の身体とシンクロして思いを果たそうとする
『her』のように、すんでの所で回避されるものと
油断していたけれど、アカンかった汗

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でも、結局ゴズリンのKはレプリカントなのだ
人間がAIたちと3Pした訳じゃないと
無理矢理自分を納得させて先のストーリーに没入した

実は、このAI嫁のアニメ顔のビジュアルも
私の中のブレランの世界観とは違和感が有った
ゴズりんの相手役としては、童顔・丸顔タイプの系列で
合っていたけどね、

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そして、全くの余談になるけれど
Kがステリン研究所を訪ねる場面でナゼか私は
SHERLOCK4の貞子(←違います、ユーラスです)との
対面シーンとデジャブになってしまった
(^^; アナは、良いコだけど

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2049の中で個人的にどうしても、腑に落ちない部分が有る
レプリカントの製造目的は危険な場所での作業や
利便性・娯楽など人間の都合によって作られた
精巧なアンドロイドと認識していたので
目的にとって不都合な要素となりかねない生殖機能は
当然組み込まれていないものと考えていた

(目玉はアヤシイ中国系の学者のオッサンが
その他のパーツも、セバスチャンが作ったと言ってたし)

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では、レイチェルだけ特殊な仕様だったのだろうか?

しかし、成功例とは言え、免疫不全と言う
リスクを持った個体しか生まれていない上に
完璧な容姿を持つ成人の形で製造出来るレプリカントを
成長するまでの工程で育児等の手間と時間を掛ける
「生殖」と言う生産方法に切り替えるメリットが
どうも飲み込めないまま終わってしまった

どこかで、その説明が有ったのを
私は見逃したのだろうか

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長い上映時間を違和感と疑問符で埋め尽くされながら
見終える寸前に、そのシーンは救いの様にやって来た

鳩が飛び立つロイの最期と自然にイメージが重なる
舞い落ちる雪の中、Kが安らぎに身を委ねる場面

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ブレードランナーと言う用途の個体にしては
ロマンチストでナイーブ過ぎる彼の個性は
アナ・ステラインのダミーとしての記憶が
その感受性を育んだのか

アナに父親を引き合わせる役割を果たした時、
不条理で理不尽な事だらけの彼の人生は
少しは報われたのだろうか‥

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