てっきり、主人公の名前かと思っていたら違ってた
ストレス解消のクスリの使用は
まだコントロール可能な範囲で
いつかは、人生を建て直せるように考えていたものの
一度ドラッグに溺れた者は気付かぬ内にズルズルと
抜け出せない深みにハマっているのだった
ある日、彼がコーチをしているバスケットチームの
試合の後、密かにトイレでハイになっているところを
メンバーの一人に目撃されてしまう
取り繕う事も、立ち去る事も出来ないまま
その場を動けずいる彼を黙って介抱した生徒のドレイ
毎日生徒と対峙する事によって
ギリギリ、小指の先一本で崖の縁に留まっていられる
そんな精神状態のダンが一番知られたくない相手に
最悪の醜態を晒してしまったのだった
しかし、ドレイもまた、元ドラッグディーラーの兄が
現在収監中と言う、薬物に侵食された状況にあり
ダンの私生活の実態を誰にも暴露する事なく
授業から数日間姿を消していたものの、その後は
いつしか、教師と教え子、男女の関係を越えた
奇妙な友情関係の絆で結ばれていく
現在収監中と言う、薬物に侵食された状況にあり
ダンの私生活の実態を誰にも暴露する事なく
授業から数日間姿を消していたものの、その後は
いつしか、教師と教え子、男女の関係を越えた
奇妙な友情関係の絆で結ばれていく
ドレイ役の子が、女子生徒と言うより
少年の様なベビーフェイスと言うところが
この作品をベタな展開に流れさせる事なく
実に好ましい
逆にアンソニー・マッキーがドレイの兄の親友役で
なにくれと無く、彼女の面倒を見ているが
彼もまたドラッグディーラーの一人であり
『ムーンライト』の様な展開を期待していると
終盤裏切られたような、残念な気持ちになってしまう
少年の様なベビーフェイスと言うところが
この作品をベタな展開に流れさせる事なく
実に好ましい
逆にアンソニー・マッキーがドレイの兄の親友役で
なにくれと無く、彼女の面倒を見ているが
彼もまたドラッグディーラーの一人であり
『ムーンライト』の様な展開を期待していると
終盤裏切られたような、残念な気持ちになってしまう
また、ポスターや予告動画からの印象で
一度堕落した者が、何かを切っ掛けに力強く再生し
生徒と共に希望に向かって歩み出すと言った作品を
想像していたら大きな間違いだった
人はそんなに劇的に、すぐに変われるものでは無い
しかし、誰かをどん底に引きずり込む原因が
一人の人間だとしたら
また、そこから救い出せるのも
他者との関わりに他ならなかった
そこから、更に悲劇的な状況に転げ落ちて行っても
何ら不思議の無いシチュエーションから
二人は、互いの中にある「何か」を見落とす事なく
ゆっくりと、手を貸し合いながら立ち上がろうとする
そんな、微かな兆しが見えるところで物語は幕引きとなる
血の繋がりや、人種、年齢、性別などを超越して
それぞれが、相手を気遣わずにはいられない関係に
気付けば、じんわりと涙ぐんでいた
ハーフネルソンとは、プロレスなど格闘技で
片腕を羽交い締めにするのがその技の名で
両腕とも取られるのがフルネルソン
自らの弱い心や不幸な境遇に片腕を押さえ込まれても
ハーフネルソンならば、まだ挽回の余地が有る
そんな意味のタイトルなのだろうか
<オマケ>
ゴズりんは、単にイケメンと言うだけじゃなく
その表情が、強烈に卑怯な武器なのだ
『ハーフネルソン』は『ブルーバレンタイン』の
監督の作品だけあって、あのハゲ上がった風貌の
アル中役のゴズりんですら、涙を誘わせたのだから
若く青白い肌のゴズりんが、寝癖だらけの後ろ頭で
クスリ漬けのヨレヨレの落ちぶれ果てた姿でも
その八の字眉がどれだけ女心をトリコにするか
よーく、分かっていらっしゃる
とりわけ、愛犬・愛猫の喪失感に
打ちひしがれたゴズを誰が見捨てられようか‥
よーく、分かっていらっしゃる
とりわけ、愛犬・愛猫の喪失感に
打ちひしがれたゴズを誰が見捨てられようか‥
そんな彼は、レプリカントを狩る姿よりも
雨に濡れて鳩を飛ばすシーンの方が想像しやすい
しかし、もし人間以外の女性と恋に落ちる役だとしたら
やはり、ゴズりんの右に出る者は
いないかもしれないな
やはり、ゴズりんの右に出る者は
いないかもしれないな