人生意気に感ず「健康産業協議会の意義。在宅の社会力。解散の大義」
◇県は「次世代ヘルス産業協議会」を設立した。ヘルス産業・つまり健康産業の創業等を支援する。健康産業の育成は国が昨年末に打ち出した。国と地方の連携によって実態が出来実りあるものになる。協議会設立は都道府県で全国初。県民の健康寿命を新産業が支える。
協議会は産学官と医療・金融の各団体が参加。事業家を目指す個人や企業を経営資金両面から支援する。新産業の例として、健康と旅行を結びつけた「ヘルスツーリズム」や「高齢者向け健康増進トレーニング」がある。国は食品製造、家事代行などあげている。
超特急で高齢化が進む中で、介護や支援を要する高齢者が増えている。公的制度で支えるには限界があり民間活力の活用が不可欠である。この分野の新産業創出は「地方創生」の重要な一環となる。上昇気流に乗りつつある群馬にふさわしい取り組みと考える。
◇日本の借金は国内総生産(GDP)の2倍超。先進国で最悪である。そのため、国は「医療から介護」、「施設から在宅」へのシフトを急いでいる。 私は「施設から在宅」は、日本社会の伝統に合致した理想の姿だと思う。しかし、核家族化、地域社会の崩壊、支えあう精神の委縮等のため在宅を支える「社会力」が日々衰えている。
社会の流れに任せていたら大変なことになる。国と地方が連携して、システムを作らねばならない。国は、家庭の事情などで長期に病院にとどまる「社会的入院」を抑える方向だが、国民の間には介護不安が広がっている。 健康長寿の増進、ボランティアの活用、関係職種の連携、健康産業創出の支援等、国や県は調整役を果たさねばならない。「健康産業育成協議会」の設立もこの方向を支える施策である。
◇消費税増税は高齢社会を乗り切るために不可欠。この総論は理解できても身近な各論になると皆反対するから、これを打ち出すと、選挙に負ける。解散・総選挙が近い。その目的は国民に信を問う、つまり国民の意見を聴くことだ。何を聴くのかははっきりしない。解散に大義があるかと批判の声。「勝ちすぎた自民にお灸を」などという声は怖い。安倍政権は薄氷の上で勝負に出ようとしている。株価の上昇はいつ反転するかわからない。しかし、野党は無力である。安倍首相には、日本のために、解散の目的を普通の国民に理解できるように語って欲しい。日本は累卵の危機にある。 (読者に感謝)