妻の役割(37) | 夫の知らない妻

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官能小説「他人に抱かれる妻」別館です。

「あそこに見えるコテージでランチをとりましょう」

 

前の車で、ハネスが4人にかける声が私の耳に届いた。

 

だが、彼らはランチになど興味を示さず、妻の体を弄ぶことに没頭している。

 

「奥さん、上手になりましたね、腰使いが」

 

「そんなこと言わないで、北原さん・・・、あっ・・・、あっ・・・・」

 

助手席からいつしか後部座席に移動した北原の上で、妻の肢体が前後に動いている。

 

妻の甘く、短い喘ぎ声が、男たちの興奮を一層高めているようだ。

 

「奥さん、ほんといい体してますね」

 

行為を終えた橋口が、更なる欲情を覚えたかのように、妻の胸元に手を伸ばす。

 

北原と愛し合う妻の唇は、宮野に濃厚に吸われている。

 

次第に高まる妻の息遣い。

 

妻の肢体が何度かびくっと震え、その指先を北原の背に食い込ませる。

 

最後の瞬間まで、妻は宮野とのキスを止めることはなかった。

 

「ああっ、私・・・・」

 

「奥さん・・・・」

 

そして、北原と妻は同時に昇り詰めた。

 

「皆さん、ビールを用意していますよ」

 

前方を見つめたまま、ハネスが男たちをなだめるようにもう一度言った。

 

「サファリの真ん中でビールを用意したのかい?」

 

橋口がもの欲しげな口調で興味を示した。

 

「ええ。奥様と一緒の席でお楽しみいただければ」

 

ダメを押すように、言葉を重ねるハネス。

 

やるじゃないか、ハネス。

 

その調子だ。

 

「おいみんな、奥さんとビールをいただこうじゃないか」

 

橋口の言葉に、二人はそれぞれ満足げに同意の言葉を口にした。

 

空には相変わらず雲一つ存在しない。

 

灼熱の太陽が照りつける大地の向こうに見える、小さなコテージ。

 

白い土壁が眩しく光るその建物には、小さな階段を使って中に入るようだ。

 

やがて、2台の車はコテージの前に到着した。

 

前の車に乗っていた妻、そして3人の男たちはなかなか降りてこない。

 

夫である私に自分たちの行為を悟られないよう、素早く衣服を整えているんだろう。

 

あいにく、全てこちらはお見通しなんだが。

 

私はそんなことをつぶやきながら、前の車から一人降りたハネスのもとに近寄った。

 

「好きにやってたみたいだな」

 

「ボス、見てましたか、全部」

 

「音声もしっかり聞き取れたよ」

 

「許せませんね、あいつらは」

 

「まあ、最後のお楽しみだろう、ハネス」

 

「ええ」

 

そして、橋口が少しバツが悪そうな表情で姿を見せた。

 

「橋口さん、どうでしたか、妻は」

 

「えっ?」

 

「皆さんと楽しくおしゃべりしてたでしょうか」

 

「あ、ああ・・・・。いや、奥さん、いい女だねえ、中川君」

 

「ありがとうございます」

 

自らの正体をバラしてしまうような橋口の言葉をやり過ごし、私は素直に答えた。

 

やがて、妻が宮野と一緒に車から降りてきた。

 

タンクトップにホットパンツというセクシーな服装に、一切乱れはない。

 

「あなた、皆さん、朝から酔ってらっしゃるみたいで」

 

「仕方ないさ、佐和子。せっかくの休日だ。引き続きしっかりもてなしてやってくれよ」

 

「ええ」

 

3人に交互に抱かれた妻の肉体は、激しい興奮の余韻を示すように火照って見える。

 

上気したような妻の表情に、夫とは別の男に抱かれた快感が確かに漂っていた。

 

「さあ、ランチにしましょう」

 

私たちはコテージに入り、ランチを楽しむことにした。

 

皆さん、たっぷりとビールを飲んでもらおうか。

 

冷えたビール瓶が、何本もテーブルに並んでいる。