映像は想像以上に鮮明だった。
「ハネスのやつ、いい仕事しやがって」
強いウイスキーを舐めながら、私は画面の中で繰り広げられる映像を凝視した。
それは、私が出張に出発した日の夜だった。
午後9時を回った頃。
記録されているのは自宅のリビングルームだ。
ハネスが密かに設置した複数のカメラが上方、或いはサイドからリビングの様子を捉えている。
「凄く美味しかったです」
リビングに姿を現した妻が、背後にいる誰かにそんな声をかけた。
私が知らない膝丈のワンピース姿の妻。
男をそそるように胸元が大胆にカットされ、夫である私が自慢する美脚も惜しげなく曝け出している。
夫が出張で不在の中、こんな服で肢体を包んで、いったい誰とどこに・・・・
だが、おおよそのことは私には簡単に想像できた。
そして、想像が正しいことを映像が教えてくれる。
「奥さん、まだ飲み足りないでしょう」
「知らなかったなあ、奥さんがあんなにお酒好きだなんて」
「今夜は旦那もいないし、ここで二次会と行きましょうよ」
橋口、宮野、そして北原の3人が、立ったまま妻を取り囲んで誘っている。
「まだ飲むんですか、皆さん」
そんな言葉を返す妻の表情はほのかに赤く染まり、その色気が一層高まっている。
「ほら、ワインがここにありますよ、奥さん」
宮野がワインボトルを差し出しながら、妻のくびれた腰に腕を回す。
「宮野さん、もう酔っちゃったんですか?」
そんな言葉を漏らしながらも、妻はうっとりとした視線で彼を見つめる。
「興奮してるんでしょう、奥さん」
耳元でささやきながら、彼が強引に妻の唇を吸った。
「あんっ・・・・」
甘い息を漏らしながらも、妻はキスを受け入れ、彼の背を撫でるように手を動かした。
「おい、宮野、ずるいぞ」
「奥さん、ワインの前に俺たちも頼みますよ」
ダイニングテーブルの脇で立ったまま、妻が次々に男たちに唇を奪われていく。
「駄目っ・・・・、待って・・・・」
「奥さん、舌を伸ばして」
「いやっ・・・・、恥ずかしい・・・・」
「気持ちよくなりますよ」
「少しだけですよ・・・・、橋口さん・・・・・」
大胆に橋口と舌を絡め合う妻の肢体に、男たちの腕が伸びていく。
「いやんっ、エッチ・・・・」
胸元や美尻を愛撫され、妻が橋口とキスを交わしながら喘ぎ声を漏らす。
「奥さん、もう我慢できませんよ」
スカートの内側に手を伸ばした北原に、妻が焦らすように言った。
「駄目ですよ、今は」
「ええっ、ひどいなあ」
どうにか3人の男たちの腕を振り解き、妻は乱れた服を整えてキッチンに向かう。
「まずはワインを楽しみましょうよ、皆さん」
「奥さん、じゃあ、お楽しみはその後ってことですね」
興奮を隠せない様子で、橋口が質問を投げる。
「さあ、どうかしら」
簡単なつまみを手早く準備しながら、妻が男たちを惑わすような笑みを浮かべた。