妻の役割(24) | 夫の知らない妻

夫の知らない妻

官能小説「他人に抱かれる妻」別館です。

映像は想像以上に鮮明だった。

 

「ハネスのやつ、いい仕事しやがって」

 

強いウイスキーを舐めながら、私は画面の中で繰り広げられる映像を凝視した。

 

それは、私が出張に出発した日の夜だった。

 

午後9時を回った頃。

 

記録されているのは自宅のリビングルームだ。

 

ハネスが密かに設置した複数のカメラが上方、或いはサイドからリビングの様子を捉えている。

 

「凄く美味しかったです」

 

リビングに姿を現した妻が、背後にいる誰かにそんな声をかけた。

 

私が知らない膝丈のワンピース姿の妻。

 

男をそそるように胸元が大胆にカットされ、夫である私が自慢する美脚も惜しげなく曝け出している。

 

夫が出張で不在の中、こんな服で肢体を包んで、いったい誰とどこに・・・・

 

だが、おおよそのことは私には簡単に想像できた。

 

そして、想像が正しいことを映像が教えてくれる。

 

「奥さん、まだ飲み足りないでしょう」

 

「知らなかったなあ、奥さんがあんなにお酒好きだなんて」

 

「今夜は旦那もいないし、ここで二次会と行きましょうよ」

 

橋口、宮野、そして北原の3人が、立ったまま妻を取り囲んで誘っている。

 

「まだ飲むんですか、皆さん」

 

そんな言葉を返す妻の表情はほのかに赤く染まり、その色気が一層高まっている。

 

「ほら、ワインがここにありますよ、奥さん」

 

宮野がワインボトルを差し出しながら、妻のくびれた腰に腕を回す。

 

「宮野さん、もう酔っちゃったんですか?」

 

そんな言葉を漏らしながらも、妻はうっとりとした視線で彼を見つめる。

 

「興奮してるんでしょう、奥さん」

 

耳元でささやきながら、彼が強引に妻の唇を吸った。

 

「あんっ・・・・」

 

甘い息を漏らしながらも、妻はキスを受け入れ、彼の背を撫でるように手を動かした。

 

「おい、宮野、ずるいぞ」

 

「奥さん、ワインの前に俺たちも頼みますよ」

 

ダイニングテーブルの脇で立ったまま、妻が次々に男たちに唇を奪われていく。

 

「駄目っ・・・・、待って・・・・」

 

「奥さん、舌を伸ばして」

 

「いやっ・・・・、恥ずかしい・・・・」

 

「気持ちよくなりますよ」

 

「少しだけですよ・・・・、橋口さん・・・・・」

 

大胆に橋口と舌を絡め合う妻の肢体に、男たちの腕が伸びていく。

 

「いやんっ、エッチ・・・・」

 

胸元や美尻を愛撫され、妻が橋口とキスを交わしながら喘ぎ声を漏らす。

 

「奥さん、もう我慢できませんよ」

 

スカートの内側に手を伸ばした北原に、妻が焦らすように言った。

 

「駄目ですよ、今は」

 

「ええっ、ひどいなあ」

 

どうにか3人の男たちの腕を振り解き、妻は乱れた服を整えてキッチンに向かう。

 

「まずはワインを楽しみましょうよ、皆さん」

 

「奥さん、じゃあ、お楽しみはその後ってことですね」

 

興奮を隠せない様子で、橋口が質問を投げる。

 

「さあ、どうかしら」

 

簡単なつまみを手早く準備しながら、妻が男たちを惑わすような笑みを浮かべた。