妻の役割(19) | 夫の知らない妻

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官能小説「他人に抱かれる妻」別館です。

ゴルフ場はダウンタウンから車で1時間ほどの郊外にあった。

 

アフリカのイメージとはかけ離れ、綺麗に整備された広いコース。

 

南国の太陽、そして眩しいほどの青空の下、これ以上ないほどに濃い緑が広がっている。

 

「少し先にはサファリパークがありますよ」

 

私と一緒に回る現地のスタッフがそんなことを教えてくれた。

 

「猛獣がうろついてますから、気をつけてください」

 

そんな忠告は、私にアフリカにいるという現実を改めて教えてくれる。

 

少しばかりゴルフ経験がある私は、本来であれば今日は存分に楽しめたはずだった。

 

だが、終始妻の様子を気にしながらのプレイとなってはそうもいかない。

 

「後ろは遅いですね」

 

現地スタッフが英語であきれたようなそんな言葉を何度も繰り返す。

 

はるか遠方にいる4人の様子を、私は執拗に観察し続けた。

 

「中川さん、いいものがありますよ」

 

スタッフの一人が私に双眼鏡を差し出した。

 

コース上に野生動物が迷い込んでこないか、たまに確認するために常備しているらしい。

 

「これを使えば奥様の様子がわかりますよ」

 

私が妻をひどく気にしていることを、既にスタッフたちは知っている。

 

「遠慮なく使わせてもらうよ」

 

3番ホールのグリーン付近から、私は後続のパーティに双眼鏡を向けた。

 

ティーショットを打とうとする妻の背後に、北原が密着するように立っている。

 

その手は妻のくびれた腰を掴み、自分の下半身を妻のヒップに押し付けるようにしている。

 

「奥さん、こうですよ。腰をこうやって動かして」

 

そんな風にささやきながら、妻の肢体を好きなように触りまくる3人の姿を私は想像する。

 

橋口が正面から妻に近づき、膨らんだバストにタッチするように腕を伸ばした。

 

その手が妻の乳房を愛撫するように動く。

 

「駄目ですよ、橋口さん」

 

そんな風に笑っているのだろうか、妻の楽しげな表情が見える。

 

妻もまた彼らとの久しぶりの時間をすっかり満喫しているようだ。

 

妻がどうにかクラブにボールを当て、最初のショットを放った。

 

男たちが拍手し、妻が嬉しそうに彼らとハイタッチしている。

 

宮野の手が妻の腰に回る。

 

3人はカートに妻を押し込み、素肌を露出したウェア姿の妻に触り続けている。

 

どうやら、妻のショットはブッシュの中に消えたようだ。

 

妻を乗せたカートもまた、林の中に侵入し、私は視線を絶たれた。

 

いやな予感がした。