田原城内の雛祭り | 崋山神社 宮司のブログ

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珍しく田原御城内でお姫様のために雛祭りが行われていた時代がありました。

三宅康徳公が御隠居として二の丸御殿にお住まいだった期間、彼の娘のお民様もそこでお暮しになっていたのです。当然彼女のための雛祭りです。

 

幕命により通常お殿様の御家族は江戸に住むことが原則だった時代。

御隠居様のお嬢様ということで許可が下りたのでしょうか。

とにかくそれまではあまり女の子の気配がなかった御城内でしたから。

田原藩日記には珍しいお雛祭りの記事です。

 

宝暦十一年(1761)御用留

三月二日

「お民様がお雛祭りにアサリを一台、一斗五升(二斗の時期もあった)を(ひな人形に)お供えされた。御納戸の藩士がご用意申し上げお渡しした。」

 

三月三日

「午前九時ごろ御小座敷にてお祝いの御膳が出た。御姫様の御相伴役(御一緒に食事をする藩士)には御祝儀のお餅、足付き折敷にのせられた菱餅や熨斗鰒が出され、頂戴して退出した。その後も当番藩士たちに御膳が出された。一汁一菜だった。」

 

 

それにしてもお供えにアサリとは田原らしい。

というか、もうお雛様終わってましたね。

失礼しました・・・。