自分を失った少女エレーナ 2 | 京都∞あなたの本質を目覚めさせ、魂を光輝かせるスピリチュアルセッション・講座∞

京都∞あなたの本質を目覚めさせ、魂を光輝かせるスピリチュアルセッション・講座∞

京都:スピリチュアル・セラピスト・ヒーラー「ミヤノリト∞」

 

エレーナは、本当の自分を思い出しました。

しかし、自分の置かれた境遇は、決して自分の望むことではなかったのです。

 

牧師は愕然としているエレーナに、

大丈夫だと言わんばかりのほほえみを返しながらこう言いました。

 

「誰も彼もが、まっすぐな道を歩むわけではない。

迷って、時には違う道を行くことで、

本当の自分を見つけることができるのだ。

自分でない自分を経験することによって、

本当の自分に出会うことができる。

何でも表裏一体と言っただろう。

自分でないということは、その裏側に本当の自分が隠されているということだ。」

 

「でも、私は、その本当の自分に気づいてしまいました。

偽りの自分が今の状況を作ってしまいました。

もう、後に戻ることができないのでしょうか?」

 

「いや、いくらでも道を変えることはできる。

そなたの魂が望めば・・・。

もし道を変えることができない時は、

それは、本当は魂が望んでいることではない、ということだよ。」

 

「私はどうしたらいいのでしょうか?」

 

「そなたはどうしたいのか?」

 

「私は、都会に住むのではなく、森の近くに住んで、

自然の、風の音に戯れながら、畑を作り、太陽の光を浴びて生活したい。」

 

「それでは、そうしなさい。」

 

「簡単にいいますが、私はもう、夫と結婚し、その道に行くことは無理です。」

 

「無理となぜ思う。」

 

「だって、もうその生活に入ってしまっているから。」

 

「それでは、世の中には移り住んだものなど居ないというのかな?」

 

「そういうわけではありません。

ただ、夫と別れるしかありません。

私には自分で生活する術がありません。」

 

「本当にそうかな?

なぜ夫と別れるしかないのかな?

自分で生活する術をこれから作ることはできないのかな?

・・・まだ、試したことがないのに。」

 

「・・・私は、今の生活を変えることが怖いのです。」

 

「自分の気持を正直に言うことができたようだね。

正直さと素直さは、自分の本当の心を見つめることができる。」

 

「本当は、夫と別れたくない。

夫とは意見は合わないけれど・・・。」

 

「では、そうすればよい。

できないと思っているのは自分だけかもしれない。

何かを考えるのは、

何かをやってからでも遅くない。

 

まずは、自分を変えたいのであるならば、

いままでと同じ行動をしていては変えることはできない。

自分の行動を変えることで、

何かに変化が起きる。

その何かを引き寄せる力は、

今までと違う行動だ。

勇気をもって、今までと違う行動を起こすことしかない。

そなたには、その行動を起こす勇気はないと思うのか?」

 

「いいえ、私は今まで自分自身の殻に閉じこもっていました。

でも、自分には本当は力があることを知っています。

森へと興味津々で入っていく心が本当はありました。

だから、私はこれから未踏の森へと、

未踏の人生へと入っていってみたいと思います。

子供の頃のように、何も考えずに・・・」

 

その言葉を聞いた牧師は、もう何も言うことはないという仕草をし、

ただ頷くだけでした。

 

エレーナは、自分のしたいことが見つかったことに、

居ても立っても居られない気持ちになり、

急いで自分の家へと向かいました。

夕方になると、夫のアレンが仕事から帰ってきて、

いつもと違う雰囲気のエレーナの様子にびっくりし、声をかけました。

 

「どうしたんだい?

君のその輝いている瞳を見るのは初めてだ。」

 

「あぁ、アレン、私の気持を聞いてくれる?

私は、初めてあなたに自分の気持を明かす時が来たわ。」

 
(つづく)