古いアルバムめくり

ありがとうってつぶやいた

いつもいつも胸の中

励ましてくれる人よ

晴れ渡る日も 雨の日も

浮かぶあの笑顔

想い出遠くあせても

おもかげ探して

よみがえる日は 涙そうそう

 

一番星に祈る

それが私のくせになり

夕暮れに見上げる空

心いっぱいあなた探す

悲しみにも 喜びにも

おもうあの笑顔

あなたの場所から私が

見えたら きっといつか

会えると信じ 生きてゆく

 

晴れ渡る日も雨の日も

浮かぶあの笑顔

想い出遠くあせても

さみしくて 恋しくて

君への想い 涙そうそう

 

会いたくて 会いたくて

君への想い 涙そうそう

 

 

  詩の考察

意味は詳しく書く必要はないでしょう、森山良子さんのお兄さまへの思いが歌われているようですが、ストレートに心に入ってくる詩ですね。

 

 

  詩と曲の誕生

森山さんが沖縄出身の3人からなるバンドグループBEGINとライブで共演した時、意気投合して、曲を依頼したそうです。

BEGINから送られたデモテープのタイトルは「涙そうそう」。

涙そうそうとは沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」という意味であると聞き、森山さんが亡くなった兄を想う歌詞をつけたといいます。

1998年に森山さんのアルバムに収録されました。

 

 

  詩が後の不思議

私は、歌というのは詩の言葉に感動してメロディーが生まれるものだと思っていましたし、実際私が歌っている歌、<歌曲>のほとんどは詩人が詩を書き、その詩にメロディーのつけられた曲がほとんどです。

でも、今の若い人たちの歌の多くはメロディーがあってそこに言葉を当てはめていく、という作業をして出来上がった歌がたくさんあります。

この歌も「涙そうそう」というタイトルのメロディーができ、そのメロディーに歌詞を入れたわけです。それでもこんなに心を打つような歌に仕上がるのですね・・・。私にはとても不思議な感じです。

音符の長さに言葉を合わせなくてはならないのですから、よくそんなことができるものだと感心します。

それも、ただ音符に言葉をはめるだけじゃなく、ちゃんと感動できる詩になるのですものね・・・作詞する人がすごいのですね。

 

 

 

  余談

亡くなった人への想いは消えることなく心に重く残ります。

その重さが心の支えになったりもするのですが、何年たっても涙とともにあります。

「3年たてば辛くなくなって笑顔になれるよ」と私の主治医の先生はおっしゃいましたけど、私はだめ。

姉と言い争いをして姉なんて嫌いだと思ったことも、反発したこともすべてが悲しい愛の思い出で 涙。

楽しいときの思い出も、心が笑顔の姉に包まれてる時も、これまたやっぱり涙とともにあります。

どうしようもないです…。

父や母は順番だから、と少しはあきらめもあるけど、姉は年の近いせいもあってもっと一緒にいたかった思いがいつまでも忘れられずにいるのでしょうね・・・

日常の中でも、夢の中でも、突然現れては一瞬にして思い出の中に引き入れられてしまう力の大きさ、しばし思い出の世界に入り込んでしまうすごさ・・・、

亡くなった人の力は偉大です。

 

 

やっぱり歌曲ってすてき!

の。