怪人達の宴シリーズ第3回。
このシリーズは、強敵だったが敗れた怪人を主役に据えて検証を行うシリーズです。
設定された能力をいかんなく発揮した場合、どのような強さになるのかを検証します。それゆえ怪人が極めて有利な判定となります。
今回はスカイライダーの敵対組織ネオショッカーの怪人。とにかく素早い怪人で、歴代ライダーを何人も相手に手玉にとった実績があります。比較検証の推薦はオーマジオウ、ビルド
「グランバザーミー」
・ハサミ攻撃がかなり強い(スカイを二撃で倒した)。
・口から火を吹く。
・ものすごい素早さ。設定値は「一瞬で10kmは移動する」。
・瞬間移動能力も有する。
一瞬というのを時間になおすと、およそ0.36秒らしい。そこから計算するとグランバザーミーの速度はおおよそマッハ79。ファイズアクセルの1.5倍以上の速度となります。
また、瞬間移動能力も併せ持つという資料があり、羽交い絞めにされた状態から一瞬にして消え去ってライダーキックを回避することもありました。
素早さの他には「グランファイア」という火炎放射と、腕のハサミでの攻撃を行います。ハサミ攻撃は強力で、たったの二撃でスカイを沈めた。
当時のスカイライダーは強化前だが、パンチの破壊力はスーパー1と同等。手刀の破壊力はその1.5倍以上を誇るが、グランバザーミーはそんなスカイを物ともせずに撃破した。
しかし、強化スカイライダーにはスピードで上回られ、反応すらできずに大反転スカイキックを撃ち込まれた。さらに3点ドロップを受けて倒されてしまった。
「グランバザーミーの戦闘技術」
持前のスピードを武器に、8人ライダーを苦しめましたが、戦闘技術はどちらかというと素早さを武器にするだけで、達人要素はありませんでした。それでも相手の攻撃には即座に反応して防御するような動きを見せており、強化スカイ以外からは全くと言っていいほど攻撃を受けませんでした。
相手をさんざん翻弄し、隙をついてハサミで攻撃。というのが基本戦術。相手の攻撃はハサミで受け流して反撃する感じでした。
ちなみに、グランバザーミーに唯一組み付くことに成功したのはライダーマン。ライダーマンには弾丸すら止まって見えるほどの動体視力があるので、この設定がうまく生きたのかな?とおも思います。
CUでさえ弾丸が止まって見えるわけではなく、その動体視力の良さには驚きますね。
相手を上回っている間はとんでもなく落ち着いた戦いだが、得意のスピードで上回られた時には対処できなかった。
「比較対象ビルド(ジーニアス)」
身長:196.4cm
体重:105.6kg
パンチ:55.7トン
キック:61.1トン
ジャンプ:86.3m
走力:0.9sec/100m
60本のフルボトルを差し込んだ状態で、複数の効果を同時に発揮することも可能な設定。
即死効果を持った攻撃、無限軌道攻撃などの設定があるものの、劇中で発揮されたことがなく詳細が不明なので今回は考慮しない。
ドッシリと構えた状態で迎え撃つスタイルから、高速移動しながらの格闘戦も行える。両手を上手く使って相手の攻撃を防御しつつ反撃する格闘スタイルで、ひじょうに安定感がある。
強敵が強化フォームになる手段を使わせずに戦うという、誰もが考える「〇〇する前に倒す」という戦略を本当にやった男。
「比較対象オーマジオウ」
怪人達の宴 その2 参照。
「検証 VSオーマジオウ」
パワーではグランバザーミーを上回ることができるものの、スピードの差は圧倒的。文字通り消えたり現れたりするグランバザーミーが相手では、念動力を上手く合わせるのは至難の業になるし、遠距離からの攻撃は無効になる。
接近戦になってもスピード攻撃は健在。オーマジオウ自体も相当な速度で移動できるのだが、それを20倍も上回る速度となると、対処できるか?
広範囲攻撃や念動力をできるだけ駆使ししたとして、一瞬で10km以上も移動する相手をとらえられるのか?と言われると厳しいのではないかと感じる。
オーマジオウがCUやファイズアクセルのような高速戦闘に対処する場面がなかったので、ジオウ2の戦闘を参考にしてみると、未来予知でCUに対処して攻撃をヒットさせていたが、ゲイツ疾風には予知を見切られてしまい痛撃を受けていた。
良く言えばスピードや戦闘技術で上回る相手と戦っても、予知やシステムのおかげで対処できるのがジオウの強いところなのだが、悪く言えば予知やシステムを駆使しても、相手に対処できずやられる時がけっこうある。ということになる。
グランバザーミーの対応力とスピードを考慮すると、ジオウの戦闘技術でこれを止めるのは、かなり厳しいと判断する。
ただし、何か一つでもグランバザーミーの自信を挫くことができる要素を見せつけることができれば、余裕をなくしたグランバザーミーを攻略する糸口が見つかる可能性は高い。
「検証 VSビルド」
相手を迎え撃つスタイルの戦闘方法で立ち上がることが多いビルドだが、グランバザーミーを相手にした場合、そんな悠長なことをしていると、あっという間にやられてしまう。
かと言って高速移動を駆使した格闘戦をしかけたとしても、スピードにおいては圧倒的にグランバザーミーが上回っている。
防御寄りの格闘スタイルを持つ珍しいタイプのビルドだが、スピードで圧倒された時はモロくも攻め落とされていることがある。
グランバザーミーはスピードとハサミ、火炎放射の3つしか特徴のない怪人だが、そのスピードが突出しすぎている能力。ビルドは本来、かなり幅広い戦闘方法を持っているし、対処もかなり高いレベルでできるのだが、その範囲を超えた相手(エボルトとか)には残念ながら後れを取っている。
判明している設定値では、仮面ライダー史上最速(最近は亜光速ってのが出たんだっけ?)のスピードで戦闘が行えるグランバザーミーが相手になると、残念ながら不利と判断せざるをえない。
「総評」
今回はネオショッカー怪人グランバザーミーの検証でした。
オーマジオウ、ビルドともに高速移動ができる設定ですが、怪人が主役となった不利な状況での戦闘となると、圧倒されてしまうでしょう。
グランバザーミーは、ヒーロー側で言えばカブトやファイズなどのスピード特化ですが、あのスカイを二撃で倒したほどのパワーを持ち、瞬間的な判断で相手の必殺技を受け流したり、相手の必殺技を瞬間回避したりする強敵です。
派手な立ち回りこそないものの、冷静に考えたら昨今のヒーローでは正直かなりキツイ相手だなと思います。
ただ、唯一の弱点はメンタルではないか?と思えます。
強化スカイにスピードで上回られ、反応できないほどのスカイの多角的な攻撃にはなすすべなくやらてしまいましたので、まずはグランバザーミーの自信を上回る何かを見せつけたあとで、その対処を上回るような攻撃をしかけることができれば、いつもの冷静な判断ができずに攻め落とされてしまうでしょう。
ビルド、ジオウともに主人公という立場であれば、きっとそれを実践して倒してしまうのでしょうね。