以外に根本的なところって忘れがちですよね | 岡憲彦の行政書士合格Blog~勉強に対して謙虚であり続ける為のおぼえがき  

岡憲彦の行政書士合格Blog~勉強に対して謙虚であり続ける為のおぼえがき  

行政書士試験指導校 りす塾で講師をしています。受験生がその時々に感じる疑問をお伝えしています。書籍:社会人が合格するための計画・継続・記憶ノウハウ(中央経済社)の元ネタぎっしりのブログです。

制度の思考過程の根本的なところが

抜けてしまっている個所ってありますよね。

知識を繋げる説明をしてもスッと入ってこないことが

部分部分にあるみたい。

 

既修者の方に、

このようなことがあるのは当たり前のことです。

別に恥ずかしいことではなく、

このような漏れがあったことに気づいても、

何もしないこと、見て見ぬふりをすることが、

法律家となるべき国家資格の受験勉強をしている

受験生として恥ずかしいことだと私は考えます。

 

受講生からの質問でも、

思考過程について聞かれることがあります。

そのときは、

学習したページを紹介しつつ、ひとつずつ説明させていただいています。

 

ひとつの例として、

H28ー32ー4

甲不動産がAからB、AからCに二重に譲渡され、

Cが先に登記を備えた場合には、

AからCへの甲不動産の譲渡によりAが無資力になったときでも、

Bは、AからCへの譲渡を詐害行為として取り消すことはできない。

 

という選択肢、

答えは「×」詐害行為取消権を行使できる。

となります。

 

これは、

(最大昭39.7.19)を題材とした問題ですが、

これをどのように法律知識を使って考えるのか?

 

債権総論までの学習の内容を使った思考過程は以下の通りです。

❶二重譲渡で対抗関係になったら登記を先に備えた方「C」が所有権を主張できる。(民ⅠP128参照)
❷これにより劣後譲受人(未登記の譲受人「B」)に対してはAは履行不能となる。(民ⅡP15参照)
❸この場合BはAに対して債務不履行に基づく損害賠償を請求できる。(民ⅡP19参照)
❹しかし、Aは無理力となっているため、損害賠償請求債権を保全するため詐害行為取消権を行使できる。(民ⅡP39参照)
❺この場合、詐害行為取消権の要件の「被保全債権の発生原因が詐害行為前の原因に基づいて生じている」が問題となる。(民ⅡP39参照)
❻損害賠償請求権自体は、Cへの譲渡の後なので要件を満たさないのではと考えるが!
❼BはAから甲不動産の譲渡を受けている「BからAへの登記請求権が発生している」
❽これを「詐害行為前の原因」として捉えると、詐害行為取消権の要件を満たすことができる。
❾これにより、Bは「AがCへの甲不動産の譲渡」を詐害行為として取消権を行使することができる。
 

と思考していけば、

知識を使って問題文を読むこともできます。

直接解答を覚えている場合も、上記の思考から解答をする場合も、

正解するか否かという部分では異なるところはありません。

 

しかし、

思考することを踏まえて問題にアプローチすることで、

今まで学習した知識にアクセスしし、かつ知識を使って

問題を読み進めることができます。

 

知識は当然に抜けていきます。

しかし、知識にアクセスすることで、

忘却を防ぐことはできます。

その方法は、その論点の問題を解くこと、

その論点のページを見ること以外でも

問題アプローチの際におこなうこともできますよ。

 

実際に行政書士試験では受験生の未修の知識問題が

出題されることがありますよね。

このとき問題を読みつつどこまで思考しているか?

どのように事案を読んでいたか?で

その後の対処の方法も変わってきます。

 

これを「勉強が足りなかったから」という

雑な表現で片づけて欲しくはないですね。

合格するための勉強の努力を一言で片づけられては

たまったものではありません!

 

法律を根本から考えられる受験生を目指していきましょう。

 

 

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