民法総則では何を学びましたか?【保存版】 | 岡憲彦の行政書士合格Blog~勉強に対して謙虚であり続ける為のおぼえがき  

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行政書士試験指導校 りす塾で講師をしています。受験生がその時々に感じる疑問をお伝えしています。書籍:社会人が合格するための計画・継続・記憶ノウハウ(中央経済社)の元ネタぎっしりのブログです。

民法の共通項となる「民法総則」

受験生が瞬時に項目を思い浮かべるのは、

「制限行為能力者制度」

「意思表示の瑕疵」

「代理」

「時効」

となるのではないでしょうか?

 

では、

これらはなぜ共通項として学習しているのか

考えたことはありますか。

 

民法総則の体系は、

「権利の主体」「権利の客体」「法律行為」「時効」

と区分されます。

それぞれには理屈が存在しており。

 

民法を使いこなせる(権利・義務の帰属主体)者を

規定しているのが「権利の主体」です。

ここでは権利の主体は「人」と規定しており

「自然人」と「法人」が主体にあたります。

 

「自然人」には3つの能力があり

1権利能力、2意思能力、3行為能力があります。

その一つとして制限行為能力者制度を学んでいるのです。

 

 

権利の主体が何の権利を主張するかの対象

規定しているのが「権利の客体」です。

ここでは客体として

「不動産・動産」「主物・従物」「元物・果実」

を学んでいるのです。

 

 

権利の主体が権利の客体に対し権利を主張するために

おこなう行為「法律行為」です。

有効な法律行為をおこなうと法律効果が生じます。

逆に述べると

自己が望む法律効果を得るために法律行為をおこなうのです。

 

法律行為をおこなうには私たちはどうすれば良いでしょうか。

テレパシーはありませんからそこでおこなうのが

「意思表示」なのですよ。

 

意思表示は「効果意思」「表示意思」「表示行為」の3つが

すべて一致していれば有効な意思表示として

法律行為をおこなったことになります。

しかし、

そこに不一致があったり

一致しているが不当な干渉がある場合

「意思表示の瑕疵」として

「心裡留保」「通謀虚偽表示」「錯誤」「詐欺」「強迫」を

学んでいるのです。

 

この意思表示に問題が生じたときの処理として

「無効」「取消し」があります。

 

また、

法律行為を意思表示の本人(表意者)が直接相手方におこなわず

第三者を介しておこなうことが規定されており、

これを「代理」を学習しています。

 

さらに、

意思表示の発生に制限を付けてすることが、

「条件」「期限」「期間」です。

 

「法律行為」では上記のような内容で

「意思表示」「無効・取消し」「代理」「条件・期限・期間」

を学んでいるのです。

ちゃんと理屈があるんですよ。

 

 

法律効果を生じさせるために法律行為をするわけですが、

法律行為をおこなわなくとも法律効果が生じることがあります。

それが「時効」です。

時効は、

時間の経過で権利を取得する「取得時効」

時間の経過で権利が消滅する「消滅時効」

があります。

 

ただし、

時効の完成(時間経過)だけでは時効の効果は生ぜず、

「時効の援用」をしてはじめて効果が生じるのです。

また、

時間の完成(時間経過)を

一時的に止めたり、リセットする行為の総称を

「時効障害」として学びます。

 

 

ざっとですが、

上記が民法総則であり

この後の「物権」「債権」との共通項として学びます。

 

そのため民法総則は、

「制限行為能力者制度」「意思表示の瑕疵」「代理」「時効」

ではなく、

「権利の主体」「権利の客体」「法律行為」「時効」

として知識を体系的に整理すると

理屈から学ぶことができます。

 

ちなみに、

「制限行為能力者制度」「意思表示の瑕疵」「代理」「時効」

は出題実績から重要テーマなので大切ですよ。

 

なので大切なことは確かなのですが、

知識整理という視点からみたら

近年の行政書士試験に対応する内容としては

不十分であることは知っておきましょうね。

 

 

私からお伝えしたいこと

「民法は学習レンジは狭めない」

 

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