先日、観心寺の阿字観に参加したとき、
「仏の心に近づけば、願い事も叶いやすくなる」
とおっしゃっていました。
それはつまり、
「身勝手な願い事をしても、なかなかかなわないよ」
ということを遠回しに言ってらっしゃるのかな~……と思っていました。
「家のことはご先祖が一番考えてくれてるから、ご先祖にお任せして、自分は仏様の心に近い願い事を」
とおっしゃったのですが、私は
「家内安全」
を願いました。
もちろん、仏様の心に近いことも願ってはいるつもりなんですけどね(^^ゞ
仏様の願いが何かといえば、そりゃ~、すべての生き物の救済なんだと思う。
それがベストなのはわかります。
でもさ。
自分勝手なことばっかり言ってる人のために、いつまでも諦めず、
「自分のことを考えるより、誰かのためを考える方が、結局は幸せですよ」
と言い続けるだけの仏性も、体力も、私にはないです。
だって、びっくりするくらい通じない人いるじゃないですか。
「自分のことを考えるより、誰かのためを考える方が幸せに暮らせる」
というのは、実感として本当だと思う。
誰かの為を考えることを優先していたら、そういう人が集まってきます。
自分勝手な人と交わるより、そういう人と交わってる方が、楽しいし、いろいろ楽。
私が困っているとき、彼らは必ず、
「何かできることある?」
と声をかけてくれるし、頼めば喜んでやってくれます。
そういう人たちは体力もあるから、まず断られません。
楽だ。
とても楽。
でも、そういう実感のない人に、いくら熱心に、
「他人のためを考える方が」
と語ったところで、
「きれいごと」
「自分に無理してる」
「生意気言うな(この反応が一番多い気がする)」
とか言われるので、実感としてわかってる人と、
「その方が楽しいよね?」
とうなずきあってる方が楽しいに決まってます。
自分勝手な人の救済を祈るなんて……心が籠らないよ(^^ゞ
それよりは、私が守るべき存在……家族の救済を祈る方が、真実味があるし、心も籠るしさ~……と思ったわけです。
まぁつまり、「仏の心に近い願い事の方が叶う」というのは一種の方便だと思ってたんですね。
が。
ならはくの「空海展」以降、ちょっとだけ空海にはまってまして、ひろさちやさんの「空海入門」、司馬遼太郎さんの「空海の風景」を続けて読み、阿字観も成田山不動尊と観心寺で体験しました。
15日は特に予定もなく、旦那に
「高野山でも行くか?」
と声をかけられて、
「いいね」
と。
到着は13時前。
「根本大塔は曼荼羅を立体にしたものらしいよ。仏の世界を体感するものらしい」
とか説明してたもんで、
「入ってこい」
と送り出されまして。
入った途端、御国忌が始まりました。
歴代の天皇の冥福を祈る儀式だとか。
大日如来の前が、なぜかポッカリと空いてたので、そこに座ると読経が始まります。
そしたら外は急激な雨。
滝のような雨が降り出しました。
「これはゆっくりしてけという思し召しかもな~」
と、阿字観の真似事をしてみました。
といっても半跏趺坐で呼吸を整え、ああだこうだ大日如来に問いかけただけですけど。
つまり、
「人として生まれて、仏様の心そのものになるより、人としてあがきまくる方が私には向いてます~」
ということを、ああだこうだ問いかけてました。
そしたらお経が止まりまして、外から旦那の声が聞こえてきました。
多分、儀式は終わってないと思います。
でも、
「傘持って迎えにきてくれたんだ」
とわかったので、旦那は待たせても何も言わないけど、私の「用」も終わったと感じたので、外に出ました。
ら。
雨も上がりまして(笑)
その後、刈萱堂などに立ち寄りましたが、雨は降りませんでした。
あんだけ滝みたいな雨だったのにね~……。
「仏様の心に合った行動ができたのかもしれぬ」と、妙な満足感がありました。
雨が降っても出かけないといけないことはありますよね、誰だって。
そりゃまぁ、この世界にはたくさんの人が住んでるんだから、仏様の心はいろんな人やものに向いているはずです。
いつもいつも、私がすべきことに天気が合うはずがない。
ただ、この日は、「仏様が用意してくれたタイムテーブル通りに行動できたのかも」という気がしたですよ、なんとなく。
そして「仏様の心に近い願い事」っていうのもこういう感じなのかな~……と。
つまり、私が「自分勝手な人も成仏できますように」なんて無理な願い事をするんじゃなく、「南無」とだけ願えばいいんじゃないか。
知らんけどさ。
だけど、私が守りたい存在を仏様がどういう風にしたいかはわからないまま、やっぱり健やかにそこそこ長生きしてほしいよね(^^ゞ
人間だもの(笑)
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