雄略天皇の御代九年目。
天皇とはまったく関わりの無いエピソードですが、現代の怪談に通じるエピソードがあります。
河内国から知らせてきたエピソード。
登場人物は飛鳥戸郡の人で、田辺史伯孫(たなべのふひとはくそん)です。
彼の娘は古市の書首加竜(ふみのおびとかりょう)に嫁ぎ、男の子を生みました。
それを聞いた伯孫は婿の家にお祝いに行き、月夜の下、上機嫌で帰ってきました。
そして応神天皇陵のそばにさしかかったとき、赤馬に乗った人と出会います。
その馬は竜のように蛇行したり、急に鳥のごとく駆け出したりしたとありますから、むっちゃ乗りにくい馬だと思うんですけど(笑)
ただ、とても美しい馬だったようです。
娘の出産で気持ちが浮き足立っていた伯孫は、この馬が欲しくなります。
そこで自分が乗っていた葦毛の馬をせかし、この馬の隣に並びました。
すると……馬は急に駈けだして、先へ行ってしまいます。
「塵ほどに小さくなった」
とありますが、昔はあのあたりに、そんな長い直線道路があったのだろうか……。
むしろ、何もない場所だったんでしょうね。
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