気楽に読書感想文 -3ページ目

気楽に読書感想文

本を読んだらその感想を書いていきたいと思います。
興味があれば何でも読みます。

評価 : 星星星

海外で経済的に困窮状態に陥っている在留邦人を「困窮邦人」と呼び、フィリピンでは、路上生活やホームレス生活を送っている困窮邦人が問題になっているらしいです。

この本を読んで、何年か前に話題になった「外こもり」という言葉を思い出しました。
その時はタイだったかな。

この本の登場人物達は、日本に働きに来ていた女性を追ってフィリピンに渡った結果…、という人達が大半ですが、この本の登場人物達も「外こもり」の人達もきっかけは何であれ、生まれた日本を捨てて別の場所を求めるというのは、日本での自分の立場に何らかの不満があったり、日本が居心地悪くて出て行った人達なのかなと思いました。

ただ、読んでいくうちに、そんなに深いことは考えていない人達なのかも…とも思ったりもしました。

筆者も終わりのほうで
"その人生や暮らしを追っていくと、「(困窮は)自己責任ではない」という仮説はあらかた崩れ去った。"
と書いている通り、登場人物は皆、社会生活を送る人としての考え方、行動などすべて落第点だと思います。そのため、各自が置かれた状況は「自業自得」としか思えなかったです。

解説に以下の一文があります。
"ここに登場するのはみんな「どうしようもない男たち」で、そんな彼らと徹底してつき合ったところに本書のノンフィクションとしての価値がある"

読み終わったあと、激しく同意する一文でした。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫)/集英社
¥648
Amazon.co.jp


評価 : 星

この本を読む前に、女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃/NHK「女性の貧困」取材班 を読みました。
その時、次のような感想を持ちました。

”登場する女性は大きく2種類。

まず、個人の努力ではどうしようもない状況、または努力のスタートラインにも立てない状況の人。
もう一つは、自分の意思だったり、これまでの生活のツケが回ってきた感が否めない人。”


この分類で言うと、この本に登場する女性は主に『後者』の方で、「女性たちの貧困 "新たな連鎖" の衝撃」に出てくる女性より、より酷い状況の方々です。主に性産業に関わる貧困女性を取り上げています。

私は『後者』の女性の状況に対して「本人の選択」「自己責任」感を感じたのですが、筆者はそのように感じる一般論を踏まえた上で、そのように解釈されてしまう女性達を「三つの無縁」「三つの障害」による状況ということで表現しています。

「女性たちの貧困 "新たな連鎖" の衝撃」を読んだときよりは、「本人の選択」「自己責任」によるものだけではないのだなと思いました。ですが、やっぱり登場する女性には、考える力、人を見る目、そして行動力、すなわち社会生活を送る上で必要なものが足りなすぎるのです。(私が批判的に捉えてしまうのは、たぶん理解できないからだと思います。)

それらを身につける機会がなかったり、周りにサポートしてくれる環境がなかったことは気の毒に思いますが、もし、行政なり、周りの誰かが手を差し伸べてくれたとしても、それを掴む能力がなければどうにもならず、結局、「その場所」から抜け出せない負のスパイラルなのだと思いました。

筆者も結論出ずといった終わり方でした。
貧困、性産業、障がい。ずっと昔から続いているグレーなつながりを絶つことは難しいのでしょう。

「女性たちの貧困 "新たな連鎖" の衝撃」のときも思いましたが、環境が与えられて努力できるかどうかは個人によりますが、最低限、すべての人が努力のスタートラインに立てることが保障されるような社会になれば、全員は無理でも救われる方も多少増えるのかなと思いました。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
最貧困女子 (幻冬舎新書)/幻冬舎
¥842
Amazon.co.jp


評価 : 星

大変興味深く読みました。
ただし、共感できるものとそうでないものがちょうど半々といった感じでした。

登場する女性は大きく2種類。

まず、個人の努力ではどうしようもない状況、または努力のスタートラインにも立てない状況の人。
もう一つは、自分の意思だったり、これまでの生活のツケが回ってきた感が否めない人。

この2つの状況をひとまとめにしてしまのは少し違うのではないかと思いました。

行政がカバーすべきは『前者』で、努力のスタートラインにも立てないという状況だけは、行政によって平等になるべきだと思いました。『後者』については、正直、好きなようにさせておけばと思いました。(両者は少なからず重なっている部分があるので、切り分けが難しいところですが…。)

少しだけ私のことを書きたいと思います。

私は、学校を卒業後、正社員として就職するも会社都合により退職。
その後、面接を受けるも、職歴より主に性別に関することを問われ…、結局、パートに。
その後、パート生活は10年続きました。(正確には、現在も兼業でパート継続中)

私も自分の意思とは関係なく周りの状況が変化していくという経験をしたため、登場するいくつかの状況については、他人事とは思えませんでした。

一般的なパートの仕事にスキルの向上なんて望めません。それが現実だと思います。

落ちてしまったら這い上がれない、それならば落ちる前に努力する。
たとえ現状に問題はなくても、常に危機感を持ち努力し続ける必要がある、今はそんな時代なのだと思いました。

本文中に取材した記者の実感として、書かれた部分があります。

”「貧困」とは「お金がない」だけでなく「教育」や「情報」が欠如している状態だともいえるのではないか、というのが取材を終えての私の実感です。
そして、私たちからは「非合理的」にしか思えない状態にあったも、そこから脱する「努力する」ということが一部の人にとってはとてもハードルが高い行為なのだということも皆さまにぜひご理解いただければと思います。”(p.213より抜粋)

納得。この文章は、私が感じた『後者』のすべてを表現しています。
逆を返せば、「教育」「情報」「努力」があれば、そこまでひどい状況にはならないということかな…。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
女性たちの貧困 “新たな連鎖”の衝撃/幻冬舎
¥1,512
Amazon.co.jp