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今日もブログを読んでいただけることに感謝、感謝です。
今日は財務諸表分析、ファンダメンタル分析の基本的でかつ、とても重要なポイントについてお話ししていきます。
最近、書店を徘徊していると「財務諸表分析」とか「決算書の読み方」とか、その類の本が増えてきたように思います。
経理や財務じゃなくてもビジネスパーソンなら誰でも財務諸表くらい読めないとダメ!というようなことも頻繁に耳にするようになりました。
「簿記」といえば、昔から資格試験の超人気分野ですが、最近は帳簿の作成や財務諸表の作成なんかはほとんど会計ソフトでできてしまいます。
そんななかで、財務諸表を”作る”だけではなくて”読む”ことができて初めて意味があるのだという風潮が生まれたのでしょうかね?
実際にその通りんですけども。笑
私自身も、財務諸表分析の本は人並み以上にはたくさん読みました。
入門書からマニアックな専門書まで読みましたが、本の中には様々な財務指標や分析方法が書かれているのですが、とてもそれらを学習する前に押さえておかなくてはいけない、重要なポイントが抜けていることが多いのです。
それは・・・
あなたが分析しているその数字、”ホンモノ”ですか?
と、疑ってみるという視点です。
ホンモノというのは、別に粉飾決算を疑え!と言っているわけではありません。
(もちろんそこまで疑えるのがベストなのでしょうが・・・)
ではどういう意味か?
その財務諸表の数字が経営の実態をあらわしているか?ってことなんです。
経営の実態を把握するために財務諸表分析をするんでしょうが!と言いたくなるかもしれませんが、違うんです。
分析しようとしている元のデータが違っていれば、分析の努力は無意味なものになってしまいますよね。
財務諸表自体が経営の実情をとらえていないことはよくあることです。
というよりも、世の中数字で表せることばかりではないので、財務諸表分析にも限界があるのは当然なのです。
数字と実態がくい違うプロセスを具体的にみてみます。
例えば、私が不動産会社を立ち上げたとします。
手始めに、自分の土地に1000万円でビルを建てました。
この時点で、私の会社の貸借対照表(BS)には「建物」という有形固定資産が計上されました。
1000万円のビルが買った値段でそのままBSに乗っているので、数字と実態は同じです。
なんの音沙汰もなく一年が経過しました。
その年の損益計算書(PL)には「減価償却費」として100万円が計上されたとします。
この「減価償却費」とは建物の価値はだいたいこれくらいのペースで減っていくだろう、という基準を設けて会計の決まりに則って計上される費用です。
確かに、建物は時間の経過とともに劣化していくので、妥当な方法だと思います。
なんの音沙汰もなく5年が過ぎました。
相変わらず今年のPLには減価償却費が100万円計上されています。
BSの建物は500万円まで減少しています。
でも実はこの建物はとても頑丈な構造で、めちゃくちゃ長持ちなんです。
会計基準に沿って価値を減らしているけど、本当はあと100年は余裕で使えるんですよ!
という場合には、数字と実態が離れてしまっていることになりますね。
今回は簡単な例ですが、様々な企業でこういう数字と実態の差はあるはずです。
時は流れ・・・相変わらずなんの音沙汰もなく10年が過ぎました。
BSの建物の価値は、会計上の最低額100万円まで下がっています。
減価償却費ももうかかりません。PLは白紙です。
私の会社に目を向ける人なんて誰ひとりいません。
ところが・・・
私はこの15年、何もしていなかったのでしょうか?
いえいえ違うんです。
種を蒔いていたのです。
世界中の素敵な植物の種を。
ただの頑丈なビルを、他には絶対に存在しない世界でただ一つの「ジャングルオフィスビル」にしていたのでした。
そこに付加価値を見出したテナントが次々と入居の申し込みを出してきます。
ビルの価格はうなぎのぼり。
15年の間にコツコツ積み上げてきたジャングルオフィスビルの作成ノウハウを持っているのは世界中探しても私だけです。
私はそのノウハウを売ることにしました。
全ては私の頭の中に「価値」が蓄積されているので、貸借対照表に資産は計上されません。
利益だけが発生するのです。
その年の決算をむかえました。
BSには相変わらず建物100万円。
PLにはなんと、1億円の利益が!!
ここにきて初めて、多くの投資家から出資させてくださいという声がかかるようになります。
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どうでしょうか?
これは単純化した極端な例ですが、決算書に表れる数字ばかりにとらわれていては、こういう隠れたチャンスに気づくことができません。
だからこそ、いつも頭の片隅に置いておかないといけないんです。
分析している数字は”ホンモノ”か!?
もしも数字と実態の差に気付けたら、それは間違いなくチャンスです!
先ほどの例で、ビルに種を蒔いている間、投資家は誰ひとりとして見向きもしなかったように、ほとんどの人が数字しかみていないのです。
種まく人に投資できる人こそが大きな利益を手にすることができるのでしょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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