初任の時、教育委員会事務局の指導主事に授業を参観してもらう機会がありました。
授業で子供たちは活発に発言しました。
子供たちの興味・関心を引き出す授業ができたと、内心その日の授業に自信をもっていました。
授業後、指導主事は授業の内容や子供たちの様子よりも、教室環境についての話を重点的にされました。
そして、教室の後ろの黒板のチョーク置き場にたまっていたチョークのかすを指摘され、こういうところに気を配らなければいけないというアドバイスをされました。
しかし、あの頃の自分は、その話を素直に受け入れることができませんでした。
違和感と反感しか感じませんでした。
なぜ、授業のことよりも、教室の後ろの黒板の汚れに注目するのだろうか、そんなことはたいした問題ではないじゃないか、そう思っていました。
若気の至り、汗顔の至りです。
今なら指導主事の指摘がよく理解できます。おそらく私の授業の根本の弱さの改善を願ってのアドバイスだったのだと思います。
私が出会った、誰一人取り残すことのない教育を実現することができていた教師は、裏や隅、陰や端を大切にしながら教育に取り組んでいる教師でした。
神は細部に宿ります。
自分の反省から、先生たちには、裏、隅、陰、端を大切にしながら教育に取り組んでほしいと思っています。