「キャリア教育」 の充実が求められています。
「キャリア」 とは、 働くことにまつわる「生き方」 であり、 仕事を通して様々な経験やスキルを得ていく「プロセス」という意味です。
そして、キャリア教育とは「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要なキャリア発達を促す教育」のことです。
令和2年度から始まった新しい学習指導要領 (小学核) の中で、初めて 「キャリア教育」という文言が直接的に使われています。「キャリアパスポート」という取組も実施されています。
キャリア教育が求められる背景には、子供たちの実態や学校から社会への移行をめぐる環境の変化があります。
離職率調査によりますと、中卒は7割、高卒は4割、大卒で3割が、就職後3年以内に離職しています。(以前は七五三と言われ、高卒離職は3割でしたが、さらに上がっています)
私は高度経済成長の時代に生まれ、育ちました。
がんばって勉強して、いい学校に入り、いい会社に入れば、いい人生が歩めると信じられていた学歴社会の時代です。
私たちの時代に求められていたのは、「根性」と 「忍耐」でした。
「自分はどんな生き方をしたいのか」などと考える余裕も必要もない、 「キャリア教育」のキャの字もない、イケイケの時代でした。
私たち世代の男性は少年時代、「スポ根漫画」を確立した梶原一騎 さん(故人)に大きな影響を受けています。
『あしたのジョー』『巨人の星』『タイガーマスク』『空手バカ一代』『赤き血のイレブン』『柔道一直線』『夕焼け番長』『キックの鬼』これらの漫画が私たち世代の男性に与えた影響は計り知れません。(私だけかもしれませんが・・・・・・)
これらの漫画が私たちのキャリア教育だったのかもしれません。
「巨人の星」の主題歌が端的に表していますが、「思いこんだら試練の道を、行くが男のど根性」なんです。
女子にもスポ根漫画がありました。その一つが 「アタック No.1」です。この漫画の影響力も大きく、たくさんの女子が、「鮎原こずえ」に憧れてバレーボール部に入部しました。
この漫画の主題歌が端的に表していますが、「苦しくったって、悲しくったってコートの中では平気なの」なんです。
耐え忍んでいるのです。忍耐なんです。
「だけど女の子だもん。涙が出ちやう」と言いながらも、アタックしまっくっていたのです。
高度経済成長が終わり、バブルがはじけ、国全体のエネルギーがなくなっていき、私たちは次第に、みんなで共有できる目標や方向を失っていきました。
一人ー人が自分の生き方をつくっていかなければいけない時代が訪れたのだと思います。
この流れの中で、ニートやフリーターの間題、引きこもりの問題も浮かび上がってきました。
小学校からのキャリア教育が求められる背景には、一人一人の子供が、厳しい杜会を生き抜く力を身に付けてほしいという強い願いがあります。